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2025.03.21

“アニメのストーリー”がライブに奥行きを加え感動を生み出す――“Liella! 6th LoveLive! Tour ~Let’s be ONE~”東京公演Day.2の模様を振り返る

“アニメのストーリー”がライブに奥行きを加え感動を生み出す――“Liella! 6th LoveLive! Tour ~Let’s be ONE~”東京公演Day.2の模様を振り返る

TVアニメ『ラブライブ!スーパースター!!』3期の最終話が放送されたのは昨年末。期を重ねるごとに学年が1つ上がるシリーズだったため、TVアニメ第1期の時に高校1年生だった澁谷かのん、唐 可可、嵐 千砂都、平安名すみれ、葉月 恋の5人は3期最終話では3年生になり、卒業式を迎えてそれぞれの道へ進んでいくというシーンが描かれた。それを受けての“ラブライブ!スーパースター!! Liella! 6th LoveLive! Tour ~Let’s be ONE~”は、TVアニメ3期の物語を辿る感動的なものに。しかも場所は、本作の聖地にある国立代々木競技場 第一体育館ということもり、いつも以上に高い熱量を感じられるライブとなった。本記事では東京公演Day.2の模様をレポートする。

※この記事には“Liella! 6th LoveLive! Tour ~Let’s be ONE~”のネタバレがございます。

TEXT BY 塚越淳一

アニメで話題となったシーンの再現に会場が熱狂

アタックムービーから、Liella!の澁谷かのん役の伊達さゆり、唐 可可役のLiyuu、嵐 千砂都役の岬 なこ、平安名すみれ役のペイトン尚未、葉月 恋役の青山なぎさ(以上、1期生)、桜小路きな子役の鈴原希実、米女メイ役の薮島朱音、若菜四季役の大熊和奏、鬼塚夏美役の絵森 彩(以上、2期生)、ウィーン・マルガレーテ役の結那、鬼塚冬毬役の坂倉 花(以上、3期生)がステージに登場すると、OPテーマ「Let’s be ONE ~TV Size~」を、アニメのOP映像とシンクロしながら歌っていく。続けて勢いのある「青春HOPPERS」。伊達の力強い煽りが会場を沸かせ、11人が激しいロックダンスを繰り広げていく。目まぐるしく歌が入れ替わっていく楽曲だが、彼女たちのエネルギーに満ち溢れた全力パフォーマンスに、観客のテンションも上がっていった。

最初のMCでライブ恒例のファンとのコール&レスポンスで盛り上がれる自己紹介と、メンバー同士の仲の良いやり取りが繰り広げられると、その後はTVアニメ『ラブライブ!スーパースター!!』3期のストーリーがステージ上で展開されていく。TVアニメ3期第1話、ステージ上でたった1人で歌うマルガレーテと、それを見つめるかのん。その印象的なシーンと重なるように、結那が複雑な想いを込めながら「Butterfly Wing ~Piano Size Ver.~」をメインステージで歌い、伊達がそれを少し離れた場所から見つめている。そこから伊達はセンターステージへと猛ダッシュをし、「いつものピースサイン」を歌い始める。それに1期生の4人がトロッコから声を合わせていき、途中伊達もトロッコに乗り5人の絆を確かめると、伊達は再び1人ステージに戻り全力でメインステージに戻っていき、ピースサインを高々と掲げる。Liella!を1期生の4人に任せ、伊達は1人離れ3期生の2人に寄り添うことを決める。アニメのストーリーを見事に表現したステージであり、同期生の結束力を感じる一幕だった。

そしてトマカノーテ(かのん、マルガレーテ、冬毬によるユニット)の3人が初ステージで見せた「Bubble Rise」を再現。透き通る3人の歌声と、海を泳いでいるかのようなパフォーマンスが美しい。そして3期生の結那と坂倉の2人で、ワルツの「dolce」を優しく歌っていく。歌詞に合わせて手を繋いだり、背中を寄せ合ったり……3期生の友情が育まれていくのを感じるステージだった。

Liella!でセンターを務めたことがない四季。そんな四季の魅力を知ってもらいたいと、彼女をすぐ近くで見てきたメイが作詞を手掛けた「Special Color」は、伊達不在の8人のLiella!で披露。センターで歌う大熊と、その後ろにずっと寄り添い続ける薮島。途中、薮島がそっと大熊の背中を押し、前へ出す演出もたまらない。その後も、2人でハートマークを作ったり、四季とメイの関係性が好きな人にはたまらなかったであろうパフォーマンスが続いていく。最後の決めポーズで思わず薮島が大熊に抱きつき、その後力尽きた大熊を薮島が支える……。ここも第3話のラストを完璧に再現していた。そこからセンターステージで2期生の4人で歌った「ファイティングコール」は、言葉にせずとも分かり合える、2年生の深く固い絆が感じられるような歌であり、パフォーマンスだった。

可可がスクールアイドルに憧れたきっかけとなる過去が描かれたのは第5話。かのんに進路の相談をしていた可可は上海へ帰省し、それを追いかけて上海へ行ったLiella!のメンバーたち。そんな第5話の物語がステージで展開されていく……。Liyuuが「星屑クルージング ~上海 Ver.~」を、センターステージで1人歌唱し、中国語の柔らかい響きに会場が酔いしれていると、そこに登場した伊達がLiyuuの肩を叩き、Liella!が始まるきっかけとにもなった「Tiny Stars ~TV Size~」を、クーカー(かのんと可可によるユニット)の2人で歌う。この歌詞はTVアニメ3期の第5話を経たからこそ、改めて響くものでもあった。そしてペイトンがLiyuuを呼び込み、キュートなアイドルソング「絶対的LOVER」を11人で歌っていく。センターのLiyuuを含め11人のかわいさが炸裂していた。歌い終わるとLiyuuが「ようこそ、上海へ~」と会場へ向けて叫ぶ──。

続いて久々のMCではキャストで上海へ行った時の思い出が語られていったのだが、ほぼ食べ物の話だったのは面白かった。ちなみに「絶対的LOVER」は11人で歌ったものの、欲楽曲が物語上で披露された時点では彼女たちはまだ8人のLiella!と3人のトマカノーテに別れており、1つにはなっていない。この上海での一幕から使用された衣装が赤と青に分かれていたのもそのためだ。そのことをMCで確認し、次のブロックへ向かう。

ピアノが印象的なイントロから、3期生の2人が歌ったのはピアノロック「真っ赤。」。激しくダンスしながら、挑発的かつエモーショナルに歌い上げていく。2人のポテンシャルの高さを見せつけるようなパフォーマンスで会場を湧かせると、続いて2つに別れていたLiella!とトマカノーテが、歌でガチンコでぶつかりあった「Dazzling Game」を再現!赤と青の衣装もアニメ第8話でこの曲のパフォーマンスをした時のものなのだが、この楽曲で話題となった曲中の早替えを現実でも観ることができるとは思わなかった。「2つの魅力が合わされば最強になれるんだ」と歌うこの曲のサビで、11人がバッと衣装を剥ぐとお揃いのパープルの衣装になるというギミックは会場を大いに熱狂させた。そこからは最強になった11人のLiella!の盤石のパフォーマンスが繰り広げられる。1つ1つの個性が合わさり、それが足し算ではなく、もっと大きな力になっていくことを目の当たりにすることができた。そしてここで「Let’s be ONE」を再びフルバージョンで見せるというのもニクい演出だ。これまでの物語があったからこそ、この曲の“僕らひとつなんだ”という歌詞がしっくりくるし、最後の“いつまでも僕らひとつだよ Let’s dream!”という歌詞が胸に響くのだ。

次のページ:1期生の卒業という大きなテーマが心に刺さる

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