INTERVIEW
2025.02.17
sMiLeaプロダクション所属の3ユニットが「リリースバトルプロジェクト」で新曲を出し合い競うTVアニメ第2期〚UniteUp! -Uni:Birth-』。JAXX/JAXXを演じるmasa(春賀楽翔役)、下前祐貴(桂 ほまれ役)、馬越琢己(香椎一澄役)、坪倉康晴(若桜 潤役)、高本 学(森ノ宮奏太役)のキャスト5人を直撃。和気あいあいとした空気の中で、固い絆をも感じさせる彼らが見る〚UniteUp! -Uni:Birth-』、そして物語の中で披露される新曲についても話を聞いた。
PHOTOGRAPHY BY 堀内彩香
INTERVIEW & TEXT BY えびさわなち
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――待望のTVアニメ第2期〚UniteUp! -Uni:Birth-』が放送中ですが、TVアニメ第1期から第2期までの活動で忘れられない出来事を教えてください。
高本 学 全部が思い出深いです。11人で活動するときには11人の色があるし、JAXX/JAXXの5人での活動は色々と刺激もあれば得るものもありました。特にユニット初の単独ライブ(UniteUp! 1st Unit LIVE“Jack the Lads”)でバンドアイドルとしてお客さんの前に立って「僕らはこういう色です」と提示できたと思います。そうした音楽活動で得た経験は、僕らの関係性やコミュニケーションのカラーとなってTVアニメ第2期を通してもお届けできているのではないかと思います。
masa 僕もがっくん(高本)と同じで、ユニットの単独ライブですね。下ちゃん(下前)がピアノ1本、がっくんがギター1本で演奏する演出はすごく良かったです。特に下ちゃんはこのプロジェクトの開始と同時にピアノを触り始めた人で、がっくんもプロジェクト参加の前はアコギではなくエレキギターを演奏してきた人でしたし、それをライブで披露することになったので、2人とも緊張していたんです。でもこれまでやったことがないことでも、100%のパフォーマンスで本番をやり遂げてくれましたし、そのおかげでJAXX/JAXXの良さがすごく出ましたし、記憶に鮮やかに残るシーンでした。ライブの2部では、これまでで一番のパフォーマンスができたと言って、下ちゃんが泣いていて。
馬越琢己 感極まっていたよね。
下前祐貴 上手くできたこともあるけど、むしろみんなの歌を聴いてより感動しての涙でした。
masa その下ちゃんの感動もお客さんに伝わった、すごくいいシーンでした。
下前 第1期の放送終了後に東京ガーデンシアターで開催された“sMiLea LIVE -Unite with You-”からライブを披露する機会が多かったので、ファンの皆さんとの呼吸感もだんだんできてきて、自分たちらしいステージをお届けできている気がしましたし、ファンの皆さんと一緒に成長していると思いました。その景色の数々は忘れられません。
坪倉康晴 僕も“これ”と強く感じた経験は、初の合同ライブ“sMiLea LIVE-Unite with You-”です。初めてのライブでしたし、そこで感じた緊張感と達成感は他の仕事では味わえない貴重な体験でした。応援してくれているファンの皆さんの声をダイレクトに感じることができたことも大きな経験でした。
馬越 僕は“リスアニ!LIVE 2024”と“Animelo Summer Live 2024 -Stargazer”の経験が大きかったです。僕たち以外のアーティストさんも出演するライブイベントで「UniteUp!」を知らない方もたくさんいたと思うのですが、「受け入れてもらえた」と感じられたあの瞬間は忘れられないです。いつも聞いている歓声とは違う音色の歓声が聞こえましたし、その空気感は「UniteUp!」だけの時とも違っていました。そこで得たものは、その後の自分の表現にも影響があったと思います。
――今、話題にも出た3ユニットそれぞれの単独ライブでは、各ユニットそれぞれが演出でもアイデアを出し合ったそうですが、JAXX/JAXXはどんな話をされたのでしょうか。
masa スタンディングでのライブにこだわらせてもらいました。一緒に立って、同じ熱量で観てほしくてご提案をさせていただきました。スタッフさんたちも同じ気持ちになってくれたからこその会場選びだったのだと思うと、すごく嬉しいです。
下前 あとは演出の叩き台だけ出してから、それぞれの部分について話をしました。例えばアコースティックのところをどう演出するか、5人のどの組み合わせでステージに出るかなどを話し合いました。それこそ「好きだから、好きにならないようにするね」はmasaと僕の2人でやってみるのはどうかという意見も出たし、「クリスマスの魔法が使えたら」は5人でアコースティックセットのライブにしてみるかとか、色々と話しました。そのなかでバランスを考え、あの日のセットリストになりました。
masa 僕の持っているJAXX/JAXXのテーマは“どう5人が目立てるか”なんです。もちろんそれぞれちゃんと目立っていますが、その個性をどう生かそうかと考えながら作った単独ライブでした。馬越くんと康晴くんは歌がすごく上手いから聴いてもらいたいし、下ちゃんとがっくんも歌は上手いけれど、せっかくキーボ-ド、ギターという楽器を持っているから、シンプルな演奏と歌にしたらきっと胸に響くだろうって。メンバーそれぞれがかっこ良くなる、そんなライブを目指しました。だから「康晴くんの歌をじっくり聴かせてくれてありがとう」とか「馬越くんの歌が聴けて良かったです」という感想をSNSで見た時は嬉しかったです。
――第2期までの期間で様々な経験をしてきた皆さんですが、新たな表現に繋がるような経験や体験を教えてください。
馬越 大先輩であるAnelaのお二人(大月 凛役の斉藤壮馬と辻堂真音役の中島ヨシキ)が「ボイスドラマのほうが伸び伸びやっているね」と言ってくださったことで肩の力が抜けました。これまでの僕は目の前の絵に囚われて、型にはまったような芝居をやっていたとがわかりましたし、その言葉のおかげで第2期はナチュラルなお芝居でリアルさを出すこと求めながら、表現できるようになりました。
masa JAXX/JAXXは友情や絆の物語が多いので、JAXX/JAXXと過ごす時間を増やしたおかげで、春賀楽翔と僕の気持ちが近づいている感じがしましたし、ふとした瞬間に“これが楽翔くんの気持ちなのだろうな”と思ったんです。楽翔くんの気持ちがようやくわかったので、その感覚を大事にお芝居ができました。
坪倉 僕は、第1期で若狭 潤は言葉数が多い方ではないこともあって、セリフをどう調整してもニュアンスを込めきれずに悔しい想いもしたんです。キャラクターとしてそこまで感情を出さないからこそ、抑えた伝え方が必要になるんですよね。色々と準備して、理想としている音を出そうとマイク前に立ったのですが、もっと突き詰めたいとも思ったし、課題にもなりました。その課題は『UniteUp! -Uni:Birth-』のアフレコに繋がりましたし、この先の芝居にも繋がっていくと思いました。
下前 アフレコに慣れていない部分はいまだにあるのですが、その違和感が逆にいい芝居になっているとも思うんです。思い通りにできるようになったり、慣れてしまったりしたならそれは芝居を“こなして”ということになる気がして。そのもどかしさの中でのアフレコは、今回の第2期のほまれに生きていると思っています。第1期では、どこか上手くやろうとしていたのですが、そのこだわりを捨てられたこと、そして“違和感があってもいい”と思えたことが第2期までに得られたことです。
高本 第1期でアフレコに挑戦をして、苦戦して、ああでもないこうでもないと声の出し方も考えましたが、結局は“芝居をすること”に行きついたんです。初めてだからこそ上手にできなくて当たり前だし、声の違和感があるのも当たり前だから、そこでどれだけ役に向き合ってきたかが芝居に出るのだと思います。僕らがチャレンジして、どれだけ向き合ったかは見ている人に必ず届くし、今まで得た経験は失敗も成功も無駄じゃないはずです。やってきた過程のすべてが声優としての芝居に繋がっていると実感できたことは大きな経験です。
――2月12日にはTVアニメ第2期OPテーマ「Uni:Birth」がリリースされました。楽曲を受け取ったときの印象と歌った感想を教えていただけますか。
馬越 「UniteUp!」を出してから色々と経験してきたからこそ、「Uni:Birth」はレコーディングでもダンスでもレベルアップした表現を任せてもらえたと感じました。自分たちの成長と共に、今の僕たちの勢いを届ける曲になりました。
坪倉 第1期はsMiLeaプロダクションにPROTOSTARが入ってきて、それぞれのユニットが頑張る姿を描いていましたが、第2期は3ユニットそれぞれではなく1つになってメッセージを発信している印象です。それもあって、楽曲を通して見える景色も第1期の先に進んだ、これまでと違ったものだと感じました。
高本 オープニングで楽曲が流れたときに見ている人が「頑張ろう」と思えて、自然と笑顔になれるような、そんな明るい気持ちを届けられる、背中を押してあげられる楽曲ですし、僕自身も明るい気持ちになります。パフォーマンスを通して、その気持ちを届けられるように、曲のイメージを歌声とダンスで伝えられることが嬉しいなと思いました。
下前 この曲は……その名の通りユニバースです。
坪倉 今の発言、そのまま掲載をお願いします(笑)。
masa ぜひ太文字で!
下前 だってそうだから!タイトル通り“宇宙”を感じました。
馬越 確かに意味は“宇宙“だしね(笑)。
下前 しかもそれを「Uni:Birth」と書くんです。あの綴りはお洒落ですよね。
masa あれはマルチバースという意味にも繋がる、色んな世界線があるんだよっていうことを示しているように思えて。それこそ「UniteUp!」の「多次元アイドルプロジェクト」という根本のテーマにふさわしい気がしています。
下前 そうだよね。僕の言いたいことと同じだね。
masa そう?(笑)。第1期では「世界を目指す」と言っていたけど、第2期は「宇宙を目指す」くらいの強いメッセージがありますよね。3次元でも2次元でも新しい旅路が幕を開けたという熱が詰まった1曲だと思います。
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