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INTERVIEW

2014.06.25

SawanoHiroyuki[nZk]:Aimer『UnChild』、オリジナルアルバム『Midnight Sun』同時発売記念、Aimerロング・インタビュー

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6月25日にSawanoHiroyuki[nZk]:Aimerとしてのアルバム『UnChild』、そしてAimerとしてのニューアルバム『Midnight Sun』をリリースしたAimer。5月30日には大阪・心斎橋BIGCAT、6月1日に東京・Zepp Tokyoで行われたスペシャルライブイベント“UnChild”の終了直後にインタビューしてきた。

 

――まずは先日のライブについて、終わってみていかがでしたか?

Aimer そうですね。澤野(弘之)さん(※下画像)チームと、ボーカリストが私だけというライブは初めてでしたし、しかも大阪と東京の2公演もやらせていただいて本当に光栄でした。お客さんもとても温かくて、楽しかったです。

――澤野さんもMCですごく楽しそうにされていましたよね。

Aimer 澤野さんのMCもすごかったですね。エンジンがかかっていました(笑)。私は座ってアコースティックでやったり、ピアノとふたりでやったりということが多いので、フルバンドで、かつ立ってライブをしたのは初めてだったのですごく新鮮でした。新しい一歩を踏み出せたかなという感じがします。立って歌うということで、“静”と“動”で言ったら“動”のほうの自分をライブでも出せたんじゃないかなと思います。

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――東京公演のアンコールで日本語バージョンの「RE:I AM」を歌うのは最初から決まっていたんですか?

Aimer 澤野さんにその場で「やりましょう」と言われて。お客さんも澤野さんが「『RE:I AM』聴きたいですか?」って言ったら、わーっと反応してもらえて。みなさん「RE:I AM」をこんなに愛してくださっているんだなと感じました。

――このライブで演奏した楽曲を音源化するということで、事前に準備されていたわけですが、5月30日の大阪公演で発表したときってどんな感触でしたか?

Aimer 発表したときの歓声がすごくてうれしかったです。澤野さんがMCでお客さんに問いかけたら「買います!」って声が聞こえたり。前々から澤野さんと『UnChild』のライブをやりますとインターネットで発表したときから、ツイッターのコメントで「CD化しないんですか?」というのをいただいたりしていたので、それに応える形でCDを出せるのはすごく光栄です。

 

『UnChild』に収録された新曲

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――CDには新曲が4曲、そしてサントラの楽曲に新たに歌詞を付けたもの、そして別の歌い手さんが歌っていたもののカバーと大きく3つに分かれていますが、何より新曲がチャレンジングな内容です。6曲目の「Just say good bye」はかなりディストーションのきいたギターがあり、静かに始まるけれど途中からエモーショナルなブリティッシュな感じのサウンドで、「RE:I AM」や「StarRingChild」とはまた別のノリのロックテイストですよね。

Aimer 普段のAimer、自分のオリジナルで歌う楽曲とは大きく異なる曲たちが多かったですね。でも不安よりも、ワクワクというか、まず歌ってみたいという気持ちがありました。「Just say good bye」はシリアスな題材を歌っていたり、他の曲もですが『ガンダムUC』の世界観とシンクロしている曲が多いので、『ガンダムUC』の場面を思い浮かべながら歌ったりということもしていました。

――7曲目の「Next 2 U」は逆方向で、明るいアメリカのギター・ポップ的な、若干の切なさはあるけれど、かなり明るい未来を感じる曲です。

Aimer いろいろなものから心を解き放てるという、女性が主人公の心境を綴った曲なので、自分もそういう歌詞にシンクロするように、いろんなものから解き放たれるイメージで、自由に歌わせてもらいました。自分のオリジナルの楽曲ではこういう明るい曲はあまりなくて、カバーで明るい曲調の曲を歌ったぐらいなので新鮮でした。もともとアヴリル・ラヴィーンとかすごく好きなので、そういう意味で歌いやすかったです。

――まさにミネバのイメージですよね。ライブの時はインストの「MINEVA」があり、その次に「Next 2 U」が来たので、意図的に繋げているのかなと。

Aimer この曲は歌詞も、「いつもはがんじがらめになっているけど、あなたの前だとそういうしがらみを捨てて、素顔の自分になれる」っていうような、ミネバの心境と重なる曲だと思います。

――「Just say good bye」と「Next 2 U」は方向性の違う、そして両方ともAimerさんにとっては新しいサウンドでしたが、澤野さんとアヴリル・ラヴィーンが好きです、というようなお話をされたことはあったのでしょうか?

Aimer なかったですね。

――ということは澤野さんがAimerさんだったら歌えるだろうと?

Aimer そういう話し合いはまったくしていません。でも、澤野さんは「Next 2 U」みたいな明るい曲とか、「Just say good bye」みたいなロックの曲とか、Aimerであれば歌えるだろうということで持ってきてもらえる、という感じです。ボーカリストとして自分がいろいろなものを歌えることを信頼されているんだなと、すごくうれしかったです。いろいろな曲の世界観を歌いこなすという、手腕を試されているなというのもあって、それに応えたいという思いもありました。

――8曲目の「bL∞dy f8」もラテンかと思いきや、エッジのきいたダンス・ミュージックで、インパクトが大きかったです。

Aimer あまりこういう曲調の曲は歌わないので、どういうふうに曲の良さをボーカルで出せるかという部分で、結構悩みながら歌いました。歌詞もちょっと攻撃的ですし。

――そして「Because we are tiny in this world」は、締めくくりにふさわしい祝祭感がありますね。

Aimer これもシリアスな歌詞なんですけど、曲調はあまりダークな感じでもないので、わりと明るめで歌ったんですけど、これはコーラスのサビの部分とか、ライブでもそうだったんですけど、掛け合いがあって、そういう部分がすごく面白くて、ライブで歌ってもすごく気持ちよかったです。お客さんの手拍子があったり、びっくりしました。

――ライブでも「REMIND YOU」「EGO」からでしたが、その2曲も若干民族っぽいアレンジがなされていましたよね。ライブのセットリストがCDの収録内容ほぼそのままというのもすごいですよね。

Aimer インストは挟んでいますけど、それ以外はCDの曲順通りにやっているので、家に帰って『UnChild」のCDを買っていただいた方には、ライブのことを思い出しながら聴いていただけるとうれしいです。

 

『ガンダムUC』という作品と自身とのシンクロ

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――エピソード7で『ガンダムUC』プロジェクトがとうとう完結しましたが、ご自身の曲の使われ方を含めて、いかがでしたか?

Aimer いろいろな伏線をすべて回収してすごいラストですよね。今まで以上にキャラの表情や声優さんの演技もすごく迫力があって、自分の曲がエンディングにかかったことはもちろんですけど、それを抜きにしても感動しました。

――ライブでも「beginning」を歌われていましたが、あの曲が流れるあたりからが怒涛の展開ですよね。

Aimer そうですね。最後に「StarRingChild」のイントロが流れてくるのもすごく感動しました。『ガンダムUC』は戦争を描いた作品ですが、私たちは平和な世界で生きていて、戦争をしているというのはかけ離れた世界だと思うのに、あの世界で感情をぶつかり合わせてる人たちに、ものすごくシンクロするところがある。次に繋げていく、未来に繋げていくんだと、バナージやミネバが言うように、私たちも繋げていかなければいけないと思います。生きていくうえでの普遍的なことがテーマになっていますよね。

――別のインタビューで「相反する気持ちを歌い上げるというのも好きだ」ということを言われていましたが、「StarRingChild」の歌詞も相反する気持ちが描かれていますよね。

Aimer 戦争ってそもそもぶつかり合いというか、感情だけではない、いろんなもののぶつかり合いから生まれるものだし、そういうのを乗り越えて、なかったことにするんじゃなくて全部受け入れていくというのが、すごく伝わってきました。それは歌を歌うという自分の歌に対する態度というか、いろんなものを葛藤を受け入れてなかったことにしない、という歌っていく自分の姿勢とすごくシンクロするので、そういう意味で『ガンダムUC』は本当に感情移入しながら、自分の歌に対する姿勢というのもまた再確認する作品でした。

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