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INTERVIEW

2023.07.09

ロックバンド・w.o.d.が、TVアニメ『BLEACH 千年血戦篇-訣別譚-』OPテーマ「STARS」を配信リリース!自身初のアニメタイアップ曲に込めた想いに迫る

ロックバンド・w.o.d.が、TVアニメ『BLEACH 千年血戦篇-訣別譚-』OPテーマ「STARS」を配信リリース!自身初のアニメタイアップ曲に込めた想いに迫る

いよいよ新たな戦いの火蓋が切られた『BLEACH 千年血戦篇』第2クール「訣別譚」。

本作のOPテーマを飾るのはネオ・グランジ・バンド・w.o.d.の初アニメタイタップとなる「STARS」。無骨なまでに荒々しい音が躍動する1曲で、本作を彩るw.o.d.が語る想いとは。

INTERVIEW & TEXT BY えびさわなち

ソリッドで直球なロックサウンドを鳴らす3ピースバンド・w.o.d.のメンバーが忘れられないアニメソングとは

――リスアニ!初登場となるw.o.d.ですが、まずは皆さんにとっての印象的なアニメソングを教えてください。

サイトウタクヤ たくさんあるのですが、厳選すると……一番印象にあるのは、子供の頃に観ていた『デジモンアドベンチャー』の「Butter-Fly」(和田光司)です。めちゃくちゃかっこよかったですし、大人になってから聴くと泣ける1曲ですよね。当時は「週刊少年ジャンプ」作品のアニメをたくさん観ていたので、『NARUTO-ナルト-』のオープニング曲だったASIAN KUNG-FU GENERATIONの「遥か彼方」も印象的でした。今考えると、その頃からきっとロックが好きだったんでしょうね。それと映画『ワンピース THE MOVIE デッドエンドの冒険』の主題歌だったBUMP OF CHICKENの「sailing day」も超かっこよかったです。それから『鋼の錬金術師』のオープニング曲だったポルノグラフィティの「メリッサ」も好きでした。あの曲に関しては、小学校の友だちもみんな好きだったので、仲のいい友だちと振り付けまで考えて楽しんでいました。最近だと『ピンポン THE ANIMATION』のオープニング曲「唯一人」ですね。爆弾ジョニーの曲なのですが、アニメのオープニング映像との親和性もすごく高かったですし、めちゃくちゃ感動しました。それから『チェンソーマン』で米津玄師さんが歌うオープニング曲「KICK BACK」もかっこいいですし、友だちのSIX LOUNGEが歌った『僕のヒーローアカデミア』のエンディング曲「キタカゼ」もマジでいい歌詞を書くなと思ってグッときました。……これくらいにしておきます(笑)。

――たくさんの楽曲をありがとうございました(笑)。Kenさんはいかがですか?

Ken Mackay 実は若い頃には全然アニメを観てこなかったので、今回のタイアップが決まったことで最近になって『BLEACH』を観始めたところです。観ているうちに「いいな」と思ったのがオープニング曲を飾っていたASIAN KUNG-FU GENERATIONの「アフターダーク」です。あれはテンションがアガるなと思いましたし、印象に残っています。

サイトウ そもそもアニメを観なかったけど、最近観始めて「めっちゃおもろいな」って言ってるのが面白いんです。

Ken めっちゃおもろい。『BLEACH』。

サイトウ 本当に第一話から見始めたんですよ。

――絵が今と全く違いますよね!(笑)。

Ken 絵やアニメーション技術の移り変わりも一緒に体感しています。今は藍染が空座町に攻めてきました。

サイトウ めっちゃいいとこ!

――では元良さんはいかがですか?

中島元良 僕の中で印象に残っているのは、アニメ『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-』初代オープニング曲であるJUDY AND MARYの「そばかす」です。その頃まではアニソンはアニメのために作られた曲だったものが、ここにきていわゆるJ-POPの、作品に繋がりのない曲がアニメに使われるようになったと感じたんです。それまでマンガやアニメは小さい子が観るもの、という捉えられ方を世の中的にはしていて、アニメを観ていること自体が今のように市民権を得てはいなかったように記憶しているんです。ジュディマリは当時、聴いているとおしゃれと思われる代表みたいなバンドだったんですよね。ジュディマリやYUKIちゃんのライブに行くとおしゃれな人が多いんですけど、そのジュディマリがアニメの曲をやるということは、『るろ剣』のアニメを観ていること自体が“おしゃれ”なこと、という見られ方をしたことで急にオタクが市民権を得たようなイメージがあります。急に「るろ剣、観てるよ」って言えるようになった気がして。『るろ剣』はほかにも川本真琴さんとかもやっていて、逆におしゃれだった。調べていくとアニメのことをあまり意識せずに曲を作ったようなことも知って、いわゆるバンドの曲をオープニングやエンディングに使うことが主流になってきたように思うんですね。もちろんそれまでのアニメのために作られたアニメソングも好きなんです。「翔べ!ガンダム」みたいな。

サイトウ カラオケに行くといつも歌っているしね。

元良 歌うね。でも一番歌うのは劇場三部作の『機動戦士ガンダムII 哀・戦士編』主題歌の「哀 戦士」なんですけどね。あれは気持ちが入る1曲なんです。でもそういった意味もあって「そばかす」が一番印象に残っています。

語彙力を失う『BLEACH』のカッコよさを、音で体現したオープニング曲を

――そのw.o.d.が、今回アニメ『BLEACH 千年血戦篇-訣別譚-』のオープニングを担当することに。そもそもアニメのオープニング曲に対してはどのようなイメージをお持ちですか?

サイトウ オープニングの名の通り、幕開けですよね。曲が流れてくると「はじまったな」と強く感じさせることと、ストーリーが進んでいくと歌詞の響き方が変わってきたりするなと思っています。最初に聴いたときには感じていなかった気持ちが、後々に「そういうことに繋がっていたのか!」とグッとくる瞬間がきたりもするんですよね。話が進んでいく中で共鳴を強くしていくのもオープニング曲だなと思います。

元良 先ほどもお話したように、アニソンは2種類ある気がしていて。「哀 戦士」のようなアニメのために作られた曲なのか、それとも「そばかす」のような曲なのか。そんななかでも最近ではバンド側もアニメの内容に沿った曲を作るようになってきていますよね。アニメに寄り添いながらw.o.d.らしさを出した曲が今回は出来たように思っています。

――オープニング曲の話が来たときにはどのような感想がありましたか?

Ken びっくりしました。さすがにアニメに触れてこなかった自分でも知っている作品ですし、オープニング曲はそのアニメを知らなくても自然と耳に入ってくるような曲でもあるので、かなり重大な仕事だなと思って、「頑張らなくちゃ」という気持ちになりました。制作に関しては、自分がやるべきことをやるだけではあるんですけど、いい曲が出来るといいなと思いながら制作に臨みましたし、その意気込みに応えるだけの楽曲が出来たのでよかったです。

――そんな『BLEACH』への印象を教えてください。

サイトウ 初めて観たのは小さいときでしたから「とにかくかっこいい!」という印象だったんです。うわぁ!と昂ぶるなぁ、というイメージでした。子供の頃には技の名前なんて難しいから、なにを言っているのかもわからなかったですが!

元良 大紅蓮氷輪丸とかね。

サイトウ 言いたいよね。かっこいい。「卍解!」って叫ぶよ、それは!という感じで。『BLEACH』はそういったところを大事にしていますよね。ロックもそうですが、たとえばレッド・ツェッペリンってかっこよすぎて言葉で表現ができないんですよね。「カッケー!」ってしか言えない。語彙力を失う感覚。『BLEACH』の印象はそれに近いです。実際、久保帯人先生もロックが大好きだし、そういったニュアンスをすごく大事にされているんだろうなって感じます。

Ken 最初は「どうだろう」と思いながら観始めたのですが、観ていくうちに芯を感じてきて、ブレない良さのあるアニメだなって思っています。かっこいいですし、スタイリッシュ。

サイトウ 一護のキャラのブレのなさってかっこいいよね。

Ken 本当にそう。かっこいい。

元良 僕は元々原作ファンなんですけど、「週刊少年ジャンプ」の読者って“少年”とあるくらいだから、そもそも少年のものなんですよね。ただ少年のためのものでありながら、女性読者を多く獲得した作品が数多くあって、『BLEACH』はその1つだと思うんです。たぶんその前にあったのが『幽☆遊☆白書』で、そこから数年を経てまた女性読者を獲得した作品という意味でもすごい魅力があると思うんです。しかもそんな少年少女たちの性癖を歪めたとも思っています(笑)。

一同爆笑

元良 たとえば『幽☆遊☆白書』で言うと、女性人気が高かったキャラクターとしては飛影や蔵馬がいたと思いますが、あんな男性、世の中どれだけ探したっていないんですよ。それを“理想の男性”と思ってしまった女性たちは多いんじゃないでしょうか!男子だと大人になってくると桑原に憧れるようになるんですよね。『BLEACH』にもそれがあると思うです。中学生くらいだったら日番谷冬獅郎がかっこいいって思うんでしょうけど、高校生とかになると藍染惣右介や市丸ギンにハマる感じがありますよね。そういう意味でも罪深い作品だなって思います。ちなみに俺は27巻で織姫が一護の枕元に立つところに人生観や恋愛観が詰まっているのを感じていましたし、すごく影響を受けました。

次ページ:w.o.d.初挑戦となった「89秒の壁」

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