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REPORT

2025.04.04

Cö shu Nie、TOOBOE、ハルカトミユキ、meiyoを迎えた楠木ともり初の対バンイベント“SMA 50th Anniversary presents「TOMORI FES.」supported by KT Zepp Yokohama 5th Anniversary”ライブレポート

Cö shu Nie、TOOBOE、ハルカトミユキ、meiyoを迎えた楠木ともり初の対バンイベント“SMA 50th Anniversary presents「TOMORI FES.」supported by KT Zepp Yokohama 5th Anniversary”ライブレポート

提供アーティストとの共鳴と進化を示した楠木ともりのライブ

この日のトリを飾ったのは、もちろん楠木ともり。まずは、いつもライブをサポートしている気心の知れたミュージシャンたちによるバックバンドがスタンバイすると、先ほどのドレスから着替えて、ジャケットとパンツスタイルの大人っぽい衣装を着た楠木がステージ中央まで歩み出て、彼女自身が作詞・作曲したナンバー「Forced Shutdown」でライブをスタートさせる。自作曲に変拍子を取り入れることの多い彼女の真骨頂と言うべき本楽曲の複雑に揺れるグルーヴを、オーディエンスは気持ち良くノリながら堪能する。続く「DOLL」もまた楠木が作詞曲を担当し編曲に亀田誠治を迎えたことで、色艶のあるメロディとブレス多めのしっとりとした歌声が、この日のコーデと相まってシックな新境地を拓く。

彼女が愛する豪華アーティストが集結したこの日のフェスを「私のご褒美」と語って喜びを隠せない様子の楠木は、ここからその4組が提供した楽曲を続けて披露。ハルカトミユキ提供の「それを僕は強さと呼びたい」では、冒頭の一節をピアノと共にしっとりと届け、そこからエモーショナルなサビに向けて徐々に心が高ぶっていくような表現、静と動の対比を効かせたボーカルが、先ほどのハルカとの共鳴を感じさせる。meiyoが提供した「StrangeX」におけるストレンジなポップミュージックのもと会場がひとつになる感覚、TOOBOE節全開のアッパーロック「青天の霹靂」でのアグレッシブかつルーディーな歌い口の爆発力、そしてCö shu Nie提供曲「BONE ASH」の感情の炎を自在に操るような激しくも美しいボーカルアプローチ。そのどれもが提供アーティストとの出会いと共鳴がもたらした表現であることが、ここまでの4組のステージを観た後だとより実感できる。またそれと同時に、楠木は今やそれらを自分だけの表現に昇華していることが伝わってきた。

その後のMCで、4組に提供してもらった楽曲について「歌っていてもいつもと違う自分になれるような感じがして」「いつも力をもらっています」と語り、改めて感謝の気持ちを言葉にする楠木。そして「普段のライブであまりやらないことをやろうかな?」と語ってファンの期待値を上げるとラストスパートへ。メジャーデビュー曲「ハミダシモノ」(TVアニメ『魔王学院の不適合者 ~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~』EDテーマ)を熱量たっぷりに歌い上げると、その途中で楽曲が変化して「ロマンロン」に移行。サビでパワフルなロングトーンを響かせると、今度はキーボードが耳馴染みのあるフレーズを惹き始めて「熾火」に。ライブ人気の高いナンバーのメドレー3連発で観客のボルテージは一気に最高潮まで跳ね上がり、楠木もいつになくテンションの高いシャウトを交えるなど、会場全体がゾーンに入ったかのような熱狂に包まれる。そのままノンストップで駆け抜けてライブ本編は終了した。

アンコールはUKガラージを取り入れたメロウなダンスポップ「MAYBLUES」でスタート。楠木の浮遊感あるウィスパーボイスが、先ほどのメドレーで火照った体を優しく冷ましてくれる。そして「アンコールありがとうございます。ここからはクラップで一緒に盛り上がってくださーい」と呼びかけて、レイドバックしたグルーヴが心地良いライブの定番曲「もうひとくち」へ。ラストの“明日ね また明日ね”というフレーズで楠木もファンもお互いにバイバイと手を振って、惜しむ気持ちを通じ合わせる。

だが、お別れの時間にはまだ早い。ここで次の出会いを約束するお知らせ、7月に東名阪を巡るライブツアー“楠木ともり Zepp TOUR 2025”の開催と、今年8月にメジャーデビュー5周年を迎えることを記念した映像作品「ALL VIDEO SONGS」のリリースが楠木の口から直接伝えられ、会場は歓喜の渦に包まれる。しかもこの映像作品に合わせて、歴代17本のリリックビデオの中からファン投票で選ばれた1曲のMVを新たに制作する企画も決定。詳細は公式サイトをチェックしてほしい。

そしてついに最後の1曲。彼女がこの記念すべき初めての対バンイベントのラストナンバーに選んだのは、最新EP『吐露』のリードトラック「風前の灯火」だ。彼女の名前“ともり”とも所縁のある曲名を持ちつつ、今にも消えそうだった炎が再び燃え上がる様を描いた、終わらない情熱の歌だ。儚さと力強さが同居した切迫感ある歌声が、観客の声援と熱気にあてられて逞しく進化していく。お互いに背中を預け合い、信頼を積み重ねてきた楠木とファンの想いが一体となって、約5時間に渡った“TOMORI FES.”は幕を下ろした。

シンガーソングライターとしてクリエイティブな才能を発揮する楠木が、1stアルバム『PRESENCE / ABSENCE』を制作するにあたって、楽曲提供をお願いした4組が一堂に会した今回のイベント。ジャンルを問わず様々な音楽を愛する楠木だからこそのラインナップであり、普段はなかなか混ざり合うことのなさそうなアーティストが集結したという意味でも、ファンに新しい音楽との出会いを提供する場にもなったのではないだろうか。楠木自身も終盤のMCで「こういう形式のライブもまたできたらいいなと思ってます」と語っていたが、ぜひ今後も機会があれば開催してほしいところだ。

<セットリスト>
TOOBOE
1.往生際の意味を知れ!
2.天晴れ乾杯
3.痛いの痛いの飛んでいけ
4.錠剤
5.ダーウィン
6.心臓
7.紛い者 (feat.楠木ともり)
8.素晴らしき世界

meiyo
1.STICKER!!!
2.クエスチョン
3.KonichiwaTempraSushiNatto
4.クラクラ
5.PAKU
6.っすか?
7.なにやってもうまくいかない
8.ビートDEトーヒ

ハルカトミユキ
1.ドライアイス
2.マネキン
3.ニュートンの林檎
4.絶望ごっこ
5.夜明けの月
6.17才
7.世界

Cö shu Nie
1.絶対絶命
2.undress me
3.水槽のフール
4.asphyxia
5.bullet
6.永遠のトルテ
7.give it back
8.消えちゃう前に

楠木ともり
1.Forced Shutdown
2.DOLL
3.それを僕は強さと呼びたい
4.StrangeX
5.青天の霹靂
6.BONE ASH
7.メドレー
(ハミダシモノ/ロマンロン/熾火)
EN1.MAYBLUES
EN2.もうひとくち
EN3.風前の灯火


●ライブ情報
楠木ともり Zepp TOUR 2025

【愛知公演】Zepp Nagoya
2025年7月11日(金)
open 18:00 / start 19:00
お問い合わせ:サンデーフォークプロモーション 052-320-9100

【大阪公演】Zepp Namba(OSAKA)
2025年7月21日(月祝)
open 17:00 / start 18:00
お問い合わせ:キョードーインフォメーション 0570-200-888

【東京公演】Zepp Haneda (TOKYO)
2025年7月30日(水)
open 18:00 / start 19:00
お問い合わせ:H.I.P. 03-3475-9999

チケット料金
全席指定 7,700円(税込)
※未就学児童入場不可
枚数制限
お一人様1公演につき4枚まで

▽ライブ詳細はこちら
https://www.kusunokitomori.com/live/archive/?id=53562

●リリース情報
2025年8月に、楠木ともりのメジャーデビュー5周年を記念した映像商品「ALL VIDEO SONGS」の発売が決定!

関連リンク

楠木ともり オフィシャルサイト
https://www.kusunokitomori.com/

楠木ともり オフィシャルX
https://x.com/tomori_kusunoki

楠木ともり オフィシャルTikTok
https://www.tiktok.com/@tomori.kusunoki_official

楠木ともり オフィシャルYouTube
https://www.youtube.com/c/tomorikusunoki

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