――続く“悪魔・朱夏”のほうは?
斉藤 悪魔のほうは大変でしたね。自分で考えたんですけど、とんでもないことやってしまったと思っています。本当はメドレーの部分もフル尺でやる予定だったんですよ。
――えーっ!あの4曲をフルで?
斉藤 そうなんです。でも「さすがに無理じゃない?ちょっとお客さんがしんどいかな」って思って。でもどうしても曲を削りたくなかったのでメドレーにしてもらって。私、メドレーもやったことがなかったので緊張しましたね。
――初野外、初楽器、初ダンサー、初メドレー……と色んな“初”チャレンジがあったんですね。
斉藤 どうしてこういうことをやっちゃうかなっていうね(笑)。でもライブってその時しか見られないし、その時その一瞬をみんなに楽しんでほしいっていう気持ちが強くて。私自身毎回この2時間にどれだけ詰め込めるかが勝負だなと思ってるんですね。今の私からすると「過去の自分、ちょっと落ち着きなよ」って思いますけどね(笑)。これをやったらこの先もっと最高なものを見せないといけなくなる。ある意味自分で自分にプレッシャーかけてるんですけど、それが心地良いといいますか。みんなもメドレーがくると思ってなかったので1日目はすごく素敵な反応をいただけました。
――1日目は熱狂ゾーン終わった後、「朱夏コール」が起きていましたね。
斉藤 あははは。みんなの高揚感がすごくて。(披露するまでは)ドキドキしたし相当きつかったけど、メドレーにして良かったなって思いました。
――しかも、メドレー終わってすぐに「だらけ。」でギャルズたちと一緒に踊って。
斉藤 自分のライブではあまり踊らないんですけど、今回は踊りたいなと思って。小学4年生からずっとダンスをやってるし、自分の武器でもあるのでどのタイミングでがっつり踊ろうかなって悩んでいたんですよ。Aqoursの一員としてはかわいさを意識して踊ってるけど、斉藤朱夏として踊った時にどういう私になるのか、ダンスだけだったらまだしも“歌って踊る斉藤朱夏”が想像できなかったんですね。でも手振りだけじゃなく全身で踊りながら歌って、すごく懐かしい気持ちになりました。個人的には初めてダンスでステージに立った時のような気持ちに近い。私ってやっぱりダンスが好きなんだなって改めて思いましたね。
――「しゅしゅしゅ」ではフォーメーションもありましたとね。
斉藤 これからはああいう構成もちょいちょい入れていこうって思いましたね。お客さん視点で考えた時に一気に華やかになるなって感じて。でも、自分がダンサーを従えてるっていうことに対してはすごく贅沢な気持ちになってしまうんですよ。そもそもバンドを後ろに背負っているだけでも贅沢なのに、ダンサーまでいいのかしらっていうのがあったんです。でもお祝いだし盛り盛りでやっちゃおうっていうところで。実は最初は「愛してしまえば」だけダンサーの登場予定だったんですけど増やしたんですよね。振付を作ってもらう時間はかかってしまうけど、せっかくだったらこの子たちをもっとステージに上げたいっていう保護者みたいな気持ちになっちゃって(笑)。得られるものがたくさんあるんだったら、できる限りステージで踊っていてほしいという想いがあったので。だから、追加でステージに出てもらったんですけど、新しい見せ方をできたなっていうのがあったので、自分の中でも得るものが大きかったなって思います。
――そして、ビッグTシャツを着ての「もう無理、でも走る」からが“リアル・朱夏”ですよね。
斉藤 “天使”と“悪魔”とは違う私がいて。“天使”はかわいらしく動いたり顔の表情も柔らかかったりしたし、“悪魔”だとすごく挑発的なんですよね。衣装が違うっていうこともあって体の動かし方も変えてて。この衣装だったらこのラインで見せるほうがきれいに見えるなとか、この表情をした時に色気を感じてくれるといいなと思っていて。そういうのを考えたなかで、“リアル朱夏”で私はどうやっていくんだろうって思った時に、その瞬間の私に身を任せようと思ってステージに出て行ったんです。映像を観返しながらライブのことを思い出した時に、すごく辛いメンタルで這い上がるまでに時間がかかった2日間だったんですけど、3曲だけの“リアル朱夏”の時にすごい清々しい顔をしてるなって自分でも思って。客観的に見ても笑顔がすごく良かったなって思ったんですね。でも、その目の奥には葛藤や苦しみがあって、時々辛くなる部分が見える。それでも目の前にいる仲間たちと手を取り合って走るってなったら、そんなこと言ってる場合じゃなかった。「ならば壁を壊しましょう!」みたいな感じですごくポジティブな自分だったなと思います。この5年間で気持ち的に落ち込む時もたくさんあったんですけど、今回のライブに関しては1日目も2日目もすごく晴れやかな気持ちで立ってたし、ライブをすごい楽しんでるなって思いました。
――「くつひも」を歌ってる時の表情がとても良かったです。
斉藤 いい意味で力が抜けてたなと思います。基本的にすごく緊張しいなので、ずっと力が入ってるんですよ。でも、特に2日目は、「くつひも」から「みかたっ」にかけてどんどん力が抜けていってた。それが私なんだろうなって。自由にステージを楽しむのが私なんだろうなっていうのが気付けたので、また良い一面を見せれたんじゃないかなと思ってます。
――「もう無理、でも走る」の後のMCも印象的でした。
斉藤 この曲はすごく自分の背中を押してくれるんですよね。私自身が歌っているけど、私自身にメッセージが飛んでくる。私はこれまでに何回も「もう無理」とか「やめたい」とか「歌いたくない」とか思ってきた。「いっそ全部なくなってしまったら楽になるのかな」と思ったこともあったんですけど「いや、まだこの瞬間を捨てるのはもったいない、まだ早い」とも思っていて。この年齢になると色んなことを考えるんですよね。最近も「来年、斉藤朱夏っていうアーティストのライブをどうやって作っていこうかな?」って悩んでいて。あの日の最後、私は皆さんに「スタートはいつだっていいんです」っていう言葉をかけたんですけど、「いつだっていい」というのは自分自身にも言ってる言葉であって。挑戦したいことややりたいことは今じゃなくてもいい、その先でもいいと思う。でも、どこかのタイミングでスタートが切れたらいいんじゃないかなって思っていて。私自身、今まで結構「どうしようどうしよう」って焦ってばかりだったと思うんですよね。でも「一旦ゆっくり考えてみよう」って思ってて。ファンの方からも時々お悩み相談で「焦ってしまいます」とか「もう無理です。どうしたらいいですか」っていうお手紙をもらうけど、私は「一旦休憩しない?」って伝えたいし、自分もそうしないといけないなと思ったんですね。
――1回立ち止まって、自分を見つめ直すってことですよね。その後にファンに向かって「素晴らしい景色を見せます」っていう未来に向けた宣言をしていました。
斉藤 もう約束はしちゃったので、約束は破れないですよね。みんなといい景色を見るのが私の夢でもありますし。いい未来が見られたらいいなって思いつつ、それに向かってただただ突っ走っていくだけかなって思っています。あと、自分の歌を色んな人に聞いてもらうという夢もあるので、どうやったら自分の音楽は伝えられるんだろうっていう悩みはたくさんあって。365日、この先もずっと考えてると思いますけど。皆さんがどこかのタイミングで斉藤朱夏というアーティストと出会って、斉藤朱夏の楽曲と出会ってくれたらいいなって思ってるんですね。そうやって思い続けていったらきっと色んな人に音楽が届いてくるんじゃないかなと思ってます。そこは自分自身を信じるしかないですね。ファンの人が「斉藤朱夏の曲いいよ」「斉藤朱夏のライブいいよ」って広めてくれていることは知っているし、十分に私に伝わってる。その人たちに恥じないような人になりたいですね。
――未来の話になりましたが、2025年、来年はどう考えてますか。
斉藤 すごく楽しいことを考えてます。結果、皆さんに会える機会は多くなるんじゃないかな。私は自分の足で自分の音楽を届けることを大事にしているし、ライブがすごく好きなので、皆さんと色んなライブを作りたいっていう想いがあるんです。なので楽しみに待っていてほしいな、と。2024年はコンセプトライブをたくさんやったので、2025年はどんなライブを作っていこうかなっていうのをこれから考えつつ、皆さんと一緒に音楽を作っていけたらいいなと思ってます。
――5周年にアニバーサリーイヤーに変化を意味する“555”というエンジェルナンバー掲げたので、ここからどう変わっていくかも楽しみです。
斉藤 私自身もすごい楽しみですね。ここ最近、富士山の夢を見るんですよ。実は私、『ラブライブ!サンシャイン!!』のオーディションに受かる前も、夢に金色の大きい鳥が出てきたんですよ。そしたら、次の日に電話がかかってきて、「渡辺 曜役で受かりました」って言われて。そういう意味では、私の夢占いは当たるんですよね。最近は赤富士の夢まで見ちゃって。赤富士って夢占い的にはトップクラスなんですよ。夢にちょっと委ねちゃってるのもあるんですけど(笑)、そんな夢を見たら「来年の私、やばいよね」って思ってて。今は来年の私にすごく期待しちゃってます。なんせ20代ラストなんで、とんでもないことしちゃおうかなって思っていて。例えばミニアルバム『555』でも色んなジャンルの楽曲に挑戦したんですけど、より新しいジャンルに飛び込んでチャレンジしていきたい。斉藤朱夏ってこんな楽曲も合うんだっていうのをより掘り下げていきたいなとは思ってますね。だから、乞うご期待です!
●リリース情報
『斉藤朱夏 -5th ANNIVERSARY朱演2024 天使と悪魔のささやき-』
12月25日発売
予約はこちら
https://SaitoShuka.lnk.to/241225PKG
【完全生産限定盤(BD+CD)】
品番:VVXL-231~232
価格:¥12,00(税込)
*天使&悪魔オリジナルスリーブケース
*タロットカード風フォトカード封入(絵柄全6種類/ランダム2枚封入)
*ライブ音源を収録したCD同梱
【初回仕様通常盤(BD)】
品番:VVXL-233
価格:¥8,800(税込)
<BD>
2024.08.18 東武動物公園
愛してしまえば
パパパ
ぴぴぴ
ぷぷぷ
秘密道具
こころ
離れないで
ベイビーテルミー
-Medley-
月で星で太陽だ!
ゼンシンゼンレイ
イッパイアッテナ
僕らはジーニアス
だらけ。
しゅしゅしゅ
セカイノハテ
もう無理、でも走る
くつひも
みかたっ
<CD>
01.愛してしまえば
02.パパパ
03.ぴぴぴ
04.ぷぷぷ
05.秘密道具
06.こころ
07.離れないで
08.ベイビーテルミー
09.Medley
月で星で太陽だ!
ゼンシンゼンレイ
イッパイアッテナ
僕らはジーニアス
10.だらけ。
11.しゅしゅしゅ
12.セカイノハテ
13.もう無理、でも走る
14.くつひも
15.みかたっ
斉藤朱夏 オフィシャルサイト
http://www.saitoshuka.jp
斉藤朱夏 オフィシャルX
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斉藤朱夏 オフィシャルInstagram
https://instagram.com/08saito_shuka16
斉藤朱夏 オフィシャルYouTube
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