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INTERVIEW

2025.04.02

TVアニメ『ツインズひなひま』のEDテーマでSHE’Sの井上竜馬と初タッグ!CHiCO、ニューシングル「6:00 PM」リリース!

TVアニメ『ツインズひなひま』のEDテーマでSHE’Sの井上竜馬と初タッグ!CHiCO、ニューシングル「6:00 PM」リリース!

CHiCOの2025年第1弾シングル「6:00 PM(シックス・ピーエム)」は、TVアニメ『ツインズひなひま』のEDテーマ。ピアノロックバンド・SHE’Sのソングメーカー・井上竜馬が書き下ろし、爽やかな音像と“エモさ”が交錯する、CHiCOの新しい魅力が溢れ出るナンバーに!4月29日、豪華なゲストアーティストを迎えて贈る、ソロCHiCO初のワンマンライブ<LAWSON presents CHiCO 1st Hall Live“CONFETTi” >への意気込みも聞いた。

INTERVIEW & TEXT BY 阿部美香

SHE’S・井上竜馬と初コラボ!アニメの世界観を落とし込んだ楽曲に!

――3rdシングルが満を持しての到着ですね。「6:00 PM」はTVアニメ『ツインズひなひま』のEDテーマとして書き下ろされた楽曲だと伺いました。『ツインズひなひま』はTikTokやYouTubeで活動している双子のTikToker「ツインズひなひま」の2人を主人公にした物語をアニメ化。しかも、作画行程の一部にAIを活用したという、斬新なプロジェクトから生まれた作品だそうですね。

CHiCO はい。インフルエンサーを夢見ている女子高生の双子の姉・ひまり(妃莉)ちゃんと妹・ひなな(陽奈奈)ちゃんが、ダンスだったり、バズりそうな動画を色々撮影しているうちにおかしな“異変”に気づいて、妙な世界に入り込んでいくんですよね。実際、その世界が本当に謎めいていて……色んな伏線やフラグを感じたり、気になるセリフがあったり。ネタバレになってしまうのでまったく詳しく説明できないんですけど(苦笑)、観たらすごく考察したくなるお話です。

――双子たちには、どんな印象が?

CHiCO 真反対な2人がすごくかわいいですよね。赤髪の妹のひななちゃんは好奇心旺盛で元気。白毛のお姉ちゃん・ひまりちゃんは、それを仕方ないなあと思いながらも、かわいい妹がいうならって感じて一緒にダンスをしたりしていて。AIを利用しながら作られたという画も自然だし、綺麗なんですよね。

――実際の風景をAI処理したという背景もリアルですしね。

CHiCO 『ツインズひなひま』はアニメーターさんやアニメ制作に携わる方々の作業を効率良くするために、AI技術を活用している作品なんですが、そういうアニメ業界の新たな試みに携われるというのも、私はすごく嬉しいです。

――そんな『ツインズひなひま』は1話の物語ですが、TVでは3月末にTOKYO MX、MBS、BS日テレで順次放送されますが、その後は各種サイトでのストリーミング配信が行われているので、謎めいたストーリーはぜひそちらで確認いたきたいと!

CHiCO 本当にそうなんです。今回、楽曲提供をお願いしたSHE’Sの井上竜馬さんも、どういう歌詞にするかは悩んだとおっしゃっていました。アニメの内容を説明し過ぎると、どうしても内容に触れなくてはいけないので、直接にではなく、観た後にお話の余韻を感じてもらえるような……アニメ主題歌として聴かなくても成り立つ世界観で作ってくださいました。

――そもそも井上竜馬さんに楽曲をお願いしたのは?

CHiCO 『ツインズひなひま』のEDテーマを歌わせていただくことが決まった頃にSHE’Sさんを知りまして。スタッフさんからも、CHiCOの世界観の表現としても面白いコラボレーションになると思うとアドバイスをいただいたんです。井上さんが書かれる曲はとても多彩で、叙情的なピアノロックもあれば、民族音楽風の楽曲もあったり、色々なジャンルをSHE’Sさん色に染めている感じがとても魅力的。CHiCO曲として新しいものを作っていただけるだろうと、CHiCOチームからお願いをさせてもらいました。

――井上さんがSHE’S以外で曲を書かれるのも、珍しいことだそうですね。

CHiCO そうなんですよ!手越祐也さんに続いて私が2人目だと聞いて……光栄すぎて、びっくりしました!(笑)。女性が歌う曲を書かれるのも初めてなので、メロディのレンジはどこまで広くしたらいいのか?とか、キーの設定から悩まれたっておっしゃっていました。

「6:00 PM」と“オレンジの片割れ”が意味することは?

――楽曲を受け取って、何を思いました?

CHiCO 井上さんから楽曲と一緒に、「6:00 PM」をどういうコンセプトで作ったかを書いた文章をいただいたんです。例えば、サビのラストに“今も探している オレンジの片割れを”というフレーズが出てくるんですけど、スペインのことわざに “半分のオレンジ(Media Naranja)”という言葉があって、半分にしたオレンジはもう半分としかぴったりくっつかないことから、生涯を共にする魂のパートナーという意味があるそうなんです。『ツインズひなひま』の双子たちにも寄り添った言葉だなと思いましたし、私たちだって誰もがそういう大切な相手がいるよな、とすごく思いました。

――タイトルの「6:00 PM」も印象的ですが?

CHiCO それにも井上さんは、すごく意味を考えてくださっています。オレンジを真ん中から2つに切ったら、時計でいうと6時のラインになりますよね?あと歌詞にも“終わらない夕暮れの街”とあるんですけど、『ツインズひなひま』はひまりちゃんたちの1日を追っていくお話になっていて。キービジュアルも夕方の風景ですし、夕方ってこのお話の中でも印象的な時間帯なんですよね。そんな夕焼けのイメージとオレンジの色のイメージも重なって、「6:00 PM」というタイトルになりました。

――“今も探している オレンジの片割れを”というフレーズも切ない響きがありますけど、夕方こそ切なさを感じる時間ですよね。

CHiCO そうなんですよね。そういう切ない感じは、SHE’Sさんの曲らしいと思いますし、大切な人を探しているという、切ないながらもどこかに光を見出して進んでいく感じは、「6:00 PM」の歌詞にも曲にもすごく表れていますね。1番のBメロのフレーズに“正しいか 地獄行きか わかっていないけど”って出てくるんですけど、大切なものを探している曲の主人公を想像すると、すごく苦しいなと思うんです。でも、切ないながらに希望の見える曲調だったり、最後には前向きに感じられる歌詞に、『ツインズひなひま』のお話も重なってとても胸に響きました。

――お気に入りのフレーズはどこですか?

CHiCO サビ前のBメロのブロックです。自分が太陽だと思っているものを失った先で、頑張って立ち直ろう、気持ちを整理しようとしている気持ちが描かれているんですけど、私だったらそこでポジティブなこと書くと思うんです。でも井上さんは、進んでいった先が正解なのか不正解なのかは分からないけど……という気持ちを持って歩き続けている。〈正しいか 地獄行きか わかっていないけど〉と、一瞬マイナスな要素、不安がよぎるフレーズがちゃんとあるところが、気に入っているポイントですね。

イントロとアウトロのSEにも隠された意味が?

――サウンド的に好きなところは?

CHiCO やっぱりイントロのピアノが流れるところは好きです、SHE’Sさんらしくて。間奏のピアノソロからギターソロに移っていくところもかっこいいですよね!もちろん井上さんのメロディもずっと素敵。あとイントロとアウトロに、PCのキーボードを叩く音やクリックしたみたいな音が入っているのもいいんですよ。曲単体で聴くと、そういうサウンドとしての面白さがあるんですけど、アニメを知ってから聴くと、色んな想像ができるんです。ここも考察ポイントですね!

――レコーディングで苦労したところはありました?

CHiCO サビの最後の“今も探している オレンジの片割れを”のフレーズですね。レコーディングに来てくださった井上さんからも、“今も”の入り方は表拍からじゃなく裏拍からというディレクションをいただいたんですけど、そのタイミングは難しかったですね。他にも、地声で歌える高さのキーをあえてファルセットを使って抜いて歌うところがあるんですけど、声が裏返ってしまったり、音程がブレてしまったり。そこも難しかったですね。あと“太陽を失った私は”からAメロ~Bメロは、歌詞の内容も明るくはないのでトーンダウンしながらも、優しげに少し笑顔要素を入れながらニュアンスを工夫しながら歌いました。

――井上さんから、他にも歌唱指導が?

CHiCO はい。細かい部分でのディレクションをいただきました。Bメロの頭の“もっと無駄を謳おう”の跳ねている部分は、しっかり言葉を際立たせようとか、落ちサビのクレッシェンドの仕方とか。井上さんは、SHE’Sの曲のイメージ通りの穏やかな方で。お互い人見知りが発揮されてしまったんですが(苦笑)、銃で撃ち合う系のゲームが好きという共通点が見つかりまして!井上さんは私のことを、人として同じ匂いを感じるっておっしゃってくれたんですよ!(笑)。

――同じ匂い、ですか(笑)。

CHiCO 多分、友達や仲間と一緒にいる時間も大切だけど、自分1人でいる時間も大切にしていらっしゃる方かな?と、勝手に親近感を感じました。レコーディングの後、対談をさせてもらう機会もありまして。この「6:00 PM」も、井上さん個人の楽曲提供だったらまた別のテイストになったと思うけど、今回はSHE’Sらしい楽曲を求めてくれたから、ギターサウンドなどもそこを意識して作ってくださったとおっしゃっていて。それもすごく光栄でした。

――「6:00 PM」を聴いたファンの方の反応はいかがですか?

CHiCO 楽曲公開前に3月頭の“Lemino presents ULTRA ANIME FES 2025”というライブで初お披露目させていただいたのですが、みんなはかわいい系の明るくてポップないイメージの曲を想像していたようなんです。でもちょっと斜め上のエモーショナルで大人っぽい雰囲気の今までにない楽曲なので、「ビックリしました」「さらにリリースが楽しみになりました!」と言ってもらえて、嬉しかったですね。ぜひ配信が始まったアニメと合わせて、井上さんの世界観と私の歌を楽しんでいただけたら!

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