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REPORT

2016.07.20

雨降って、虹がかかった河口湖。“i☆Ris 結成4周年記念Live~foooor~”@河口湖“i☆Ristellartheater”公演レポート

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7月9日、声優アイドルユニット・i☆Risが“i☆Ris 結成4周年記念Live~foooor~”を開催。この日のみコラボレーションネームとして“i☆Ristellartheater”と名前を変えた河口湖ステラシアターは、最新シングル「Ready Smile!!」のMV撮影にも使われた場所。この地で彼女たちは、ファンへのこれまでの感謝を込めて最高のエンターテイメントを届けてくれた。本稿では、その昼の部の模様を中心にお届けする。

当日は富士急行ともコラボレートし、オリジナルのヘッドマーク掲出&すべての車内広告がi☆Risで占められた特別臨時電車“i☆Ris号”も運行。そのうち午前中に河口湖に向けて運行されたi☆Ris号では、メンバーそれぞれのガイドナレーションも放送され、風光明媚な富士急行沿線の自然や名所についてのガイダンスが行われた。乗車したファンも、車窓から望める名所を眺めながら会場への旅路をエンジョイしていた。

そして開演直前、曇りだった空からはあいにくの強雨が。残念ながらこの会場の特徴である屋根を開けることはできなかったが、その分会場内の彩りがそれをカバーしてくれていた。ステージ上は「Ready Smile!!」のMVをほうふつとさせる鉄骨の骨組みが6色のメンバーカラーで照らされ、6人の登場を待つ。また、傾斜角度がなかなかに急なすり鉢型である分、どの位置でもステージを近くに感じられる特殊さを持つのがこの会場。おかげで後方のファンにも、ステージを近くに感じつつステージ奥側でのフォーメーションの移り変わりも楽しめたはずだ。

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最新曲からカバー曲まで、盛りだくさんなお祭りの幕開け

と、会場中の照明が落ちて、interludeとともにレニー・ハートにコールされたメンバーが一人ひとりアリーナ部分に敷かれたレッドカーペットのもとから登場。それぞれ「“さきさまつり”じゃー!(山北早紀)」などひと言叫んだり、澁谷梓希のようにクラップを要求したりと会場のテンションを上げ、早速「Ready Smile!!」でのMVの再現とともに、4周年の幕開けを飾る。ダンス自体も、ツアーでの初披露よりもサビの軸足一本で立つポイントが安定感を増すなどより磨きがかかり、間奏部分では山北・若井友希のしなやかさが群を抜いていたように感じられた。また、前述のMVに合わせたシンプルなセットが、メンバーのパート割に合わせて色を変えていたのも効果的な見せ方だったように思う。続く「徒太陽」では、今度は芹澤 優・茜屋日海夏のジャンプの打点が高く、気合いの入りっぷりがうかがえる。さらに「Happy New World☆」では、落ちサビでの久保田未夢の歌声のファニーさがいいスパイスになっている印象。ライブを重ねるごとに、あらゆる曲での歌声の色づきが濃くなっている印象だ。

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MCではまず、ライブタイトルになぞらえて山北が「フォー!!!!」と雄叫びを上げ、6人でペンライトに染まった客席を一望。続く恒例の自己紹介でもメンバー全員がテンション最高潮で、口上に合わせてうれしさのあまりくるくると回る芹澤や、「始まる前はド緊張してたけど、ステージに上がったらふっとんだ!」と笑顔で語る若井、自らの口上のファンからの返しに「すごくない?」と思わずこぼした澁谷の姿が印象的だった。

ここで山北からの「7月になったということで!」という導入を経て、この時期にピッタリの「Summer Vaction Love」がスタート。大人キュートさの強いナンバーを、1・2コーラスでまるっとサイドチェンジするファンライクなフォーメーションとともに届ける。会場全体を観やれる落ちサビの山北のソロも、会場の形状を考えると普段以上の見せ場となる活き方をしていた。続く「キラリ」では、Aメロでは澁谷を挟んで芹澤と茜屋がわちゃわちゃしたりといった青春時代をそのまま落とし込んだようなジンとくる振付とともに、爽やかな歌声を響かせる。

曲明けには「大人曲が増えた」という話題を受けた「セクシーなi☆Risを(山北)」との言葉から、最新シングルのカップリング曲「Garnet」を初披露。ステージ上での披露は初となるこの曲では、イントロで前後列3対3に分かれ、艶っぽい振付で楽曲に没入していく。比較的シンプルめな振付だが、サビでは脚を伸ばしたままの体重移動があったり間奏でも6人が折り重なる振付が存在したりと、難易度の高いパートが散見される。また間奏では、若井、芹澤・茜屋・久保田、山北・澁谷の順に、3グループに分かれてのキレのあるダンスを披露。もちろん歌声も楽曲・振付の持つ艶っぽさそのままに、今だからこそ見せられる“大人i☆Ris”を見せていた。

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曲が終わり、山北・芹澤・茜屋が一旦降壇。残った3人で「Garnet」の振り返りやグッズについてのMCを展開。「i☆Risって、始まる前は雨降るけど始まってからは止む、ってことがよくあるじゃん?」との久保田の言葉から、「だから、晴れて虹が出るのかな?と思ってたんですけど」と若井が続け、最後に澁谷が「もうここにできてるじゃん」ときれいにトークをまとめていた。すると、衣装チェンジが終わり降壇していた3人が登場。トークしていた3人が入れ替わりに降壇すると。そのハッピ、背中には○で囲んだ基本それぞれの苗字1文字を入れ込んだものとなっていたのだが、山北はなぜか“様”。さらに、のちのMCで久保田は“黒”、澁谷は“ず”になっていることを語り、スタッフ間人気投票で決まったことを明らかにしていた。

と、ここで後半に降壇した3人が金のポンポンを持って登場。「久しぶりに、初心を思い出して(山北)」との言葉とともに、「もってけ!セーラーふく」からカバー曲コーナーが幕を開ける。2コーラス目冒頭担当の山北・芹澤・久保田がすさまじく楽しんでいたのも印象的だったし、普段にも増して終始エネルギッシュだった若井のダンスパフォーマンスも、間違いなく見どころであった。さらに「できたらみんなも踊って!」との澁谷の言葉を乗せて、「最強パレパレード」へと続く。ステージ上・観客誰もが楽しみつくしたこの曲、間奏の「ポーズこれよっ」で各々がポーズを決めるシーンでは、茜屋がちゃっかり「かしこまっ!」を入れ込んでいたのにはニヤリとさせられた。そしてカバーアルバム『カバ☆リス』のリード曲、「ウィーアー!」へ。今この曲の振付を見ると、腕での連動や山北のバレエを活かした振り付け、茜屋のキレあるハイキックと、ベースのレベルが上がった今だからこそわかる、現在への伏線がそこかしこに隠れていることを感じられる。そんなどでかいプラスアルファが積み重なった、i☆Risの「ウィーアー!」を、この日は見せてくれた。

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ピアノの音色に乗せて、響く6人のハーモニー

曲明け、結成初期の思い出話に花を咲かせていると、ステージ後方には電子ピアノとハイチェアーが登場。昨年の結成記念イベントに続いて、今年も弾き語りコーナーが行われる。もちろんピアノ担当は若井なのだが、実は冒頭で語った「ド緊張」の理由のひとつが、この大役。凛とした表情で若井がピアノに向かうと、歌い出したのは「ユメノツバサ」。美しいピアノの音色はもちろん、振付抜きで歌われるのもあって、特にソロに普段よりも表情が色濃く出る歌声も聴きどころ。この曲で、若井のピアノで6人が歌声を重ねるところから、ぐっと地に足をつけて上を目指していくという意志が感じられた。さらにもう1曲、今度は若井自身「(弾き語りが決まって)いちばん最初にやりたいと思った」と語る思い入れの強い曲、「Defy the fate」へ。頭サビの終盤が三声に分かれるという、CD音源よりも難度が高く、かつ美しいハーモニーを響かせる幕開け、そしてBメロでの転調も含む難しいこの曲の仕上がり具合から、2ndアルバムの時点で予感していた、i☆Risのアーティスティックな方向への広がりが確信に変わった。しっとりと歌い上げられたDメロ・落ちサビでは、とりわけDメロ2番手の茜屋の歌声が、とりわけこのバージョンならではの透き通り方をみせて映えていたように思えた。

歌唱後は5人から口々に「ゆうきちゃんありがとう!」の声がかかり、プレッシャーからか食事もノドを通らなかったという若井の目からは、完奏の安堵とミスタッチの悔しさから思わず涙。それでも最後には、「楽しかったです」と笑顔を見せてくれた。

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