INTERVIEW
2022.06.29
6月24日にアプリゲーム1周年を迎えた「IDOLY PRIDE」。6月29日には4グループのリーダーによる新曲などが収録された1st EP『それを人は“青春”と呼んだ』がリリースされた。月のテンペストの長瀬琴乃役・橘 美來とサニーピースの川咲さくら役・菅野真衣に、新曲のエピソードや「IDOLY PRIDE」1年間の軌跡を聞いた。
――今回のEPはアプリのリリース1周年というタイミングになりますが、これまでの活動を振り返って印象深いことは?
橘 美來 やっぱり初めて皆さんの前に出た日のことはすごく覚えていて、ワンフェス(2020年2月9日に開催された“ワンダーフェスティバル2020[冬]”)で初めてパフォーマンスを披露したのが一番印象的ですね。そのときは全力でパフォーマンスをしたぞと思っていたんですけど、今映像を観返すと全然できていなくて(笑)。全力でやってきたパフォーマンスでも、観返すと毎回「前よりは良くなったな、でもここはダメだな」っていう点があるので、自分の反省点を見つけながら、良いところを更新できればと思っています。
菅野真衣 私は“リスアニ!LIVE 2022”が印象的です。あの日、サニーピースは新曲の「全力!絶対!!カウントダウン!!!」を初披露したんですね。あの曲は最初に真っ暗なステージでメンバー5人が円陣でピースを重ねて、そこから“3!2!1!”の「3」で前を向いて始まるんですけど、それが「SUNNY PEACE HARMONY」の“5つのピース 重ねれば 星になるんだ”という歌詞を思い出させてくれて、1つでもピースが欠けたら星にならない、サニピの5人だからこそ作れる最高の円陣だなと思ってすごく好きなところなんです。“リスアニ!LIVE”では、「3」で振り返ったときに、日本武道館の輝くスポットライトと皆さんのサイリウムが一気に視界に入ってきた眩しさが本当に忘れられなくて……。真夏に家のドアを開けたときに太陽の日差しと熱い空気が伝わってくるみたいに、皆さんが応援してくれる熱量を感じて、忘れられない景色でしたね。
――今、アプリゲームでは「東京編」のストーリーが完結しましたが、ご自身が担当しているキャラクターの向き合い方に変化はありましたか?
橘 (長瀬)琴乃は最初、本当に心を開かない子だったんですけど、最近ではみんなとの距離も近くなって、すごくかわいらしい表情も見せるようになってきたんです。最初の頃は、「琴乃ってこういう子なんだ」っていう意外な一面が見れただけで私もすごく嬉しかったんですけど、最近では琴乃が成長したことの嬉しさも感じられて、琴乃の新しい一面を知るたびにますます琴乃のことが好きになってきました。もちろん、最初から好きだったんですけど、最初に比べてすっっごく好きだなって思います(笑)。
――それは演じていて楽しくなってきているというのもあるのでしょうか?
橘 最初は心がきゅーってなっていたんですよ。(川咲)さくらちゃんに対しても「ナメないでよ」とか言うので、「そんなこと言わないでよ……」と思いながら演じていた部分はあるんですけど(苦笑)。最近では負の感情は出さなくなって、「好き」という感情やリスペクトをすごく表に出すようになってきたので、私も演じるうえでの楽しさが増してきたところがありますね。今までは、「この場面は琴乃だったらどうするんだろう?」って考えながら演じていた部分があったんですけど、今は深く考え過ぎずに楽しく琴乃を演じさせていただいています。
菅野 美來ちゃんのお芝居もちょっとずつ変えていってるのかなというのを私も感じますね。最初はツンケンしたところが印象的だったのが、琴乃ちゃんってこんな優しい表情するんだっていうこととか、女の子らしい部分もあるんだなっていう色んな一面が見れて、より楽しくなりました。
――菅野さんはさくらについて何か変化はありましたか?
菅野 さくらちゃんは、星見プロダクションに入った当初は「胸の高鳴り」に従っていたところがあったんですけど、今は100%さくらの気持ちで突き進むことができていて、自分自身で努力や選択していくことを喜んでいるんですね。私なら今まで頼っていたものが突然なくなったら、不安になると思うんですけど大きな病気を乗り越えてきた彼女だからこそ、今当たり前に過ごせること自体が奇跡であるというのが根本にあるんだなと思って、その強い彼女を演じていくうえで私も強い人間になれるようにって背中を押されています。いつも明るくかわいいという一面に加えて、リーダーらしい芯の強さは演技面でも大切にするように心がけていますね。
――橘さんはさくらの成長に何か感じることはありますか?
橘 さくらにはずっと変わらない明るさがありつつも、すごく成長してどんどん輝く存在になっていますね。最近のストーリーだと琴乃が「さくらはこんなにも活躍してるのに……」って落ち込む部分もあるので、「琴乃には違う良さがあるんだよ」って私は思うんですけど、でも琴乃がそう思うくらい明るくて、自分が信じた道を突き進んでいけるというのはさくらの魅力的な部分だなと思います。
――さて、今回の新作の表題曲「それを人は“青春”と呼んだ」は、月のテンペストの長瀬琴乃、サニーピースの川咲さくら、TRINITYAiLEの天動瑠依(CV:雨宮 天) 、LizNoirの神崎莉央(CV:戸松 遥)という4グループのセンターが集まったスペシャルな楽曲です。
橘 私たちはマネージャー(「IDOLY PRIDE」のファンの呼称)の皆さんと同じく、ライブ(2022年2月19日に開催された<LAWSON presents IDOLY PRIDE VENUS STAGE 2022“奇跡”>)でのサプライズ発表で楽曲が作られることを知ったので、真衣ちゃんとも「知ってた!?」って驚いていたんですけど(笑)。まだ先輩方と歌う機会が少ないので、すごく緊張もしましたけど、曲を受け取ったときにすごくいい楽曲だったので、これを私のせいでダメにしちゃいけない、もっと良いものにして届けたいって、気合いを入れてレコーディングに臨みました。やっぱり各グループのリーダー、代表として楽曲に参加するので、「月スト(月のテンペスト)はいいぞ」って思ってもらえたら嬉しいですね。
菅野 すごく個性的な4つのグループを1つにする曲って、一体どんなのなんだろう?っていうワクワクがまずありましたね。でも実は不安もあって……琴乃ちゃんと莉央ちゃんと瑠衣ちゃんは凛としたかっこいいイメージなので、私はさくらとしてどう歌うべきか悩んでしまったんですよ。でも、楽曲プロデュースの方に「この曲は4つのグループの個性が爆発した曲だから、さくらはさくららしく歌ってください」と言われて、「さくらちゃんだったら歌っている今を全力で楽しむだろうから、そんな不安になることなんて1ミリもないんだ」って思えて、楽しくレコーディングさせてもらえました。
――レコーディングでこだわったポイントや、特に聴いてほしい部分はありますか?
橘 私は落ちサビですね。琴乃がしょっぱなを歌うんですけど、そこの気持ちを考えながら歌ったので、私的こだわりポイントかなと。
――“伝えさせてこの歌に込めて”のところですね。
橘 そうです!色んな人への想いはあるけど、私はやっぱり「もうお姉ちゃんがいなくてもだいじょうぶだよ」と、琴乃から(長瀬)麻奈に伝えることを一番に考えましたね。苦しいけど乗り越えたよっていう感情を出せたらいいなと思いました。
――菅野さんはいかがですか?
菅野 さくらは方向性が明るくかわいいからこそ、それを武器にしようと思って、サニピの魅力全開で明るく歌いました。好きな歌詞はみんなで「いっせーので“声出せ”」というところで、いつか声出しができるようになったらマネージャーさんと一緒に「いっせーので!」って言って、サビをみんなで歌うことができたらいいなと思ってます。今、何かに頑張っている人の背中をそっと押してあげるような、素敵な楽曲だと思いますね。
――声優活動を行っているお二人にとっても、自分自身の気持ちに歌詞が当てはまるようなところはありましたか?
橘 私は自分の中ではまさに今が“青春”だなって思います。みんなでレッスンしたり意見を交換したりするなかで、お互いぶつかり合う部分もあるんですね。私、結構謝れないというか、素直になれないところがあるんですよ(笑)。でも、真正面からぶつかることで絆が深まるというのをすごく感じますし、そういうところでもこの曲は背中を押してもらえる曲だなと思います。
菅野 私も美來ちゃんと一緒で、今が本当に“青春”してるなって思います。「IDOLY PRIDE」で初めてのことをたくさん経験していて、ライブで美しい景色を見て、皆さんと一体になって楽しむというのは、宝物のような青春の時間ですね。それに私、自分たちが関わっているコンテンツが馴染みの街にあるというのが衝撃的だったんですよ。昔、よく通っていた秋葉原のアニメイトにCDや雑誌が並んでいたりとか、アトレ(駅ビル)の窓がコラボで星見ちゃん(星見プロのメンバー)になっているのを目の当たりにすると、昔の私に教えてあげたいです(笑)。
――ちなみに、この曲を作られたHoneyWorksへの印象は?
橘 青春ですね。いや、何度も青春ってワードを使うと薄っぺらく聞こえそうですけど(笑)、本当に私が中学や高校の頃に聴いていて好きだったので、今回ハニワさんが楽曲を作ってくださると聞いたときはすごく驚きました。
菅野 私も実は学生の頃、ボカロが大好きで、特にHoneyWorksさんはこっそりライブを聴きに行ってました(笑)。ハニワさんはフレーズがすごくキャッチーですぐ頭に浮かんでくるというのが素敵なところで、お風呂で歌いたくなっちゃいます(笑)。身近に寄り添ってくれるような歌詞が特に好きです。レコーディングではお会いできなかったので、いつかご一緒してみたいですね。
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