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ClariS 後編

〈高校時代、そして現在〉

――クララちゃんは高校生になって、自分自身に変化は感じましたか?

クララ
高校に入って、今まで会ったことのないタイプの人にも出会ったり、新しい経験もしたり、視野が広くなった気がしています。
歌に対しても、中学生の時は歌うことだけにすごく必死でしたけど、高校生になってからは歌詞の意味やフレーズの一つ一つについて、すごく考えるようになったと思います。
「どうやったらこの気持ちを、聴いてくださるみなさんに伝えることができるんだろう?」って。

「Wake Up」


――それは大きな変化ですね。

クララ
書いていただく歌詞に対して、共感できる幅が広がったのだと思うんです。
だから、今までは背伸びをして歌っていたような歌詞も、より素直な感情で歌えるようになったと思います。
私が歌詞から感じたこの気持ちを、ちゃんと歌にしたいと思うようになりました。

「Wake Up」


――シンガーとしての意欲がさらに芽生えたわけですね。さて、高校生になったClariSは
「Wake Up」「ルミナス」「reunion」「カラフル」とリリースを重ねていきました。

クララ
その当時は、歌詞に対する理解も深まってきたこともあって、アリスとたくさん話し合いながらレコーディングに臨んでいました。それまでも、たとえばタイミングを2人で合わせたりはしていたのですが、「こういう歌詞だから、もっとこう歌おう」とか、そういう意識にはまだ至っていなかったので。2人で歌詞を読んで、それぞれが感じたことを話し合ったりしながらイメージを膨らませるようになっていましたね。

「reunion」


――ClariSがより自発的に発信、表現するようになったわけですね。さらに、たとえば『魔法少女 まどか☆マギカ』関連でいうと「ルミナス」や「カラフル」のように、同じ作品と何度も向き合うことで深まった理解や、表現できたものもあったのでは?

クララ
あったと思います。例えば「コネクト」はほむらちゃん目線の歌詞だと思っているのですが、「ルミナス」はまどかちゃんから見た関係性だと思いますし、そう考えることで歌に込められるものって変わってくると思うので。
「カラフル」は誰かの目線とかではなく、『まどマギ』の世界観を高いところから見て捉えているような曲だと思いながら歌いました。
そうやって作品と曲の関わり方を考える一方で、「まだ透明な私たちはどんな色にでも染まることが出来るから」という歌詞については、私たちと同年代の、これから夢に向かって進んでいくみんなが、きっと共感してくれる歌詞だなと思って歌っていて。1曲の中に込められているたくさんの言葉の意味を、私が歌うことでしっかり伝わるといいなと思っていましたね。
渡辺(翔)さんの書かれる歌詞って、意味がすごく深いんです。歌いながら、考えさせられるような歌詞が多くて。書いていただいた曲はどの曲も本当に好きですね。
カレン
私も「カラフル」は大好きでよく聴いていました。イントロのオルゴールっぽいところから、もう本当に好きで。クララちゃんも言っていますけど、「まだ透明な私たちはどんな色にでも染まることが出来るから」と、その後に続く「夢を叶えよう」というフレーズを聞いて、「私もまだ曖昧なままだけど、自分の夢に対してかたくなになりすぎず、やりたいことを片っ端からやってみて、いろいろな色に染まってみてもいいのかな?」って思えたんですよね。違うなら辞めればいいし、これだ!と思えば突き進めばいいし、そうやって自分自身のスキルを上げていきたいと思わせてもらいました。
あと、当時ClariSの曲を聴いていて、「ルミナス」くらいから明らかに声の表現が変わった感じがしたのを覚えています。上手く言葉にできないんですけど、「あ、すごく上手くなってる」とはっきり感じたというか。同年代の女の子たちが夢を叶えて、しかも歌も着実に成長しているのを感じたのは、私にとってすごく刺激になりました。後でClariSのクララちゃんが、今私の横にいる、ずっと同じスクールに通っていたクララちゃんだと知って、余計に感動してしまって。
クララ
なんだか……すごく恥ずかしい(一同笑)。

「コネクト」


――今、ゼロ距離くらいの近さでベタ褒めされていますからね(笑)。

クララ
でも、本当に嬉しいです。
こうやって、自分たちの頑張ってきたことはちゃんと伝わっているんだなって、わかったので。

――この時はまだ別々の道を歩んでいた2人ですが、2人とも一生懸命に自分の進むべき道の中で模索して、その中でしっかりと成長をしようと努力を重ねていたことがうかがえますね。
さて、クララちゃんは高校生2年生だった2014年1月に、初めてZepp東京でファンのみなさんと対面します。「2014 New Year’s Festival 始まりの予感・・・」を今どのように振り返っていますか?

クララ
幕越しではあったのですが、ファンのみなさんの声を聴いて、ペンライトの光が見えて……歌っているときは本当に楽しかったです。早くこの幕を越えて「みなさんに会いたい!」という気持ちが大きくなってしまって。
「もう、この幕を破っちゃいたい!」って思うくらい(一同笑)。
でも、みなさんに直接会いたいという思いがあのイベントを通じてとても強くなったので、思い出深いイベントです。

「カラフル」


――そして2014年5月、アリスちゃんの卒業が正式に発表されました。その時、どんな心境でしたか?

クララ
やっぱり……最初に聞いたときは悲しい気持ちもありましたし、「これからClariSはどうなっていくんだろう……」という不安もありました。
ただ、アリスが卒業することが決まっても、私の中で“ClariSを辞める”という選択肢はなかったんです。どんな形でも応援してくださるファンのみなさんがいる限り、アリスの分も歌を届けていこうって。その気持ちが、一番強かったです。
アリスもたくさん悩んで、たくさん考えて出した答えだったんです。私はアリスのことも、しっかり応援していかないといけないなって思いました。

「カラフル」


――そんなクララちゃんから誘われてClariSに加入が決まったとき、カレンちゃんはどんな心境でしたか?

カレン
最初はまったく信じられない、というか、今でも100%信じられているかと言うと、実はそうでもなくて(苦笑)。

――「border」絶賛発売中ですけど!(笑)

カレン
でも本当なんですよ(笑)。テレビとかで自分の歌声が流れてきても、最初は自分だって気付かなくて。
「あれ? どこかで聴いたことがあるなー、この歌声……あっ!これ私だ!」ってなっちゃうくらい、自分でも夢のようで。
だんだんとClariSであることに馴染んでくると思うので、これからも2人で切磋琢磨して、ずっとずっと歌い続けていきたいと思っています!

「ルミナス」


――そんなことを言ってくれたカレンちゃんに、クララちゃんは今どんな思いを抱いていますか?

クララ
1人になったときは不安なことがたくさんあったのですが、一緒に練習をするようになってから今まで、本当にカレンの笑顔に助けられてきました。
カレンにとっては初めてのことがたくさんあって、それをきっかけに私自身も初心に帰ることが多いので、気持ちも引き締まります。
今は素直に、カレンと歌うことが楽しいんです。カレンが新生ClariSのパートナーになってくれて、本当に良かったです。

――そんな新生ClariSの2人による初舞台が「リスアニ!LIVE-5」、つまり日本武道館でした。クララちゃん、武道館のステージはどうでしたか?

クララ
視界いっぱいにペンライトが光って揺れている景色が本当に綺麗で!
あと、ステージに上がった瞬間の大きな歓声が、イヤモニをしていても分かるくらい伝わってきて!

――耳を密閉しているイヤモニを貫通するくらいの歓声が(笑)。でも確かに、すごい歓声でした。

クララ
リハーサルとかで感じていた通り、てっきりイヤモニからは音楽しか流れてこないものだと思っていたので「え? え? なんだこれっ!?」みたいな(笑)。
最初はビックリしたんですけど、ペンライトを振ってくださっているみなさんを見て、すごく楽しく2曲歌えました。あれだけ大きな舞台にClariSを立たせてくださったこと、本当に光栄でした。
カレン
私は最初、暗い所で目が慣れなくてドキドキしていて。
しかもステージに立ったとき、イヤモニの接続が悪くなっちゃったみたいで、「大変、これじゃ歌えない!どうしよう……」なんていろいろなことを考えていたら、だんだんと目が慣れてきて、見渡す限りにきらめいているペンライトが見えたんです。「この景色、夢みたい……」って、本当に思いました。そして歌い始めたら、本当にあっ! という間に終わっていて。
気分としては、ドラえもんみたいに自分の足が3ミリくらい浮いている感じだったんですよ(一同笑)! 足がちゃんと地面についた感じがしないし、その状況が自分でも信じられなくて。

「ルミナス」


――すごい心理状態だったことが伝わってきますね(笑)。

カレン
でも、本番は何度もやった練習よりも、クララちゃんとアイコンタクトが取れました。私の不安を感じ取ってくれたのか、その度にクララちゃんが「大丈夫だよ!」っていう笑顔で笑ってくれて。
あと、前の方のお客さんの顔が見えたんですけど、涙を流しながら私たちの歌を聴いてくれている方が見えたんです。そこで改めて、今までクララちゃんが作り上げてきたものが、その方の涙という形で見えた気がして、歌っているのにもらい泣きしそうになりました。
あの日見た景色を、今度は2人の単独ライブでもう一度見たいです。本当に一瞬でしたけど、とても貴重な体験でした。
クララ
あの日のステージは、本当に……いろいろな感情がこみ上げてきて、感謝の気持ちとか、あの場所に立てた嬉しさとか……あの日を迎えるまで、たくさん大変なこともあったけど、ClariSとして歌を歌い続けてきて本当に良かったなって、心から思えました。
あの後、出番が終わって楽屋に帰ったら、感極まって2人で泣いてしまって。

「border」


――それはファンのみんなも、きっと同じ気持ちだったと思います。

クララ
そうですね。でもやっぱり、今度はベールをちゃんと取って出たいなって(笑)。
ちゃんと自分たちの目で、しっかりファンのみなさんの顔や、ファンのみなさんが作って下さる景色を、はっきりと見たいと思いました。

――今の気持ちは、すっかり7月のワンマンライブですね。

クララ
あのとき、武道館のステージから見たみなさんと、早くまた会いたいです。
今まで直接会えなくても、ClariSに何があっても支えてくれたファンのみなさんに、感謝の気持ちをたくさん伝えたくて。

――今、ワンマンライブに向けて動いていることは?

クララ
やりたいことや、演出についてはスタッフのみなさんにいろいろとお話しています。
あとはグッズとかも「こういうのが欲しいです!」とか、そういう要望が少しずつづ形になってきていて、今すでに楽しくて仕方がないです! グッズは前回のイベントの時も少し出させていただいたのですが、ここまで自分たちの意見が反映されたことがあんまりなかったので、2人の思いが詰まったものになっているかなと思っています!
カレン
本当にやりたいことばかり出てきて、今度は逆に絞る方が大変になっちゃうくらいで(苦笑)。
「7月はどんな景色が見えるんだろう?」って、想像するだけでも楽しいです。 今まで、いろいろと夢について悩んできたりもしましたけど、クララちゃんが導いてくれたこの道を選んで本当に良かったって、今は強く思っています。
この先もずーーっと、クララちゃんの隣で歌っていきたいです!
クララ
私たち、磁石みたいだね(笑)。

――では最後に、5周年を迎えたClariSからファンのみなさんにメッセージをお願いします!

クララ
ライブという形でやっとファンのみなさんに会うことができるようになりますし、今まで感じて来た感謝の気持ちをたくさん伝えていきます。
そして私とカレンにしか作れないClariSという新しいジャンルというか、ClariSでしか味わえない世界を確立していきたいと思っています。
カレン
私も、クララちゃんと一緒でなければ作れないものを作りたいです!
私たちのハーモニーとか、言葉とか、ファンのみなさんにたくさん伝えたいことがあるので、いっぱい練習して7月のライブに臨みたいと思います。楽しみにしていてください!本当に毎日、ライブに向けたレッスンが楽しいよね?
クララ
途中でふざけちゃって、笑いすぎて歌えなくなったり(笑)。
カレン
あるある(笑)!
クララ
私たちのこの楽しい雰囲気も、ファンのみなさんに直接伝えられたらいいなと思っています! そして、これからもClariSへの応援、どうぞよろしくお願いします!

「border」

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