REPORT
2025.04.04
ヒーローを送り出し、改めて「“オーイシ武道館 Vol.2”へようこそ!アニソン界のおしゃべりクソメガネことオーイシマサヨシです」と笑顔で挨拶。「今日は武道館360度ソールドアウトしておりますが、それ以上の方々がなんと配信でご覧になっていただいております。その様子を伺いたいと思います」と告げて、LEDビジョンを見上げると、配信中の映像に重なるのはコメントの弾幕。全国にリアルタイムでこの公演を応援している人がたくさんいることに、現地ファンも大盛り上がりだ。そして今日、都内では桜が満開らしいと言って振付を指導し、次に届けられたのは「MANKAI☆開花宣言」。一気にペンライトがピンクに変わり、曲中のコールを手書きしたプラカードを掲げるオーイシが、軽快なサウンドに乗せてチャーミングに歌い上げる。そしてもう1曲、クラップが湧き上がるポップなナンバー「好きになっちゃダメな人」へ。ステージ後ろに設けられたランウェイにピョンと上がり、1階スタンドで笑顔を見せるファンたちと触れ合いながらスタンドを半周。鮮やかなフェイクを響かせた。
今歩いた客席で、「好きになっちゃダメな人」のジャケット写真と同じ格好のファンを見つけて喜び、今日の物販には彼と同じメガネをかけた“野生のオーイシ”がたくさん詰めかけたと報告。温かいファンいじりもオーイシのライブではお馴染みの光景だ。そしてここで2組目のゲスト、オーイシの「ギフト」や「オトモダチフィルム」のMVにも出演している“俺達の天使様”ことモデルのウーリャを呼び込み、ダンサーズと共に「ギフト」を一緒にダンス!一気にステージはカラフルでポップに彩られる。唯一無二の歌声を卓越した歌唱力で聴かせるオーイシのライブだが、“聴かせる”だけでなく、その歌声を揺らがすことなく華やかな“ダンスで魅せる”パフォーマンスを両立するのも彼の魅力だ。抜群にキュートなウーリャとのダンサブルなステージは、7年前にオーイシと当時11歳だった彼女が初めて共演したMVも懐かしい「オトモダチフィルム」へ。2人のステップに合わせて客席のグリーンの光が揺れ、楽しい合いの手がステージを包み込んだ。
ウーリャとの思い出を語り、次は「新曲というヤツです」と予告しながら、初見でも楽しめるようにとサビで「ヘイ!」と声を出してのノリポイント(なんと合計18回!)を指導して、「ギャンブリングホール」へ!生の3管ホーンセクションを交えたスウィンギーな“昭和歌謡ジャズ”は、大会場で演奏されるのが良く似合う。曲中では手練れのバンドメンバーであるギター&バンマス・奈良悠樹、ドラム・髭白 健、ベース・工藤 嶺、キーボード・半田彬倫に加え、トランペット・Atsuki (FIRE HORNS)、サックス・ヒロムーチョ、トロンボーン・Tocchi (FIRE HORNS)を紹介し、各自のテクニカルなソロにも観客は熱狂した。
会場がシリアスなムードに包まれ、ここから激しめの新曲達が続けざまに放たれる。緩急自在のハードなサウンドと畳みかけるラップが強烈な「L’oN」では飛び交うレーザービームに無数の拳が上がり、オーイシのシャウトとハイパーロングトーンがドラマチックに響き渡った。そして会場が暗転すると、ステージ中央のオーイシが着ていたスポーツシャツを脱いで背中に“祭”と描かれたハッピに着替え、ダンサーズが激しくステップを踏む。「あとの祭り」の始まりだ!“ソイヤ!ソイヤ!”の大合唱が起こり、1番を大盛り上がりで歌い終えたところで曲が止み、ステージ上手のウイングにまたもスモークが立ち上がる。そしてポップアップからは……「♪チャンチャカチャンチャン ニセモノが出てきたかと思っていたら~ 本物のコウメ太夫でした~ チックショー!」と言いながら、「あとの祭り」のMVでオーイシが女形のお手本にしたというコウメ太夫本人が登場!予想外のサプライズにオーディエンスは沸きに沸き、歌いながらオーイシも合流。2人でランウェイを追い掛けっこするパフォーマンスで会場を大いに盛り上げた。
オーイシとコウメ太夫が去り、祭りの余韻にざわつく武道館。そしていつの間にか頭上からステージへと下りていた4面ビジョンが光を宿し、映し出されたのは大海原の風景だった。バンドが奏でる雄大なインストゥルメンタル。映像は魚達が泳ぎ回る海中から海底へと沈み一気に浮上すると、姿の見えないオーイシの歌声が聴こえてくる。始まったのは「Sea Of Wonderland」。海上を映す4面ビジョンの中央からリフトに乗ってせり上がってきたオーイシも、海賊船の船長のような艶やかな飾りのついたロングのフロックコートを羽織っている。そしてもう1曲、航海といえばこの曲「黄金航路」。青く染まった武道館に力強いハイトーンを響かせ、スケールの大きな2曲を朗々と歌い上げた。
SHARE