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INTERVIEW

2021.12.13

【インタビュー】10周年を迎えたChouCho、これまでの活動を凝縮したベストアルバム『ChouCho the BEST』をリリース。10年の活動の振り返り、そして本作やこれからのことについて話を聞く――。

【インタビュー】10周年を迎えたChouCho、これまでの活動を凝縮したベストアルバム『ChouCho the BEST』をリリース。10年の活動の振り返り、そして本作やこれからのことについて話を聞く――。

ChouChoの10周年ベストアルバム『ChouCho the BEST』がリリースされる。これまでのシングル曲とタイアップ曲、さらには書き下ろし新曲とセルフカバー曲全24曲を、聴き心地良く並べた2枚組。どの曲も何年経っても色褪せない、アニメと共にある名曲ばかりだ。
今回は10年の活動を振り返ってもらいつつ、新曲のことや今後のことについて話を聞いた。

■ベストアルバム『ChouCho the BEST』全24曲レビューはこちら

10年の活動を凝縮。曲順も考え抜かれたベストアルバム

――早速ですが、10周年を迎えた気持ちをお聞かせください。

ChouCho 10周年ってすごく長いイメージがありますが、自分の中ではあっという間だったんです。ただ、まさか自分が10周年を迎えられるとは思っていなかったので実感もまだないんですよね。でも今回ベストアルバムを出すので、アルバムをリリースしてから実感が湧いてくるのかなと思っています。

――アルバム『ChouCho the BEST』を作るうえで、どんな内容にしようと考えましたか?

ChouCho 5周年の時もベストアルバムを出させていただいていて、そこからさらに5年経った、とスタッフチームと考えたときに、シングル曲をすべて網羅したアルバムにしようということになりました。そこに新曲とセルフカバーの楽曲を入れ、あとはアルバムに収録されていないシングル以外のタイアップを入れたらちょうど24曲に収まったので、割とスムーズに収録曲は決まった感じでした。

――シングル曲はすべてタイアップ曲になるわけですが、改めて聴いてみていかがでした?

ChouCho 楽曲の幅が広いなと自分でも感じました。初期はOP主題歌を担当することが多かったのでアップテンポな曲が多かったし、中期以降はミドルテンポの曲も増えて、ロック調の曲や暗めの曲も入っていたので、バラエティに富んでいるし、それぞれのアニメの色に染められた楽曲がたくさんあるなぁ、と。でも、そうやってアニメサイドからこれまでと違うオーダーをいただき、それに応えるように色々な曲を歌ってきたので、自分の歌の幅を広げてもらったような気持ちです。

――新曲を入れることは考えていたのですか?

ChouCho そこは迷うこともなく、私もスタッフも新曲は入れたいと思っていたので、自然な流れでした。ただ、どういう曲にするかというのはすごく迷って……これまでで一番曲を作るのに時間がかかったと思います。10周年ベストアルバムに入れる楽曲だから最高の曲にしたいという思いが強すぎて、曲調から迷いに迷って、2パターンくらい作っては「違う!」となり、やっとできたのが「Aurorise」なんです。

――そんな苦労が……。タイトルは造語ですか?

ChouCho 「aurora」と「rise」を合わせた言葉になっています。

――ChouChoさんのこれまでの活動を詰め込んだ曲だと思いましたが、テーマはどんなものだったのでしょうか?

ChouCho サビで“透明な羽根広げ”と歌っているんですけど、これまで私の歌声を“透明感”と表現していただくことが多くて、私自身、自分の色がそんなにないことが強みなのかなと思っているんです。そのぶん楽曲に合わせて色々な色に染められていくというイメージで歌っていて、オーロラも色をどんどん変えて輝いていくものなので、透明からオーロラ色に染まるという意味で「aurora」を。そして、ChouChoという名前なので、高く飛んでいこうという意味で「rise」という言葉を合わせました。

――だから“オーロラを溶かして 虹色に輝けるように”という歌詞なのですね。だとすると歌詞にある“君”というのは……。

ChouCho 10年間で本当にたくさんの方に歌を聴いていただいて、聴いてくださる方がいるからここまで続けてくることができたという想いがあるので……“君”はやはり聴いてくださっている方のことですね。その皆さんへのメッセージになっています。

――出だしが“子供の頃描いた夢ひとつ”と、歌手に憧れているところから歌っているんですよね。

ChouCho 元々小さい頃から歌が大好きで歌手になりたいと思っていたけれど、なかなか実現せず諦めかけていたところでニコニコ動画に出会い、そこからたくさんの人に聴いていただいたことでデビューが決まったので、そのことについても歌っています。

――だから10年の活動だけではなく、ChouChoさんの人生そのものを歌詞にしている感じなのですね。時間がかかったというのは曲調のところで?

ChouCho そうです。歌詞のイメージはあったんですけど、曲を書くのに時間がかかってしまいました。ちょっとミュージカルっぽい曲にしたいというイメージがあったので、結果メロディも複雑に、どんどん展開していく曲になっていきましたし、アレンジも歌詞に合わせて徐々に盛り上がっていくような感じにしていただきました。

――途中からいきなりロックっぽくなったり、アレンジも複雑な構成でした。

ChouCho それは村山さん(村山☆潤/音楽プロデューサー)のアイデアで、2番であそこまでバキバキのベースが入るとは私も思っていませんでした。でもそれも面白くて、出し切ろう!って感じが出ていますよね。

――イントロも壮大だったので、ここからアルバムが始まる、という感じがしたのですが、2曲目の「優しさの理由」への繋がりが絶妙で、素晴らしかったです。

ChouCho それは嬉しい!1曲目で10周年を迎えた今の自分を全力で出し切り、そこからの「優しさの理由」になるのですが、この曲は自分の中でとても素直な自分を出した楽曲で、作り込んでいないイメージがあるんです。なので、全力を出したあとに素朴な自分を出していく流れがいいのかなと思ったのですが、それ以外にも自然に聴こえる曲順というのは探していて、やはりこの曲しかないんじゃないのかなって。しかも「優しさの理由」って、ライブでも2曲目にやることが多い気がしているので、自分の中ではこれが完璧で、ナチュラルな流れでした。

――全体を聴いていて、個性的な曲だらけなのに、まるでオリジナルアルバムを聴いているような感覚になりました。やはり曲順はこだわられていたのですね。

ChouCho 5周年のベストは年代順だったのですが、流れで聴いたときに違和感がある部分はあったので、今回は聴き心地が良く、聴いていてもライブを見ているような感じで楽しんでもらえる曲順を考えたんです。なので、曲のアウトロと次のイントロの繋がりは何度も何度も確認して、違和感がないようにと考えていました。

――それでも置きどころが難しい曲もあったでしょうね。

ChouCho ありましたね。「フロンティア」(Nintendo Switch 『ガールズ&パンツァー ドリームタンクマッチDX』主題歌)とかはサウンド的にほかとかなり違うので迷いましたが、そこは『ガールズ&パンツァー』繋がりで、後ろに「DreamRiser」(TVアニメ『ガールズ&パンツァー』OP)を置きました。

――1枚目と2枚目でコンセプトも分けて考えていたのでしょうか?

ChouCho 考えました。1枚目は新曲以外は、朝から昼にかけての太陽の日差しを感じるような曲を集め、2枚目は星や月、夕暮れから夜にかけてを感じられるような楽曲を集めています。

――それぞれの最後の曲は、これしかないという感じでしたか?

ChouCho 決めていたわけではないのですが、流れや楽曲の意味合いを考えたときにこの2曲になりました。「なないろのたね」も「piece of youth」も途中に入れるのが難しい曲な感じがして、最後しかないなと思ったので、あまり迷わなかったですね。

次ページ:『ガルパン』、そして『イリヤ』への想い。そしてツアーへの意気込み

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