REPORT
2025.03.12
メンバーが退出した後は再び紗幕が降りて「スフィアからの挑戦状」と題した幕間映像が流れる。メンバーのワードやジェスチャーをヒントに、スフィアのどの楽曲について説明しているか観客に答えてもらうという、これもまた終始ハイテンションなクイズが展開されていった。
そんな映像を挟んでの中盤戦、紗幕に巨大な月の画像が映し出される。となると次の楽曲はもちろん「MOON SIGNAL」だ。紗幕越しに見える4人の熱量高いパフォーマンスに、観客も待ってましたとばかりに赤いペンライトを灯す。一気にボルテージが高まったところでこれもまた人気曲の「GENESIS ARIA」が流れ出し、会場はこのうえない熱狂に包まれた。この曲序盤は戸松が階段上で座り、その下段で寿、高垣、豊崎が並ぶというローマ字の「A」のようなフォーメーション。そして終盤戸松が階段を降り、4人が紗幕の前で横一列に並ぶいつものフォーメーションとなって、サビのアグレッシブなダンスを見せながら歌う。紗幕に映し出されたエフェクト含む神々しいまでのその光景に、歓声は一層膨れ上がった。この日ならではとこれまでのステージングを合わせた本公演のハイライトの1つだろう。寿も「みんなの熱気のおかげで熱いです!」と興奮を隠しきれない様子。
MCを挟んで、スタンドマイクでエモーショナルに歌われる「スクランブルデイズ」のあとは、お祭りナンバー「Ding! Dong! Ding! Dong!」へ。ここでは戸松が座った椅子を豊崎と寿、高垣が押していくトレイン状態でマイクリレーを聴かせる。そこから戸松が「一緒に歌いましょう!みんなの歌声聴かせください!」と叫んで始まった「Future Is Now!」では、観客を交えてのシンガロングが聴かれた。4人のかっこいいフェイクが聴こえる余韻に続いて、さらにロッキンな「Sign」へと畳み掛ける。クライマックスに向けて熱気が高まるセットリストとなっていった。
そして本編最後のMCでは戸松が「ここからはラストスパートの時間になっております!」とアナウンス。そのあと4人が椅子に座ってこの16年を超えるキャリアを振り返っていく。彼女たちの聖地・国立代々木競技場 第一体育館でのライブをはじめとした多くの思い出を語り合うと、そこから披露したのは「Super Noisy Nova」。メンバーの背後に紗幕が降りて、そこに今のメンバーのパフォーマンスと共に、これまでの「Super Noisy Nova」のライブ映像がシンクロしていく。16年にわたるスフィアのキャリアがステージ上に凝縮されたような、感動的なシーンが描かれていった。そこから「Non stop road」が続けざまに放たれ、ステージ上も客席もエネルギッシュなジャンプを見せた。そして本編最後はスフィア始まりの曲である「Future Stream」へ。4つのミラーボールが煌めくなか、今も色褪せることのない瑞々しい歌声と振付が見られる。最後は階段上部にて4人がお馴染みのポーズを決めて、感動的なエンディングを迎えた。
本編エンディングから数分を経てスタートしたアンコールは「スフィアともっと遊びましょう!」という寿の発言と共に走り出した「Music Power→!!!!」からスタート。ここで“新しい幕開け(ストーリー)”と歌われる結成10周年記念アルバム『10s』のリード曲が鳴らされるのはグッとくる。そこから戸松が「スフィアが感謝を込めて歌いたいと思います」と告げて「Sincerely」を座ったままで優しく聴かせる。そして最後は1人ずつ立ち上がって、改めてこの日の思いを語った。
豊崎が「またいっぱいみんなに会えるスフィアでいたい」と言えば、戸松も「これが最終回じゃない、これからも思い出を作っていくんだ。17年目以降もスフィアと一緒にたくさんの思い出を作っていきましょう!」と宣言。寿は「毎回“今”のスフィアを、今だからできることを、今をみんなと楽しもうというのがこれからも、この先もずっとスフィアのテーマだと思います」と語り、最後に高垣は「みんなの存在が私たちの力です。どんな変化、進化があっても“楽しいね”って笑いながら、またこうやって笑顔で会いましょう!」と思いを爆発させた。そしてこの日最後には「LET・ME・DO!!」を観客とシンガロング。キラキラと紙吹雪が舞うなか5年ぶりとなるステージを終えた。
5年ぶりのライブはスフィアの4人からの“ようこそ(Welcome)”と、観客たちの“おかえり(Welcome back)”が入り混じった、16年余りのキャリアを共に歩むようなステージとなった。その一方で、最後にメンバーたちが語っていたように、彼女たちの歩むその先というものが変わらずあるということを示唆するものでもあった。高垣がこの日のMCの中で「かつてこんな声優ユニットはいない、パイオニアである」と言われたことがあると語っていたが、開拓者が切り拓く未来はまだ誰も予想できない未知の形をしている。しかしそれがどのような形であれど、スフィアという惑星は変わらず側にある。我々はその星々が再び並ぶ瞬間を待ち続けていきたい。
<セットリスト>
M01. Shining days, shining stars!
M02. キミが太陽
M03. Planet Freedom
M04. Now loading…SKY!!
M05. HIGH POWERED
M06. 風をあつめて
M07. らくがきDictionary
M08. 一分一秒君と僕の
M09. MOON SIGNAL
M10. GENESIS ARIA
M11. スクランブルデイズ
M12. Ding! Dong! Ding! Dong!
M13. Future Is Now!
M14. Sign
M15. Super Noisy Nova
M16. Non stop road
M17. Future Stream
EN1. Music Power→!!!!
EN2. Sincerely
EN3. LET・ME・DO!!
スフィア 公式サイト
https://sphere.m-rayn.jp/
スフィア 公式X
https://x.com/sphere_PS
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