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INTERVIEW

2025.02.21

「ビビリの気ぃ遣いい」なナナヲアカリが新曲に込めたのは「絶対に残業したくない」という思い!?「明日の私に幸あれ」リリースインタビュー

「ビビリの気ぃ遣いい」なナナヲアカリが新曲に込めたのは「絶対に残業したくない」という思い!?「明日の私に幸あれ」リリースインタビュー

“街でイキれる”ナナヲアカリのヘッドフォン・ミュージック

――もう1曲のカップリングは「PLAY&PRAY」、tepeさんが作編曲を務める完全新規の楽曲になります。こちらはどういった経緯で生まれた曲なのでしょうか?

ナナヲ ヘッドフォンをして人混みを歩いている時に……イキれる曲がいいと思って(笑)。

――ちょっとまだギリギリ意図が掴めないんですけども(笑)。

ナナヲ イキりたいと思ったんですよ。私は「イキれる曲プレイリスト」とか作ってるくらい、イキって歩ける曲が好きなんです。

――「人混みの中でも強気になれる」みたいなことでしょうか。

ナナヲ そうですそうです。ビクビクせずに、「今この曲聴いてる私イキれてる!」みたいな曲がすごく好きなんですよ。自分の曲の中でも意図せず誰かにとって「イキれる曲」になっている曲はあるかもしれないけど、「イキらせてあげるよ!」と思って作った曲はまだないなと思って。それで「お前らこれでイキれ!」と思って作った曲なんです。

――確かにわざわざ「イキれる」を意図して曲を作っている人はこの世にいなさそうですね。

ナナヲ アホすぎる(笑)。でも本当に、イキってほしいんです。肩で風を切って歩く用の曲なので。もちろん歌詞にメッセージもあるんですけど二の次で、とにかくイキってください。

――tepeさんへの楽曲依頼はどういったご縁で?

ナナヲ tepeさん側の担当さんと一緒に曲を作りたいねという話はずっとしていて。今回イキった曲が欲しいとなった時に、tepeさんの過去作にあるようなかっこいいサウンドが思い浮かんで。すごく器用なのでなんでも作れる人なんですけど、今回は「結構わがまま言っても書いてくれますか……?」とお願いして制作に至りました。

――「わがまま」というのは具体的にどのようなオーダーがあったんでしょうか。

ナナヲ ナナヲアカリといったら割とポップでキャッチーなイメージが作家さんからしたらあると思うんですけど、全然そうじゃないサウンド感をオーダーさせてもらいました。

――それ即ち「イキれる曲」ということだと思うんですが、ちなみにナナヲさんのそのプレイリストにはどういった曲が入っているんでしょうか。

ナナヲ そんなに詳しく知らない洋楽のアーティストも入ってますし、あと私が夜イキれるのはぶっちぎりでサカナクションなんですけど。リズムが歩くスピードに沿って刻まれている、ちょっとした早歩きくらいのBPMっていうのがすごく大事です。それに加えてダンスミュージックでもあってもらいたい。イキって歩いて、ふと立ち止まった時に「めちゃいい曲やん!」と思えるくらいのバランスの曲ですね。

――4つ打ちで、コードでいうとマイナー系な感じですね。

ナナヲ ですね。キャッチーすぎると私の解釈とは少しズレます。

――上がってきた楽曲を聴いた印象は?

ナナヲ 最初からもう「これこれ!」となりましたね。その上でサビの部分はいい意味で想像と全然違うアプローチをしてきてくださって。「これに歌詞書くの楽しそう!」って思いました。でも実際に取り掛かってみたら作詞がとにかく大変で。

――それはどのような部分で?

ナナヲ 葛藤を抱えている主人公像を描きたくて、それをわかってほしくて色々書いちゃったんですよ。でもそれだとイメージと違って。「これはイキる曲だから韻を大事にしなきゃ」ってことでほぼ全部書き直しました。tepeさんとも話して「なんか気持ち良くないね」となったこともあって。いっそ意味とかよりも先に気持ち良さ重視の歌詞に書き直して、そこからまた意味が伝わるようにさらに書き直していくみたいな作業になりました。

――一度は苦悩と葛藤をベースにしたものがほぼ書き上がっていたと。

ナナヲ はい。でもそれは私の中でもFIXという気持ちではなく、全然納得いってなかったんです。なんか違う、気持ち悪いって思いながら。

――結果的にサウンド感と「イキる」というテーマに合わなかっただけで、メッセージ的には書きたいものだったんですか?

ナナヲ そうですそうです。完成した「PLAY&PRAY」の歌詞のもっと詳しく書いたものという感じです。そこから韻と音のハマりを大事にして説明を削ぎ落としていきつつ、メッセージ性を損なわないようにしていったのが完成した歌詞。全体的に自分の作詞の癖みたいなものがあって、それを矯正というほどではないですけど、一個違う引き出しを手に入れた感覚はあります。

――作詞の癖について詳しくお聞きしてもいいですか?

ナナヲ 伝わらないのが嫌だから最初になんでも説明しちゃうし、音より歌詞を大事にしすぎてたんですよ。でも曲によっては歌詞より音の並びを大事にすることが必要だってことがこの曲でわかりました。先に書いていた歌詞よりも絶対的に今のほうがいいんで。自分の中で成長させてもらえた曲になってます。

――耳の気持ち良さが軸になっているものの、文字として歌詞に向き合うとちゃんと大事なことを言っている曲でもありますよね。「わかんないセブンティーン」とは逆に、悩める若者だった時期を経ているからこそ言えることと言いますか。

ナナヲ 曲の主人公はすごく悶々としたものを抱えていて、根幹に「めっちゃ音楽が好き」という思いを抱えた尖った子なんだと思います。自分も音楽を始める前に好きなアーティストのライブを観に行って魔法にかかり、すごい元気をもらってまた生きるみたいな時期があって。今自分はこうして歌っている側になっているけど、この曲って(ライブを)観てる側の人の気持ちを描いているんですよね。虚構でもいいから、ライブを観てる時だけでも、曲を聴いてる時だけでも、魔法にかかりたいっていうある種のすがりというか祈りみたいなもの。それをテーマにしている曲です。だからPLAY(遊ぶ)とPRAY(祈る)なんですよ。音に対して、自分が信じている音楽に対して祈っている曲になってます。

――サウンド面でのテーマである「音楽を聴くとイキれるよ」ということ自体が、実は楽曲のメッセージにも繋がっているんですね。

ナナヲ そうですね。みんな音楽を聴く理由ってやっぱり、元気を出したいとか、助けを乞おうとしていたりとか、気持ちを鼓舞するとか。アガりたいとか救われたいとかそういうものが多いと思うんです。街を歩いている時の私はビクビクしたくないからイキりたくて音楽を聴くんだと思って。

――リスナー側の視点を軸に置くと、なるほどと思える部分が増える歌詞になりますね。

ナナヲ 歌詞の“本当知りたい 神々しい嘘”とかも本当のアーティスト像を知りたい気がするけど、この神格化された状態だけでもいいみたいな気持ちって絶対あると思って書きました。自分もそう思ってしまうから。

――この曲の解釈において、自分がステージ側にいる想像はしますか?

ナナヲ 「これをライブで歌う時にどんな気持ちになるんだろう」は、まだ歌ってないから想像つかないですけど、楽しみだなと思いますよ。このインタビューに答えた結果どういう歌かはわかってもらえるので、それをどう聴いてもらえるのか(笑)。

――“PRAY”という言葉尻を取るわけじゃないですけど、みんながナナヲさんに各々の願いを込めている状況があって。多少のフィルターや、「こうあってほしい」像を込めている中で、それを受け取る立場であるということがここで言語化されてしまいましたからね。

ナナヲ そうですね。対ナナヲだけの曲ではもちろんないんですけど、でも自分で歌う時にはそうなってるから。ライブで歌った時にどうなるかなっていう楽しみはありますね。

――それをニコニコ楽しそうに話してくれているということは、そこに恐いと感じたりはしないんですね。

ナナヲ 別に……(笑)。みんな思い思いにナナヲアカリを想像してもらえればいいと思っているので大丈夫です。あと大前提として、私はライブでイキり倒したいだけなんで。イキりながら歌うつもりなので楽しみです。

――レコーディングはいかがでしたか?

ナナヲ これもめっちゃくちゃ練習して臨んだのでレコーディング自体は早かったです。

――聴き手側の想像として、楽曲の雰囲気的に「衝動で歌っていそう」に聴こえると思うんですよ。

ナナヲ でも、実はすごく頭使ってます。サビ以外の声色が普段と違っていて、かっこいい曲にしたかったのでそもそもの発声法から変えているんですよ。歌の遊び心がある曲になっていると思います。

――自分がインタビューをさせてもらうようになったのはここ1年のことですが、お会いする前に想定していたナナヲアカリ像と比較すると「事前に入念にボーカルの方向性を組んで臨む」という部分に意外性を感じたりしています。

ナナヲ 私が入念に準備してからレコーディングに臨むのはビビリだからなんですよ。さっきの話みたいに挨拶して気づかれなかったら「無視されてる!あぁ終わった!」とすぐに思っちゃう精神性がベースにあるんで(笑)。自分が練習不足なせいでレコーディングが伸びるのが嫌なんですよ。「お前が練習してきたら時間巻けたじゃん!」みたいなに思われてないか考えちゃうんで。

――個人でインターネットに歌をアップしていた頃からずっとそうですか?

ナナヲ その頃は宅録だし、自分が納得するまで自分で無限にできるじゃないですか。

――その作業を他人を介して行うのが……。

ナナヲ 嫌だ(笑)。真面目というよりビビリなだけなんだと思います。

――先ほどの挨拶の話からもわかるんですが、明るいとか暗いとかとはまた違う話ですよね。

ナナヲ そうなんです、別に暗いわけじゃないんです。めっちゃ喋るけど、思考はネガティブなんですよ。隠キャとまではいかない……なんなんだろう。

――そう考えると自己分析をしていった時に、「ビビリ」はすごくナナヲさんの中心に隣接しているワードな気がします。

ナナヲ そうですねぇ。人見知りではありましたけど、でも治ってきましたし。……「ビビリの気ぃ遣いい 」かも。

――なるほど「気ぃ遣いい」。「気にしい」とか「緊張しい」みたいな用法の、「〇〇しちゃう人」的な意味の。

ナナヲ 誰かの気分が悪いと、自分の気分も悪くなるんですよ。自分のせいでレコーディングが長引いて、エンジニアさんが疲れてるみたいな状態がわかるのがしんどいから、なるべくそれをカットしていきたい。できる範囲だけど。

――こんなにもフロントマンとして立っているのに、現場現場の主人公ではいられない気質なんですね。

ナナヲ そうですね、あまり得意じゃないです。自分のために人が動いてくれている、それだけでありがとうございますって感じなので。求められてる事実にありがとうございますだし、私がレコーディングスタジオを予約するわけでもないのに行ったら全部揃ってることにもありがとうございますと感じていて。あとは早め早めにいい歌を歌いますって(笑)。

――「明日の私に幸あれ」につながってくる話ですね。早く終わって、みんな楽に帰りましょう!という。

ナナヲ 本当にそうなんです。「私も頑張るから!」って。もちろん手を抜いてるとか、みんなが納得いってないテイクを録ってるとかじゃなくて、すごい量の練習していくからレコーディングが早いんですよ。

――入念に準備したものが、ディレクション側から「ちょっと違うんで別のパターンを」というふうになることはないんですか?

ナナヲ 2、3パターンは用意していくんで。そういう時は「じゃあこっちは?」って出すだけです。

――周到だ!先まで読んで準備していくんですね。

ナナヲ でもそれは歌の先生がとても良くて、「これが違かった場合はこっちもできたほうがいいよ」って言ってくれるんです。

――このレッテルを貼りたいわけではないんですけど、本当に行動原理が「ビビリの気ぃ遣いい」にぴったりですね。「暗い」とは違うなとずっと思っていたのでご自身の認識が聞けてよかったです。

ナナヲ 話して初めて紐解かれる自分でした(笑)。

――最後に、2月23日 には大阪・心斎橋BIGCATにて“リスパレ!LIVE vol.2”へのご出演が決定しています。こちらについて現時点で話せる内容や、意気込みなどお聞かせください。

ナナヲ 初めましての方との対バンでありリスアニ!とハチパレなので、もうアニメの曲をいっぱい持っていきます。来た人に知ってもらえたらいいなという曲たちでパーッと打ち上げてパーッと帰ります(笑)。なので変化球はなしで、みんなの心に「ナナヲアカリ良かったね!なんか楽しかったね!」が残せたら一番ですね。

●リリース情報
ナナヲアカリ New Single
「明日の私に幸あれ」
2月19日発売

【期間生産限定盤(CD+BD)】

価格:¥2,980(税込)
品番:AICL-4630~4631
デジパック仕様、“アリナ・クローバー”表情ランダムステッカー(全3種)

<CD>

1. 明日の私に幸あれ
2. PLAY&PRAY
3. わかんないセブンティーン
4. 明日の私に幸あれ (Anime Size)
5. 明日の私に幸あれ (Instrumental)

<BD>
・TVアニメ「ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います」ノンクレジットエンディング映像
・「NANAOAKARI ZIKKEN LIVE 2024」
1. 雷火
2. ブループリント
3. 正解はいらない
4. Jewel
5. しあわせになんてならないで feat. ナナヲアカリ
6. チューリングラブ feat. Sou

●イベント情報
リスパレ!LIVE vol.2
2025年2月22日(土)・23日(日)
開場:16時15分 開演:17時00分(予定)
会場
大阪・心斎橋BIGCAT

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出演者(50音順)
2月22日(土):斉藤朱夏/田中有紀/夢限大みゅーたいぷ/矢野妃菜喜
2月23日(日):水槽/ナナヲアカリ/ぼっちぼろまる/『ユイカ』

チケット
スタンディング ¥6,600(税込)
※入場時ドリンク代別途¥600が必要

詳細やチケット申し込みは下記
https://funky802.com/lispale/

nanaoakari 7th anniversary stage.1 「770’s winter homecoming 」
令和7年3月15日(土)
会場:和泉シティプラザ 弥生の風ホール
16:00 開演(15:30 開場) 〈全席指定〉
料金:一律 3000円
※就学前のお子さまの入場はご遠慮ください。
※弥生の風倶楽部( 友の会) 会員は1/12(日)より2枚まで先行、10%割引でご購入いただけます

関連リンク

ナナヲアカリ オフィシャルサイト
https://www.nanaoakari.com/

ナナヲアカリ X
https://x.com/77oakr

ナナヲアカリSTAFF X
https://x.com/nanao_STAFF

ナナヲアカリ Official YouTube
https://www.youtube.com/@nanaoakariSMEJ

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