INTERVIEW
2025.03.25
――アニメ『天久鷹央』については、どんな印象がありますか?“医療サスペンス”ですが、とても情報量が多く、色々な見方、楽しみ方ができると思うのですが。
黒沢 さっき安岡も言ってましたけど、天久鷹央さんだけの物語ではないんですよね。彼女は天才だし、言ってることは全部正しいんだけど、どうしても周囲とぶつかってしまう。だけど内科医見習いの小鳥遊 優くん、研修医の鴻ノ池 舞さん、姉の天久真鶴さんなどのサポートによって、事件が解決に向かっていくんですよ。事件そのものはもちろん、天久鷹央さんを中心とした人間関係も相まって、この作品のスリリングさに繋がっているんだと思います。天久鷹央さんが集中して考える時に、戦隊モノの変身シーンみたいになるのも面白いですね。あれは小説にできない、アニメならではの演出だと。
――天久鷹央さん、とてもユニークな主人公ですよね。
黒沢 原作の知念実希人さん自身がSNSで「天久鷹央はサヴァン症候群を併発している、高IQの自閉スペクトラム症です。」と明言してますからね。
北山 ちょっとシャーロック・ホームズっぽさも感じるので、そういう意味では伝統的と言えるのかもしれないですね。
黒沢 なるほどね。個人的には天久鷹央さんがカレーしか食べられないっていうのがすごく良いなと……。
全員 あはは!(爆笑)。
――黒沢さんと言えばカレーですからね(笑)。安岡さんはいかがですか?
安岡 僕は事前に台本も読ませていただいたので、ストーリーやトリックも全部わかった状態でアニメを見させていただいたんですよ。「この台本がどんなふうにアニメになるんだろう?」とワクワクしてたんですけど、天久鷹央さんが早口で情報を提示してくる様子や声のトーン、複雑なトリックをスリリングに描いていく展開も含めて本当に面白くて。結末もわかっているのにドキドキしながら観ていましたね。あとはエンディングで「will be fine feat. Anly」が流れるところもすごくなめらかで。
黒沢 嬉しいよね。
安岡 1回1回、物語の最後のシーンで曲が流れ始めるので、セリフの延長線上に歌詩が乗ってくるんです。さらにAnlyさんの歌声が天久鷹央さんの強さに重なって聴こえるし、こんなにも物語にフィットするように僕らの曲を置いてくれたんだなって。モノクロの世界で始まって、サビで色が付く演出も事件が決着に至る流れと繋がっていると思うんですよ。そうやってアニメと音楽を1つにしてくださっているのは本当にありがたいです。
――映像と楽曲の間に理想的なケミストリーが生まれていると。
安岡 そうですね。スタッフの皆さん、アニメーターの皆さんに感謝です。でも一番の見所はやっぱり天久鷹央さんと周囲の人たちの関係だと思います。生きづらさを抱えた天才が周りの人たちの助けを借りながら事件を解決していく。そのこと自体がストーリーを面白くしているし、この作品の美しい部分なのかなと。
北山 今は世の中的に「欠点を許さない」という雰囲気があるような気がするんですよ。どんなにすごい才能を持っていても、何かでちょっとダメだったらケチョンケチョンに言われてしまったり。なので『天久鷹央』のように天才のダメな部分を描いたり、周りの人たちと協力して活躍するストーリーはすごくいいなと思うし、若いうちにこういう作品を観ていれば、現実の世界でも何かを感じることがあるんじゃないかな?
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