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REPORT

2025.04.12

Sou、ナナヲアカリ、三月のパンタシアが5年の時を経て集結しコラボパフォーマンスを披露!“三月春のパン(タシア)祭り 2025 -リベンジの春-”の様子をレポート

Sou、ナナヲアカリ、三月のパンタシアが5年の時を経て集結しコラボパフォーマンスを披露!“三月春のパン(タシア)祭り 2025 -リベンジの春-”の様子をレポート

三月のパンタシア(以下、三パシ)による初の主催イベント“三月春のパン(タシア)祭り 2025 -リベンジの春-”が2025年3月29日(土)に東京・Spotify O-EASTにて開催された。

本イベントは当初、2020年3月29日(日)にKT Zepp Yokohamaで、Souナナヲアカリ、三パシの3組での開催を予定していたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けて中止を余儀なくされた。今回、実に5年という時を経てSou、ナナヲ、三パシが5年前と同日である3月29日に集結して開催されるというもの。その様子をレポートする。

TEXT BY 永堀アツオ
PHOTOGRAPHY BY 大庭 元

熱くて楽しいライブ空間を作り上げるナナヲアカリ、デビューからの道のりを追体験させるSou

新たな会場となったSpotify O-EASTは2階の立見席に人だかりができるほど多数の観客が詰めかけ、開演前からフロアは期待と熱気で溢れかえっていた。開演時間になると、ステージには<三月春のパン(タシア)祭り 2020>という文字がLEDに映し出され、<2020>という数字が<2025>に変わった。最初にステージに上がったのはナナヲ。<show time>という文字をバックに客席に背中を向けて右手を掲げると、TVアニメ『ダンジョンの中のひと』のEDテーマ「ブループリント」で会場のテンションを一気に引き上げ、大音量のクラップやコールを誘発。続く「完全放棄宣言」でも観客はジャンプしながらクラップを打ち鳴らし、“Give up!”や“完全放棄宣言!”といったフレーズを大声で叫び、会場はこれ以上ない一体感に包まれていった。

最初のMCでは「三月春のパン(タシア)祭り、5年越しの実現がここに達成されました!みあちゃんが諦めずにずっと声をかけ続けてくれて、ようやくこのステージが叶うこと、ほんまに嬉しく思ってます。みあちゃん、ありがとう」と感謝の気持ちを伝えると、「5年前のセトリに入っていた2曲をやらせていただきます」という言葉に導かれたヘビーでラウドなロックナンバー「妄想ハッピーエンド」ではナナヲがエレキギターをかき鳴らしたイントロで歓声が沸きあがり、「一生奇跡に縋ってろ」ではナナヲのシャウトに負けじと野太いシンガロングが発生。さらに最新シングルのカップリングに収録された「PLAY&PRAY」で観客を踊らせると、「初めましての人に自己紹介ソングを」と語った「ダダダダ天使」では最前の観客にカウントを任せ、“エンジェル!”というコールも飛び交い、“ナナヲアカリといえばライブが強み”という定説を証明するかのような最高の盛り上がりを見せた。

そして、「この日のために取っておいた」という言葉から、2020年2月にリリースされ、同年3月の本イベントで披露予定だった「チューリングラブfeat.Sou」のライブでは初となる生のコラボレーションが実現。この5年間でMVが1億回再生を突破したヒット曲で向き合って声を重ねる2人に盛大なコールが送られた後は、最新シングル「明日の私に幸あれ」では会場が1つとなって“へい”と声を上げ、「恋愛脳」では“君と目あった”というフレーズに合わせて観客に指を差して距離を縮めるなど、曲を重ねるたびに歓声とクラップ、さらにジャンプが大きくなる、熱くて楽しいライブ空間を作り上げた。

続くSouは歌い手として活動を始めた過去から現在までの道のりを追体験させてくれるような構成となっていた。2017年に歌ってみた動画をアップしたナユタン星人「ロケットサイダー」から、同じく2019年にカバーした煮ル果実「キルマー」へ。アグレッシブなロックナンバーで観客を楽曲の世界観と物語に引き込んだSouは、「熱気すごいね。みんなの熱量に押し負けそうになってる」と苦笑しながらも、DECO*27「モニタリング」ではサイケデリックな音像のなかで女性ボーカルのようなハイトーンやファルセットを響かせ、柊マグネタイト「マーシャル・マキシマイザー」のカバーでは、パンクバンドのライブのような「ファイ!」という声と共に、みんなで“人でなし”という叫びも実現。観客の熱量の高い盛り上がりに「みんな、すごいパワーだ」と感嘆しながらも、場面は緩やかに転換。前半の4曲は様々なボカロPの楽曲をカバーする “歌い手”しての一面を見せてくれたが、後半の5曲はシンガーソングライターとしての自身が作詞作曲を手がけた楽曲や自身名義のオリジナル楽曲が中心となっていた。

「初披露の楽曲です」と紹介した「化けそうなココロ」はTVアニメ『妖怪学校の先生はじめました!』のOPテーマとしてChinozoが書き下ろした新曲。爽やかで甘酸っぱいラブソングに観客は掲げた手を左右に振るワイパーで応えると、2024年7月リリースの最新にして4枚目のオリジナルアルバム『センス・オブ・ワンダー』に収録されたブルーで切ない青春ソング「ことばのこり」を経て、TVアニメ『全修。』EDテーマ「ただ、君のままで。」ではスラップベースに乗せて、「この歌がいつか届いてくれたら」という思いを場内いっぱいに響かせた。さらに「僕が初めて作詞作曲した曲になってます」と語った踊れるギターロック「愚者のパレード」を思い切り歌い上げると、同じく自身が作詞作曲を手がけた「センス・オブ・ワンダー」では観客のジャンプを誘い、波の音が広がるラストナンバー「バブル」へ。歌い手、ボカロP、絵師などがチームで曲を作るイベント“VOCADUO 2023”で制作した本楽曲。初挑戦となったポエトリーリーディングをフィーチャーしたサマーソングでフロアをノスタルジックなムードで満たした。三パシの楽曲と通じる儚さや寂しさに“ブルーポップ”の世界を感じた人も多かったのではないかと思う。

次のページ:三月のパンタシアがナナヲアカリ、Souとのコラボステージで観客を魅了する

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