INTERVIEW
2023.07.09
――そして制作に入られた「STARS」。アニメ側からのオーダーで印象的だった言葉などはありましたか?
サイトウ 本当になにもなかったです。やりとりをしていく中で唯一あったのが、「イントロにパンチが欲しい」ということくらい。そのオーダーを受けて新たにギターリフを考えたところはありましたが、それまでは本当に好きなようにやらせてもらいました。ただ初めて試みたこととしては89秒という尺に合わせてやったことくらいでした。
Ken 伸び伸びと作らせてもらったよね。
サイトウ 嬉しかったよね。自由に、思うままにやらせてもらえたことが。
――89秒というアニメソングならではの決め事についてはいかがでしたか?
サイトウ 89秒の中で展開が多くてスピード感もある、というイメージがありましたが、逆に自分が観たり聴いたりしてきたアニメのオープニングもすべてがそういった制約の中での楽曲だったなというのがあったので、「こういうものだ」というイメージがあったおかげでスッと作れました。話が来たときにはその場でデモが出来て、そこからちょっとずつ詰めていく作業、割とスムーズでした。ただこれまではあまりメトロノームを使って録ることがなかったんです。今回のようにテンポを決めて、構成を決めて作っていくというよりも、もっとバンドっぽく作ることが多いので、その作業は新鮮でした。89秒のどこになにを置くか、という制作はどこかパズルのような感覚でもありました。
Ken テンポによってぴったりにならないんですよね。1下げると足りなくなったり、時間が余ってしまったりすることには少し苦戦をしました。
サイトウ テンポの気持ち良さと構成の気持ち良さのバランスもあったけど、意外とそれもすんなり決まりました。本当に気持ちよく作りました。
――『千年血戦篇』だからこそこだわった部分はありましたか?
サイトウ ストーリーや内容はすごく意識はしたんですけど、かといってそこに沿って作るとリアリテイィがなくなるし、自分が反映されていなさすぎて、歌っている自分に対しても説得力がなくなってしまうし、聴く人にとっても説得力のない曲になってしまうから、自分と重ね合わせて歌詞を書きました。自分の中で納得できる言葉をすごく選びましたね。最初はオケから作っていったのですが、その時点では完全にオープニングという気持ちで作っていたので、疾走感があるサウンドで斬魄刀を振っている姿をイメージしながら作りました。
Ken オケを聴いただけで「『BLEACH』だな」と思いました。作品が想像できる曲だったから、すごいなって思った。
元良 でも俺らの音楽がそもそも『BLEACH』っぽいと思う。ほかの楽曲でも『BLEACH』っぽいものがあると思う。
サイトウ 『BLEACH』では、目に見えないものがテーマでもあると思うんです。だからこそ僕自身もそれをテーマにして歌詞を書いていったんです。僕はサン=テグジュペリの『星の王子様』が大好きで、自分にとってはバイブル的な本なんですが、そこに「本当に大切なものは目に見えない」というフレーズがあるんですね。そういうことを想いながら歌詞を書きました。
――打合せの段階から楽曲が浮かんでいた、とのことでした。バトルのシーンを抽出しようだとか、なにかしらか楽曲を呼び込むイメージがあったかと思います。それはどんなものだったのでしょうか。
サイトウ それはやっぱり作品としての『BLEACH』を知っていたからこそだと思います。特に「これ」というものがあったというよりは『BLEACH』ならこれでしょう!と思ったことと、そこで自分たちにできること、自分たちがかっこいいと思うような楽曲を作ろうと思ったらスッと出来た感じでした。
――特に『BLEACH』に対してこの「STARS」で会心の出来だ!と思うところをそれぞれ教えてください。
サイトウ 英語の部分の歌詞は、『BLEACH』の話数毎のサブタイトルの感じを意識しました。このまま引用できるくらいのフレーズです。そこは会心です。
元良 サビのコード感が僕の中ではすごく『BLEACH』らしいんです。さっきレッド・ツェッペリンに対して語彙を失う話が出てきましたが、言葉より表現が豊かだと思うんです。本質的な意味で。『BLEACH』を音楽で表すなら、というサウンド感になったと思います。
Ken ベースでいえば、あんなに動くフレーズはこれまでになかったなって思います。
サイトウ 確かに珍しかったかもね。
Ken 今まではシンプルなフレーズが多かったんですけど、複雑なベースラインは自分たちとしても新しいですし、『BLEACH』的には躍動感を表しているのかなと思います。
サイトウ そうかもね。激しくて切ない感じの音楽というのは、『BLEACH』のイメージがあったからこそできたかもしれない。『BLEACH』って切なさや寂しさがあるじゃないですか。激しい中にもそういった色が出たのは『BLEACH』のイメージがあったからこそかもしれない。すごく激情的な中でちゃんと温かくて、切なくて、泣ける感じになりました。
元良 『BLEACH』のコミックスの扉絵のような感じがある。
サイトウ そうだね。自然と『BLEACH』の影響を受けて作れたかなと思います。
――アニメで流れるのが楽しみですね。
サイトウ 『BLEACH 千年血戦篇-訣別譚-』のプロモーション映像でまず流れたんですけど、これがもう最高でしたから。
Ken PVのコンテも見せてもらえたんですが、その時点で「すげぇぇぇ!」ってテンションがあがりました。
元良 声優さんの声も入っていたので、すごくアガりました。
サイトウ アニメーターさんってすごいなって思って、マジで感動したんです。
元良 だからこそオープニング映像は僕らもすごく楽しみにしていて。
Ken PVでこれだと、オープニング映像はヤバいぞって思いましたよね。
サイトウ どんどんスタイリッシュになっている中で最新型ですから。放送開始がとにかく楽しみです。
元良 あとアニメのオープニング曲の熱いところって、最後のほうのいいところで入ってきたりするじゃないですか。「STARS」もそれがあるんじゃないかと今から期待もしています。
サイトウ それがあったら泣いちゃうかもしれない……!
――「STARS」で新たにw.o.d.と出会う皆さんもいらっしゃるかと思いますが、8月には「ONE MAN TOUR”バック・トゥ・ザ・フューチャーⅤ“」が控えていらっしゃいます。ライブへの意気込みをお願いします。
サイトウ いい音環境で、いいワンマンをバシッとやるので、お楽しみに!
Ken 「STARS」もやります!
サイトウ 絶対にライブ映えする曲ですから。楽しんでもらいたいです。
元良 いつも曲を出してからライブをすることに不安があるのですが、この曲についてはライブでの熱が想像できますし、演奏することも楽しみしかないので、期待してください!
サイトウ 僕らはライブバンドです。それこそ中学生の頃からずっとライブをやっていて、コロナでライブが出来なくなったときにはどう生活していけばいいかわからなくなるくらいショックでしたし、日々の生活サイクルの中にライブが常に組み込まれているくらいのバンドなので衝撃も大きかったですが、声が出せない状態での最初のライブは本当にすごい熱でした。ライブはまさに“生き物”。生きている人間が観に来て、生きている俺らが演奏をしていますから、観客の人数を制限された声の出せない中でのライブでさえ生きている人間の圧倒的なパワーを感じるほどのライブでしたし、ロックバンドでしか得られないライブの良さが毎回出るようにライブしています。音もデカいですが、ぜひ“生”を感じにライブに来てください。
――では最後に読者へのメッセージをお願いします。
サイトウ アニメの放送開始を皆さんはもちろん俺らもめちゃくちゃ楽しみにしています。『BLEACH』だけではなく、アニメやマンガも音楽も、そこで影響を受けて人生が変わったり癒されたり感動したりすることが普通にあると思いますが、そんな作品の一部になれることは特別なことだし嬉しいです。『BLEACH』を観る人たちに気に入ってもらえたら嬉しいです。よろしくお願いします!
●リリース情報
w.o.d.
「STARS」
7月9日配信リリース
配信リンクはこちら
■mora
通常/配信リンクはこちら
ハイレゾ/配信リンクはこちら
●作品情報
TVアニメ『BLEACH 千年血戦篇-訣別譚-』
毎週(土)23:00からテレビ東京系列ほかで放送中
●ライブ情報
ONE MAN TOUR “バック・トゥー・ザ・フューチャーⅤ”
2023年8月10日(木)
東京・恵比寿ガーデンホール
OPEN 18:00 START 19:00
2023年8月17日(木)
大阪・梅田CLUB QUATTRO
OPEN 18:00 START 19:00
TCIKET:前売り 4,600円 (D別)
オフィシャル東阪統一最終先行(抽選)
受付期間:7/1(土)12:00~7/10(月)23:59
受付はこちら
チケット一般発売(先着)
取り扱いプレイガイド:チケットぴあ/イープラス/ローソンチケット
販売開始:2023年7月15日(土)10:00~
※予定枚数に達し次第販売終了となります
©久保帯人/集英社・テレビ東京・dentsu・ぴえろ
w.o.d.オフィシャルサイト
https://www.wodband.com/
TVアニメ『BLEACH 千年血戦篇-訣別譚-』公式サイト
https://bleach-anime.com/
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