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2025.04.20

念願だったステージにもう一度立てた喜び――声優アーティスト・前島亜美、初ワンマンライブ「前島亜美 1st LIVE Blue Moment supported by animelo」をレポート!

念願だったステージにもう一度立てた喜び――声優アーティスト・前島亜美、初ワンマンライブ「前島亜美 1st LIVE Blue Moment supported by animelo」をレポート!

声優アーティストの前島亜美が4月13日に神奈川県・関内ホールにて、初のワンマンライブ「前島亜美1st LIVE “Blue Moment”」を開催した。昨年11月にリリースしたデビューアルバム『Determination』を携えた本公演のチケットはソールドアウト。ソロアーティストとしてデビュー後初となるワンマンライブにして、唯一となる貴重な公演となっていた。

TEXT BY 永堀アツオ
PHOTOGRAPHY BY 高田真希子

ソロアーティスト・前島亜美がすべてをさらけ出す

開演前の場内には、様々な“青”にまつわる楽曲がBGMとして流されていた。開演時間を迎えると、場内が“青”と“白”のライトで満たされていき、ステージ上に吊るされた様々な“青”色の布越しに前島のシルエットが浮かんだ。やがて、ゆっくりと布が上昇し、彼女の好きな色であり、ソロアーティストとしてのイメージカラーでもある“白群(ビャクグン)”=柔らかい白みを帯びた青色を想起させる白×水色のドレス姿の前島が姿を表した。

オープニングを彩ったのは、自身が作詞した「Determination」だった。歌って踊ることが大好きで、パワフルに夢を描いていた12歳の“君”=“夢”を昨年11月に27歳になった今の“私”が迎えにいくという、ソロデビューに向けた思いが込められたアグレッシブなロックナンバー。光に満ちたステージで“幼い夢 ずっと好きだったんだ この景色が「ねえ見て、君へのステージだ」”という歌詞を体現した前島が拳を強く握りしめて熱唱すると、観客の熱気は一気に上昇。「今日は一緒に楽しんでいきましょう」と笑顔で呼びかけると、ライブのタイトルにもなっている「Blue Moment」では白群色のペンライトを掲げた観客のクラップと掛け声が一段と大きくなるなかでくるりと二回転し、“青く染まった空と僕たちの夢が未来を描いている”というフレーズを共有。ソロアーティストとして、すべてをさらけ出して、明日へと歩んでいく決意と覚悟が滲む2曲によって、歌詞にある“時が過ぎても忘れられない歌”を響かせ合うデビューライブは幕を開けた。

最初のMCでは「始まる前、すごくドキドキしていました」と緊張していたことを明かし、ソロアーティストデビューと初ワンマンのチケットがソールドアウトしたことを報告。満員の観客と万歳三唱で喜びを分かち合うと、「デビューライブはこの1公演しかない。一発勝負という、この瞬間が、まさに“青い瞬間”であると思いまして、『Bule Moment』としました」とライブタイトルを解説した後、「次はかっこいい曲を」という言葉から、先ほどまでの世界観とは一転。赤が似合うラテンナンバー「SCARLET LOVE」で情熱的でパワフルな歌声を放つと、間奏ではフラメンコのようにスカートの裾を使ったダンスも披露。後のMCで「仮タイトルに『夜明け』と入っていて、“夜明け前の空”から始まる曲なので、ボイトレの先生に、ソロデビューがあなたにとっての夜明けになるといいね」と言われたという「SCARLET LOVE」に続いては、「1年半前に始めた歌のレッスンの1曲目の課題曲」だったという緑黄色社会「Mela!」をカバー。10年前に夜神粧裕役で出演したミュージカル「デスノート The Musical」で「私のヒーロー」という楽曲があったという共通点も語っていたが、前奏なしの歌始まりの楽曲を見事に歌いこなしながら、伸びやかで開放的なボーカルで観客のワイパーを引き出し、シンガーとしてのポテンシャルの高さを存分に発揮した。

「久しぶりにプリプリした気持ちを自分から思い起こした」というアイドル歌謡のようなポップス「初雪とKiss」ではチャーミングな投げキッスのフリ付きでパフォーマンスすると、観客からは“Kiss”の盛大なコールが湧き上がり、「人の命や人生を重ねて聴ける、自分が一番好きな春の曲」というヨルシカ「春泥棒」のカバーで“今日、この日”の思い出を刻むと、女性ダンサー4人によるブリッジを挟み、「MAKE IT NOW」へ。ジャジークラブやトラップのビートを導入した楽曲でキレのあるダンスで魅せると、「キャラソンで7年前にカバーした」という水樹奈々「DISCOTHEQUE」のカバーでは、イントロで大歓声が上がるなか“CHU-LU CHU-LU”のフリや「サタデー・ナイト・フィバー」のポーズを繰り出して観客を楽しませた。

ここで、新曲が7月放送のTVアニメ『公女殿下の家庭教師』のOPテーマに決定し、自身もキャストとして出演することを発表。「イエーイ!」と叫びながらステージを走り回って喜びを表し、「深夜アニメに命を救われてきたタイプなので、本当に夢のようです」と語り、その新曲「Wish for you」を初披露。サビに人差し指(I)、人差し指と親指(L)、人差し指と小指(Y)を順番に上げていく“I LOVE YOU”のハンドサインが盛り込まれたラブソングで爽やかで甘酸っぱい風を運んだ彼女は、再びダンサーを従えた「ポルターガイスト」では自身の二面性や遊び心を表現。続く、前山田健一(ヒャダイン)提供の「職業:あみた」ではイントロで観客から「キター!」という声が上がり、“よっしゃいくぞ!”や“あみた”コールも実現。“傷ついても翼は また夢を見る”というフレーズから始まるヘビーなロックナンバー「Unfallen Angel」で、歌詞の通りに“光満ちる世界を 始まりの風を”抱きしめるように歌い上げた彼女は、自らのパフォーマンスで夜明けを引き連れ、ライブはいよいよクライマックスに向かっていった。

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