上松範康×RUCCA×Elements Gardenが贈る、新世代メディアミックスプロジェクト『テクノロイド』。上松といえば、大人気コンテンツ『うたの☆プリンスさまっ♪』シリーズや『戦姫絶唱シンフォギア』シリーズ、最近では『ヴィジュアルプリズン』の生みの親でもある気鋭のクリエイター。そしてKAT-TUNや嵐、King&Princeの楽曲をはじめ、下野紘や蒼井翔太らの曲の作詞でも知られるRUCCA、さらに上松率いるElements Gardenとでタッグを組んで生み出した新たなコンテンツは、切なくも美しい、アンドロイドたちの物語を描くものに。
今年1月にAPPゲームがリリースされ、ゲーム画面からタイトルが示すようにテクノミュージックが流れ出す。近未来サウンドともいえる楽曲にアンドロイドたちの歌が重なり、心惹かれるユーザー続出中の『テクノロイド』はアニメ化も発表されている。そんな『テクノロイド」を、リスアニ!が徹底解剖!第5回目は、KNoCCの4人を演じる浦 和希(コバルト役)、渋谷 慧(クロム役)、峯田大夢(ケイ役)、kayto(ネオン役)へ、作品や楽曲への想い、彼ら4人のエピソードなどについて話を聞いた。
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――KNoCCの皆さんの、オーディションの思い出をお聞かせください。
渋谷 慧 僕の場合は、どのキャラクターで受けるかを選べるオーディションだったんです。KNoCCとSTAND-ALONEの2つのユニットから1人を選んでください、とのことだったのですが、資料を拝見してビビッときたのがクロムだったので、選んで受けました。スタジオオーディションではほかの方も受けていらっしゃるのを見て、なおさら「負けられない」という想いもありつつ、自分の中のクロム像を出すしかないなと思って挑んだら受かったので運命を感じましたね。なによりも「自分で選んで受かった」ということで「この子を選んで良かった」という想いがあります。
浦 和希 僕は逆に事務所から「コバルト役を受けてください」というお話をいただいて、テープオーディション、スタジオオーディション、と進んでいきました。でもコバルト役のスタジオオーディションの人数が多かったらしく、前後の時間にも受ける人がたくさんいて。「これは大変だ!この中で勝ち残らなきゃいけないのか!」という感覚があったんですけど、だからこそ自分の中でコバルト像をしっかり作っていったうえでやろう、と気合いも入っていたんですね。でも、現場では「自分らしく素直に演じてほしい」という言葉があって。その言葉の意味が最初はわからなかったんです。でも前向きなディレクションだとわかるような優しい伝え方をしてくださって、それもあって肩の力を抜いて「僕らしくやればいい」と思い切ってやれました。色々と考えてはいましたが、逆に作り込みすぎずにやれば良かったんだな、ということはあまりない経験でしたし、受かったときには自分を認めてあげられるような感じもあって嬉しかったです。
kayto 僕は2人とはまた別で、元々は全然違うキャラクターで受けていて、スタジオオーディションのときに「ネオンもやってみてください」ということでネオンに挑戦したのですが……実はオーディション前日にネオンの台本もずっと読んでいたんです。セリフも練習していたので、当日「受けてください」と言われたときには心のどこかで「きた!」と思っていました。そこで自分の思うネオンをそのままぶつけたら、今ではこうしてネオンを演じさせていただいています。深い縁を感じているキャラクターです。
峯田大夢 僕はオーディションを受けたときの印象として特に残っているのが「曲が良い!」という部分でした。KNoCCとSTAND-ALONEの曲が1曲ずつ届いたのですが、僕も浦くんと同じく「ケイで受けてください」と最初から言われていたので、ケイを受けました。ケイを受けるにあたって、実はお兄ちゃんっぽさのある、兄貴分的なキャラクターを演じたことがなかったので、自分としても挑戦でしたし「できるのかな」という想いもありつつ、自分なりに臨んだことが思い出に残っていて。あとはスタジオオーディション当日に、実はもう1キャラ、追加で「読んでください」と言われたのがクロムだったんです。
渋谷・浦・kayto へぇ!
峯田 逆にケイをすでに読んでいたので「これはケイには合わなかったということなのかな」と思っちゃって(笑)。だから結果がくるまでは、どうなるのかとドキドキと不安が降り混ざった気持ちでいましたね。その後ケイで受かったという結果がきてから実感がすごく湧いてきて、「あれで良かったんだ」と受け入れてもらった感覚があって、すごく嬉しかったです。
――ご自身の演じるアンドロイドの「ここが好き」というところや共感するところ、こういう部分を引き出してあげたいと考えている部分を教えてください。
浦 コバルトはほかのアンドロイドの中でも純粋で物を知らない子。ある意味、人間の小さい子供のようなんですよね。小さい子は「これはなに?」「あれはなに?」って質問をしますが、同じようにアンドロイドとして『kokoro』はあるけれど未発達なだけで。物を知らないからこそ一番見ている人たちが感情移入しやすいだろうし、アンドロイドと人間の差を感じられるキャラクターだと思います。例えばケイなら、周りをお世話してあげるところには共感できると思うし、クロムの知識欲の高さも共感できると思うんです。でもコバルトは、悪いことも悪いことだと理解していない節があるんですよね。「大丈夫じゃない?」って。それはアンドロイドの中の倫理観。それをより顕著に出せるキャラクターがコバルトだと思うので、『テクノロイド』の世界の中でもそういったアンドロイドと人間との違いを出す装置になれるようにという意識でお芝居を頑張っています。
渋谷 クロムはKNoCCの中でも少しお兄ちゃんみたいな雰囲気ですし、穏やかな性格の敬語キャラなんですが、知識を得ることが好きなんですよね。僕がもらったデータには「特技:うんちく」って書いてあって。これを特技って書くの!?と驚くくらい、自分の蓄えた知識を披露することに楽しみを感じているんだと思うんです。アンドロイドですから、多分自分の中で知識を蓄えていくことで満足してしまう節もあって。知識と現実に起こることの差がまだあまり区別できていないんですね。知識では今の気温は35度だけど、実際に外に出て「これが35度というものか」と理解する。ただまだそれほど理解はしていないんですよね。知識として蓄えているけれど実際の現場のことをあまり知らないからこそ、ストーリーでも『kokoro』を動かされたり、遊園地で楽しんだりする場面もありますが、そうやって経験することでより楽しめる。そういう部分に対してはすごく純粋な子なんです。あとは終始穏やかな敬語キャラですが、僕自身敬語キャラは結構好きで、演じやすいなと思ってもいるんです。だからこそいつかクロムがブチ切れるシーンがあったら、すごく面白そうだなって思っています(笑)。ブチ切れるシーンを想像はできないけれど、もしもその機会があれば思いっきりやりたいなと思っています。
峯田 ケイはクロムと同様にお兄ちゃんポジションではあるんですけれども、なんだかんだ、やいのやいのみんなに……特にコバルトに言われたり、言い返したりもしていますが、それに付き合ってあげている懐の深さがあるキャラクターでもあるので、僕自身もKNoCCの中でケイほどではなくともそんなふうになれたらいいなぁ、と思いながらKNoCCの活動や収録に臨んでいるところです。僕は演じるキャラクターは全部、体験できることは体験してキャラクターに落とし込んでいくというタイプなので、KNoCCでもそれをできるようにいたいと思っていますし、そうはいっても勝手にゲームの彼らような関係性になってもいるんですけど(笑)。
kayto 不思議となっているよね。
峯田 ね。その経験を基にみんなを支えられるような立場で、優しく寄り添っていけるように、アニメにも落とし込んでいけるといいなぁと思っています。
――ではネオンについてはいかがですか?彼の場合は動と静の性格の、二面を出さなければいけないところもありますが。
kayto KNoCCの中では末っ子ポジションで。自分の好きなように、マイペースに行動する子で、常に眠そうにしているキャラクターではあるんですけど、実はアーティスト気質な面もあるんですよね。そういう面があるということは人一倍感受性が高くて、周りのことに敏感でもあると思うんです。アンドロイドで感情や『kokoro』は未発達ですが、それでも細かいところに気づく面がその性質を物語っていると思うので、彼の「表には出さないけれど内側に感じているもの」が普段のときにも滲み出るように、彼の本当の良さみたいなところを表現できるように芝居をしたいなと思っています。
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