INTERVIEW
2025.03.24
サンライズとスタジオカラーによって制作された『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』のTVシリーズ放送に先駆け、一部話数を再構築した劇場先行版『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』が、1月の劇場公開から2ヵ月が経った今もなお大きな話題となっている。そんな本作にて、挿入歌を務めるのが、NOMELON NOLEMON「ミッドナイト・リフレクション」だ。2021年に「INAZMA」でもって衝撃的なデビューを果たしたツミキとみきまりあによるユニット・NOMELON NOLEMON(以下、ノーメロ)は、これまで2枚のアルバムを含む数々の楽曲で、ネットシーンを中心に多くの支持を得ている。そんな彼らが手がける「ミッドナイト・リフレクション」は「ガンダム」という巨大な作品を前にどのようにして生まれ、作品とシンクロしたのか。ツミキとみきまりあの2人に迫るリスアニ!初のインタビューを届けよう。
INTERVIEW & TEXT BY 澄川龍一
――現在公開中の劇場先行版『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』ですが、今なお話題沸騰中となっています。その挿入歌の「ミッドナイト・リフレクション」もまた同様に話題となっているわけですが、映画が公開された1月から現在までのこの熱気をお二人はどう捉えていますか?
ツミキ 「ガンダム」というタイトルはもちろん昔から僕も知っていましたし、なんだったら僕の父親の世代からずっと人気のある作品なので、そこに携われたというのは非常に嬉しいですね。とにかく反響がすごく大きくて、周囲の「ガンダム」好きの方から「うちの息子が『ガンダム』好きで」という方まで、色んな方にお声をいただいています。
みきまりあ 私も反響はすごく感じていますね。サブスクやYouTubeでの再生回数もこれまでのノーメロの曲よりも多くて、そのぐらい「ガンダム」という作品に影響力があることを感じていますし、何よりありがたいことだと思っています。
――そんな劇場先行版『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』(以下、『GQuuuuuuX -Beginning-』)の挿入歌のオファーというのはどのように来たのでしょうか?
ツミキ 最初に企画書をいただいて、「こういう作品に当てて曲を書いていただきたい」というオファーでした。その資料と自分が持っている手札とをすり合わせて、「こういうのはどうですか?」というものをたくさん書き、選んでいただいたという形ですね。
――お二人はオファーの以前から「ガンダム」という作品に触れていたのでしょうか?
ツミキ 僕の世代でも当時から人気のある作品ではあったんですけど、僕自身がアニメをそんなに観てこなかったので、正直に言うとあまり通ってはこなかったんです。ただ父親が熱狂的な「ガンダム」ファンで、昔からガンプラが家にあったり。なので馴染みのある環境で育ってきたとは思います。
――「ガンダム」の曲を書いたことを知った時、お父様の反応も大きかったのでは?
ツミキ それはもう、本当に喜んでいましたね。真っ先に劇場に行ったとのことで、その時の写真も送られてきて、「エンドロールのクレジットにツミキという名前があったのは感慨深い」みたいな感じで連絡が来ましたね。
みきまりあ ツミキさんの実家は大阪なんですけど、今回の曲を作る時にお父さんに話聞きに帰ってましたもんね。
ツミキ そうそう。その時は「ガンダム」の曲を書くとは言えなかったんですけどね。
みきまりあ それにしても「わざわざ実家に帰るんかい!」って(笑)。
――そんな流れで作られた「ミッドナイト・リフレクション」ですが、まずは改めてNOMELON NOLEMONの楽曲の作り方をお伺いします。ツミキさんが曲を作られる場合はどのようにして組み立てていくのでしょうか?
ツミキ 2人で話し合って作っていくことが多いんですけど、例えばタイトルから作る時もあれば歌詞のワンフレーズから作っていく時もありますし、過程は様々ですね。今回に関しては企画書をいただいた段階で、自分が思い描くような作品を1回なんとなくトライアルで作ってみたものをデモにして、そこから歌入れをしていくという流れで作っていきました。僕たちは普段から夜、あるいは宇宙をテーマにした楽曲が多くて。今回の『GQuuuuuuX -Beginning-』もそういう自分たちの得意な部分とマッチする作品だと思ったので、自分たちがやりたい夜の像とか宇宙のロマンになんとなく想いを巡らせながら作っていきました。
――楽曲制作にあたって物語を理解する必要もあったかと思います。
ツミキ そうですね。なので最初に脚本で全体イメージを掴んだあとに、該当箇所のVコンテをいただいたので見ながら制作していきました。今回は自分のなかでも作品全体を包括する曲にしたかったので、シーンに当て書きするというよりは、脚本を通して読んだ印象とかその空気感、世界観をイメージしながら作っていこうと考えていました。「どこでかかっても大丈夫なように」という感覚でしたね。
――となると『GQuuuuuuX -Beginning-』の舞台や背景、またマチュたちキャラクターが楽曲の大きな鍵になっていきますよね。そちらの印象はいかがでしたか?
ツミキ ガンダムシリーズに触れてこなかった自分にとって「ガンダム」は歴史のある、すごく敷居の高い作品という印象もあったんです。ちょっと気軽に踏み込みづらいオーラとか空気感をまとってるイメージもあって。でも、マチュたちは自分が挿入歌をやるうえで相性のいいキャラクターデザインという印象があり、僕的には安心しましたね。
みきまりあ 私も歌うにあたって、マチュの雰囲気が自分と重なるところもあって。
ツミキ 当時赤髪やったしね。
みきまりあ そうだね(笑)。見た目もそうだし中身も重なる部分があって、すごく親近感が湧きました。それこそ私も「『ガンダム』ってこういうもの」という自分の中の固定概念があって。長い歴史のあるアニメだし、結構時間をかけて観ないと理解できないのかなっていうのは思っていたんですけど。今回『GQuuuuuuX -Beginning-』の資料いただいて、世界の雰囲気とか登場人物が今の時代にも馴染んだ作品なんだなというのがわかって。実際にすごく見やすい、私の固定観念を崩してくれる感覚がありました。
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