REPORT
2025.04.04
2025年3月29日、昨年デビュー10周年を迎え初の日本武道館公演を大成功させたオーイシマサヨシが、ライブの聖地である日本武道館に再臨。サプライズゲストとゴージャスな演出、ファンサービス満載の360度ステージから約1万3000人に届けた“オーイシ武道館 Vol.2 ~オーイシマサヨシ ワンマンライブ at 武道館~”(以下、“オーイシ武道館 Vol.2”)の様子をレポートする。
TEXT BY 阿部美香
PHOTOGRAPHY BY 大参久人、二上大志郎、濱谷幸江
去年の秋の終わり、シングル「ギャンブリングホール」のリリースインタビューで話を聞いた時、「ライブをやっていると、どんどんそのお客さんがお祭り化してきているなと感じるんです」「制限もかけられてしまう場もあると思うんですけど、僕のライブくらいはみんなでバカ騒ぎしてほしくて」と語っていたオーイシマサヨシ。雑談中には、当時セットリストを準備中だった“オーイシ武道館 Vol.2”についても「よりお客さんに盛り上がってもらう演出を考えているところ」だと話し、湧き上がるアイデアに瞳を輝かせていた。“オーイシ武道館 ~オーイシマサヨシ ワンマンライブ at 日本武道館~”(以下、“オーイシ武道館 Vol.1”)でも、彼が標榜する初心者からマニアまで「誰も置いていかないライブ」を、アニソン界のトップエンターテイナーとして見事な“伝説”へと昇華していたオーイシマサヨシが、今度はどんなステージを観せてくれるのか!?膨らむ期待を胸に足を運んだ2度目の日本武道館は、“オーイシ武道館 Vol.1”の興奮をさらに上回る“最高”の時間と空間を届けてくれた。
“オーイシ武道館 Vol.1”では張り出したセンターステージを使って華やかなショーを見せてくれていたが、今回はなんと360度ステージ!前回もアリーナからスタンド席までびっしりと人で埋め尽くされていたが、今回はさらにそれを上回る数の観客が、全方位でひしめき合っている。開場中、バンドセットが配置されたシンプルなステージの頭上に設置された4面ビジョンが、オーイシが出演するCMやMVを流しているのだが、曲に合わせて早くも手拍子が起こっているのがすでに楽しく、どのファンも、今から始まる極上のショーを心待ちにしているのが、漂う空気からも感じられる。
オーイシのライブといえば毎回楽しみなのが、凝った演出によるオープニング。昨年の“オーイシ武道館 Vol.1”ではムービーの影アナを声優・津田健次郎が担当して会場を沸かせたが、今回の幕開けはオーイシの配信名場面を繋ぎ合わせたホラー映画(?)の予告編仕立て。そのタイトルは「劇場版 覚醒オーイシ 義務わらのマサヨシ」!つい最近、Xのトレンドを賑わせた“バナナの皮ニキ”を早くもネタにしたスペシャルムービーに、客席から爆笑が起こる。そして会場が暗転、ステージを取り囲んだ360度の客席がペンライトの光で真っ赤に染まり、ビジョンに登場したのはグリッドマンだ。アラームが鳴り、声優・緑川 光の声が「この世界に危機が迫っている」「君たちの意思でアクセス・フラッシュしてくれ。みんなの思いが1つになった時、私もきっとこの会場に現れる。さぁ、みんな声を揃えて叫ぶんだ!」と告げて客席全員が「アクセス・フラッシュ!」をコールすると……スポットライトを浴びて「インパーフェクト」を歌いながらステージにせり上がってきたオーイシが「武道館―!」と雄叫びを挙げ、伸びやかな歌声を響かせる。“オーイシ武道館 Vol.1”のオープニングと同じく、彼の衣装は今回も白地の上下。ここから聖地・武道館を“大石昌良”とは違う“オーイシマサヨシ”が、アニソン色に染め上げていくのだ!という宣言のようにも思える。スポーティなジャケットの背中にはもちろん、お馴染みの“014”の文字。「さぁ、みんなの声を聞かせてくれよ!」の声に早くも客席は大興奮に包まれ、オーイシが東西南北すべての方向に手を挙げて応える。
鮮烈なオープニングに続いて「世界が君を必要とする時が来たんだ」のイントロが流れると、ステージの両端にスモークが上がり、そこに出現したのはTVアニメ『トミカ絆合体アースグランナー』のグランナーRとグランナーK!ゆっくりと中央に歩み寄ってステージに下りるとオーイシを囲んでダンスを披露し、3人でポーズを決める。オーイシのライブではすでに恒例となったスーツアクター出演によるヒーローショー。“ライドオン!”の歌声を合わせた客席の大歓声にクライマックス感が襲い来る。
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