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REPORT

2025.01.20

パシフィコ横浜に“天使”と“悪魔”が舞い降りた!蒼井翔太、ワンマンライブ“蒼井翔太 LIVE 2024 WONDER lab. Collage”の夜公演“-DREAM land-”をレポート!

パシフィコ横浜に“天使”と“悪魔”が舞い降りた!蒼井翔太、ワンマンライブ“蒼井翔太 LIVE 2024 WONDER lab. Collage”の夜公演“-DREAM land-”をレポート!

最新ミニアルバム『Collage』で、今まで歌ってこなかった曲調やテーマによる新しい一面を見せてくれた声優アーティスト・蒼井翔太が、2024年12月28日、神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホールにて昼夜2公演のワンマンライブ“蒼井翔太 LIVE 2024 WONDER lab. Collage”を開催。ダークでハードな世界観を表現した昼公演“-UNDER world-”に続き、セットリストが異なる夜公演“-DREAM land-”では、“ドリームランド”という名にふさわしいキュートでチャーミングなステージを繰り広げた。まさかの“天使”も舞い降りた夜公演“-DREAM land-”の模様を詳細レポート!

TEXT BY 阿部美香
PHOTOGRAPHY BY上飯坂一

パシフィコ横浜に蒼井翔太という名の“天使”が舞い降りた

軽やかなダンスミュージックが開場BGMとして流れるパシフィコ横浜 国立大ホール。開演の19時を迎えるとBGMがピタリと止んで暗転し、女性の英語ボイスと共に、大きなスクリーンには日本語でメッセージが流れる。“皆さんは今、現実世界から解き放たれてここにいます”と始まったメッセージは、今夜、ここに無邪気な天使が舞い降りて目の前の現実世界を忘れさせ、決して消えることのない光を心に灯すだろうと予言する。そして“さぁ、呼ぶのです、天使の名前を!”と訴えると、ステージに黄金に輝く光が降り注ぎ、ダンサー4人を従えてニコニコと微笑みながら、無邪気な天使=蒼井翔太が降臨!
昼公演“-UNDER world-”では、ブラックな出で立ちの“悪魔”が降臨したようだが、夜公演“-DREAM land-”で蒼井が変身したのは、悪魔とは真逆のポップでキュートな天使。赤いハットに赤いメガネ、赤いジャージにチェックのシャツを腰に巻いたデニムのカーゴパンツ姿の背中には、真っ白い羽が生えている。「ワーッ!」というオーディエンスの歓声のなか、華やかに「Magic Of Love」がスタート。インカムを装着し、白いシャツとチェックのパンツを着たカジュアルなダンサーズと、ディスコ調の軽快なリズムに合わせてキュートなダンスを披露する。ハイトーンが印象的な蒼井翔太の歌声だが、まろやかな中低音が響くのも「Magic Of Love」の魅力だ。

「今日は最後まで皆さん、楽しんでいってくださいね!」と告げて、続く「Stay With Me!!」でもダンサーと一緒にリラックスした雰囲気でエアリーなステップを刻む。アウトロでは伸びやかなフェイクを響かせ、ラストは後ろ向きからくるりと客席のほうを振り向き、メガネを外してニッコリ!そして暗転したステージに流れる美しいピアノのイントロから立て続けに始まったのは、鮮やかな陽の光を感じさせる「Harmony」。ハットとメガネを取りハンドマイクに持ち替えた蒼井が「盛り上がって行きましょう!」とシャウトする。客席に手を振り、軽快なバンドの音にのせて楽しそうに片足でくるくると回り、温かな歌声を響かせていった。

かわいいだけじゃないかっこいい天使を届けたハードチューン

「さぁ、この日がやってまいりました。蒼井翔太としての2024年を締め括る最高のステージでございます」と改めて挨拶。「皆さんが僕に会いに来てくれて、僕の楽曲たちに会いに来てくれて、とても光栄に思います。そんな感謝を1曲1曲に込めて歌唱していきますので、よろしくお願いします!」と感謝の言葉を贈る。昼公演はダーク、セクシーなセットリストを届けたと振り返り、夜公演は「初めてしっかりと“天使”になりました」とニコニコ。背中に付けていた羽は、この日の1曲のためだけに作ってもらった衣装。セットリストもそれにふさわしいものを組んだという。

「天使って、かわいかったりふわふわしてるだけじゃないんですよね。かっこいい天使もいるでしょ?僕はどっちかわかりませんけども、じゃあ、次の曲を聴いてもらって見極めてもらおうかな?」と笑って、「皆さんもっともっとフリーになりたいでしょ?解き放ちたいでしょ?そんな曲を行ってみましょう!」

蒼井が言ったかっこいい天使。それを体現するような次の曲は「Let’s Go!」と低いシャウトで始まったハードでクールなロックナンバー「Freestyle Lover」!それまで青い色に染まっていた客席に、真っ赤なペンライトが交じり、蒼井は頭を振り、マイクを向けてオーディエンスを煽り、ステージにしゃがみ込んで熱を迸らせる。クールな天使のパフォーマンスは、ダンサーズが再び登場して「皆さんの笑顔をもっともっと見せてください!」と蒼井が告げた「SMILE SMILE SMILE」でまた熱を上げる。華やかなEDMサウンドにのせて手と腰を振りながら、キレのいいダンスをアンサンブルで魅せる。アウトロでは美しいロングトーンを響かせ、颯爽とステージを後にした。

圧巻のダンスパフォーマンスを披露した2曲

ダイナミックな演奏にのせて、蒼井のボイスがテクニカルなソロパートを誘ってバンドメンバーとダンサーズを1人ずつ紹介する。ダンサブルなインターバルが「Shouta Aoi!」の声で締め括られると、ステージセットの中央に、白いシャツに飾りネクタイを締め、デニムのハーフパンツに衣替えした天使が再臨!蒼井が華やかなポーズを決めて、ミニアルバム『Collage』からのリードナンバー「Da La La」へと繋げていく。ライブの熱を途切らせない豪華な演出が心憎い。「Da La La」では、強烈なデジタルビートにのせてキレのいいボーカルときれいなファルセットを響かせながら、MVでもファンを魅了した見事なダンスを、フォーメーションを次々に切り替えながらパフォーマンス。リスアニ!での『Collage』リリースインタビューで、蒼井が「メロディが頭から離れなくなるという症状が出る」と言っていた中毒性の高い“Da la la la la la la la”のフレーズが頭の中を駆け巡り、蒼井が繰り出す毒気のこもった舌打ちが、スリリングな歓喜を呼び起こした。アグレッシブな「Da La La」から間髪入れず、ステージはさらに豪華に彩られる。オレンジのライトを浴びてビートを刻んだのは、スタイリッシュなアッパーチューン「give me ♡ me」。セクシーな表情も見せながらダンスはさらに激しさを増し、切ないメロディがスピーディに叩きつけられる。誰にカテゴライズされることなく、あなたはあなたであれと訴える「Da La La」のメッセージを経て、“どんな君も君らしく いられるように”君を守るよ、だから愛して!と歌う「give me ♡ me」のメッセージへ。蒼井翔太の想いとファンの想いが交錯するようなアッパーゾーンは見応えも聴き応えもたっぷりだった。

作詞と作曲を手がけた珠玉のバラードも

薄暗いステージで水を飲んで息を整える蒼井の背中に、男性ファンからの「兄貴―!」の声が飛び、客席がなごやかな雰囲気に包まれる。女性ファンの多い蒼井だが、ライブには元気な男性ファンの姿も。「兄貴?」と不思議そうな声を出す蒼井に、客席からの温かい笑い声が被さる。MCでは、客席とのやりとりも楽しみの1つだ。「2024年にやり残したこと、やっちまったと思うことはある?」と蒼井が問いかけると、客席からたくさんの声が飛ぶ。蒼井自身もこのライブの前日リハーサルで、衣装の靴を履いたまま家に帰ってしまった失敗談を告白する。そして2025年に挑戦したいこととして“生け花”を挙げ、ゆくゆくは、ライブ当日の気持ちを生け花にして、ライブ会場に飾ってみたいと抱負を述べる。ミニアルバム『Collage』も、蒼井が毎日の気持ちをコラージュで表現したコラージュノートからインスパイアされたもの。だからこそ「心の中を具現化するのって、本当に素晴らしいことだなと、改めてこうやって歌を歌って感じさせていただきました」と語る。そして「ミニアルバムには、久しぶりに私が作詞した曲がありまして。その曲を、次に聞いていただきたいと思います」と言って、彼が作詞や作曲を手がけた3曲を届けた。

恋を失う切なさを情感たっぷりに歌い上げた『Collage』からの作詞曲「そのままで」。ここからは懐かしいバラードが2曲続く。“出会ってくれてありがとう 見つけ出してくれてありがとう”と、愛する人への感謝を綴った作詞・作曲ナンバー「ずっと…」では、優しく「一緒に歌って」と告げてオーディエンスと歌声を掛け合い、「心配しないで、僕はいつだってみんなのことを思いながら歌います」と語ってスタートした「glitter wish」では客席に降り注ぐ真っ白な光を浴びて、客席と声を重ねながら透き通った歌声を届けてくれた。続くMCでは、自分の作詞・作曲の楽曲がとても多くなってきたと振り返り、自作曲だけでイベントができそうなくらいだと語る。「自分で音楽を作るなんて大それたことは思ってもいなかったので、これからもずっとみんなに、自分の声に合う楽曲だったり、みんなが聴きたい楽曲だったり、時には僕の心からポンと出たものを お届けできたらと思います。今年ももうすぐ終わってしまいますが、来年、2025年もどうか温かく見守ってください」と言葉を紡いだ。

次のページ:蒼井翔太に“堕ちる”ドラマティックな楽曲を畳みかける

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