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INTERVIEW

2024.09.21

能動的な取り組みが生んだ、変化と成長の好循環――DIALOGUE+ 3rdアルバム『DIALOGUE+3』リリース記念スペシャル対談 PART4:緒方佑奈・宮原颯希×田淵智也

能動的な取り組みが生んだ、変化と成長の好循環――DIALOGUE+ 3rdアルバム『DIALOGUE+3』リリース記念スペシャル対談 PART4:緒方佑奈・宮原颯希×田淵智也

声優アーティストユニット・DIALOGUE+が、9月18日に3rdフルアルバム『DIALOGUE+3』をリリース。「一度DIALOGUE+の音楽を完成させる」という総合プロデューサー・田淵智也の宣言のもと制作された本作は、ログっ子(※DIALOGUE+ファンの総称)をはじめ、様々な大切な存在への愛を歌に込めたリード曲「FU-TSU-TSU-KA I love you」など多彩な新曲8曲を収録した、メンバー8人の進化と真価を味わえる1枚となった。
リスアニ!では本作のリリースを記念し、メンバーと田淵智也 の対談インタビューを4回にわたってお届け。ラストとなる今回は、緒方佑奈・宮原颯希の2人との対談。今回もアルバムの話題に加え、自らの活動への関わり方やそれがもたらした変化と成長など、様々な事柄についてたっぷり語ってもらった。

INTERVIEW & TEXT BY 須永兼次

2人の変化を生んだ、活動のなかの成功体験

――まずは、前作のアルバムからの約1年半を経て、その間ご自身の中の変化や成長について感じられていることがありましたらお伺いしたいのですが。

緒方佑奈 私は、「自分たちで作る」感覚が結構強くなったように思っています。『DIALOGUE+2』以降、去年のZeppツアーやパシフィコ横浜でのワンマンライブなどを作る過程ではそれまでと違って、大まかな流れみたいなものは田淵さんからも教えてもらいつつ、それを形にするために「表情をこうしてみようか」とか「ダンスのキレはどこで上げていって、どこで体力を温存して……」みたいなことを、自分たちでより深く話し合うようになったんです。それだけじゃなくて、“田淵さんとスタッフさんと私”みたいに個々で話し合うことで自分の意見を発信しやすくなりましたし、それこそ照明さんの会議とかにも参加して、そのときの内容をもとに自分たちの対応を考えるようにもなって……より「自分たちが作ってるんだ」と思う瞬間が増えたことで、成長できた実感はありますね。

――その意見が受け入れられたりいい反応を生むという成功体験が増えることで、プラスの循環をしているというか。

緒方 はい。やっぱり自分が発信したことを取り入れてくださって、それが実際に達成できて手応えがあったときにはすごく嬉しくて!どんどんチーム内で、そういうふうになれていったように思っています。

宮原颯希 私から見ても、特に緒方はすごく積極的にライブの計画段階から参加して、とても能動的にライブづくりをしてくれている印象がありますね。それに、たしか初期の頃に田淵さんが、私たちに「アーティストらしくあってほしい」と言っていた記憶があって。その中で「“やらされている”のではなくて“やりたいと思ってやっている”という意識を持ってほしい」というお話があったんです。それもあって、みんな意見を言いやすくなったのかな?と思いました。

――一方、ご自身についてはいかがですか?

宮原 自分自身の変化だと……リズム感でしょうか?『DIALOGUE+3』だけじゃなくて『2』のレコーディングも含めて、「やっぱ、拍って大事だな」という意識が自分の中でどんどん大きくなっていって。ライブのリハーサルや練習でも「拍をちゃんと考えながら歌おう」という意識が出てくるようになったんですよ。

――なるほど、『2』から変わり始めていたものが。

宮原 そうなんです。たぶん『2』の……「やばきゅん♡シューベルト」のときです!あの曲はサビの後半がかなり跳ねる感じになっていて、そのリズムに乗らないとカッコ悪い曲だったので、そこのレコーディングで意識して……しかも田淵さんに「いい感じにリズムに乗れてます」みたいに褒めてもらえた記憶もあって。そのとき「ちゃんと自分が音楽に乗って、拍を考えて歌うって大事なのかも」と思ったのがきっかけでした。

――宮原さんもまた、成功体験から来ているんですね。

宮原 そうですね。そこからでした。

田淵智也 演者が「自分で考えてやったことで人を感動させられた」という実感を持つことってとても大事で。それがお客さんに響いたときに得られるものが、人を感動させるために音楽をやる人が得て嬉しい自己肯定感みたいなものなんですよ。それは歌や踊りだけじゃなくて言葉ひとつや人生の選び方を通じてでもなんでもいいんですけど、とにかく「人に影響を与えていく」ということは、人からお金をもらう人たちが実感しておくべき、今後のやる気にも繋がることなのでは?と思ったりするので。そこに関しての話は特にこの2人とはよくした気がしますし、こういう僕の小難しくて長い話に付き合ってくれる2人には感謝しています。そういう人がメンバーにいると僕も話しやすいし、「メンバーもやる気だぞ!」と思えて僕自身もちょっと救われる感じがあるから(笑)。

緒方宮原 (笑)。

田淵 ……話を戻すと、この1年のチームの変化や成長で一番大きいのは、その“能動的になった”というところ。勝手にユニットが回っていくためのスタートラインができたように思います。「ライブをやるよ」と言ったら、たぶんみんな「それまでにやらなければいけないこと」をイメージできるようになった気がしているので、そうなるとこちらもいろいろ企み事をしやすくなるし……ということが、結構うまくいった1年だったと感じますね。

宮原 さっき話したこととちょっと重なっちゃうんですけど、私もユニット全体としてより能動的に動けるようになったと感じていますし、そこの点での信頼関係というのは、さらに構築できていると思います。「用意してもらったものを、言われた通りにやる」ことをみんなで頑張る……というところから、誰かが「こういうふうにやってみよう」と提案してくれたことを「いいねぇ」って言ったり、逆に「それは違うんじゃない?」と言って別の案を出してみたりという話し合いができるようになったことは、2年ぐらい前だったら考えられなかったことだったので。

緒方 だから、本音で話す場面が多くなったよね。みんなでグアムに行ってMVを撮ったぐらいの初期の頃とかコロナ禍中に自宅で自主練してた時期とかって、みんなと会っても誰もあんまり弱音を吐いてなかったから私も弱音を言えなくて(笑)。気を張って現場に来ていたんです。でも最近では「実はこれ私苦手だったんだよね」みたいなことを言えるようになったし、「じゃあフォローしとくね」みたいなやり取りも増えまして。もしできなかったりキツいことがあったとしても「じゃあ、どうしたら現実的に回せるかな?」という話し合いができるようになったから……「背中を預けられる」みたいな感覚は、増した気がします。

次ページ:リード曲決定の裏側について、緒方が田淵に“取材”!?

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