スピラ・スピカ(以下、スピスピ)の幹葉が、自身の憧れの人物に直接会いに行き、彼らとの対談を通じて学びと刺激を得る人気企画『幹葉の森 おしゃべりルーム』。第6回のゲストには、アニソンダンス集団のパイオニア・REAL AKIBA BOYZ(以下、RAB)および派生ユニットのRAB ESPICEからゾマやかじゃない!、とぅーし、ネスの3人が登場。
今回の対談は、幹葉とRAB ESPICEのヘアメイクが一緒という共通点から実現したもの。幹葉は彼らの“夢に向かう姿勢”に感銘を受け、「いつか話をしてみたい!」と思っていたそう。前回のゲスト・徳井青空に続き、初対面となる彼らとのトークを経て、幹葉はまた1つ、未来への新たな1歩を踏み出すための糧を手にした様子。その模様をまるっとお届け。
INTERVIEW & TEXT BY 逆井マリ
PHOTOGRAPHY BY 堀内彩香
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──リスアニ!にREAL AKIBA BOYZ/RAB ESPICEの皆さんにご登場いただくのも、幹葉さんとRAB ESPICEの皆さんが直接話すのも初ということで、今回の「幹葉の森」は、まずはお互いに自己紹介をしていただくところから始めようと思っています。では幹葉さんからお願いします!
幹葉 では私から!徳島県板野郡松重町出身で、バンド活動を経て、就職をしつつも、デビューに向けた挑戦を続け、紆余曲折を乗り越えてデビューに至りました。デビュー当時は3人での活動でしたが、今はソロプロジェクトとして音楽に取り組んでおり、歌うためにできることはなんでも挑戦しようという意欲で、様々なことに挑戦しています。好きな食べ物はハンバーグで、好きな食材はトマト。そして、最近の趣味はお笑いのライブに行くことです。ちなみに、苦手なものは鳩ですね(笑)。ヘアメイクさんは“おみきはん”と呼んでくださっているので、願わくばそう呼んでくださったら嬉しいです。以上です!
RAB ESPICE一同 おみきはん!
とぅーし いいんですか……?恐れ多いです(笑)。
──では皆さんの自己紹介もお願いできれば。
ネス まず僕ら3人のことを話すと、僕らRAB ESPICEは、REAL AKIBA BOYZのメンバーとしても活動しているんです。僕らがおっちゃんと呼んでいる初期メンバーの5人が元からいて、そこに僕たち後輩メンバーが加わった感じですね。そこから新たに結成した3人組のユニットが僕らRAB ESPICE。僕以外の2人はオーディションを受けてRABのメンバーに選ばれていますが、僕自身はオーディションを受けず、少し特殊な経緯で入ることになった感じです。
幹葉 詳しくありがとうございます!
ネス で、RAB は主にブレイクダンスを中心に活動していますが、僕はタットという手を四角に動かすダンスを得意としています。ブレイクダンスはRABに加入してから本格的に練習を始めました。僕は石川県石川郡野々市で育ったんですが、元々ずっとバスケをやってたんです。でも、高校生の時にダンスに興味を持ち始めて、それから徐々にのめり込むようになりましたね。好きな食べ物は天津飯。好きな食材は卵とたまねぎ。趣味はネットサーフィンで、インプットに活用したり、サバイバルゲームの動画を観たりしています。
ゾマやかじゃない! 名前は「ゾマやかじゃない!」ですが、ゾマと呼んでください。主ジャンルはブレイクダンスで、秋田県横手市出身です。好きな食べ物は僕もハンバーグですね。好きな食材はまいたけ。誕生日にフライヤーをもらって、まいたけの天ぷらをよく作っています。趣味はサウナや温泉巡りです。“リアルアキバボーイズ日本武道館-レペゼン秋葉原-”前にフリーライブで各地を回った時も、ライブ後にマネージャーとメンバーの龍と一緒にサウナや温泉に行ってました。僕の得意技は「スーサイド」という体に負担のかかる技なので、それもあってなるべく体をリフレッシュする時間を作っているんです。
とぅーし 僕はいわゆる主ジャンルがなくて、ブレイクダンス、タット、そしてポッピンの3つをやっています。沖縄県沖縄市の、コザと呼ばれる場所の近くです。自然豊かで、のんびりした環境で育ちました。僕はウイスキーが好きで、自宅に150本ほどコレクションしていて、ほぼバー状態になってます。好きな食材はウイスキーの原点である大麦麦芽です。食べたことはないですけど(笑)。塩気のあるラーメンやシャウエッセンも好きです。
幹葉 皆さん細かくありがとうございます!住所まで、大丈夫ですか?
ネス 既に割れているので大丈夫です……!
幹葉 割れているんですか!?(笑)。今日はまだ世に出ていないことも、たくさんお伺いさせてください。
──幹葉さんは、10月4日(金)に開催された“リアルアキバボーイズ日本武道館-レペゼン秋葉原-”に行かれたそうですね。
幹葉 はい。これまで“Animelo Summer Live”などのフェスやイベントでステージを拝見したことはあったのですが、単独ライブは初めてで……もう、驚きの連続!涙あり、笑いありの本当に素晴らしい時間で、気付けば自然と感情移入していました。ドでかい武道館でのステージを終えた皆さんの感想が知りたいです!
ゾマ RABとして掲げていた大きな夢が2つあって、1つが「自分たち自身がアニメ化すること」、そしてもう1つが「武道館でのワンマンライブ」でした。その夢が実現した瞬間、確かに達成感はあったんですが、意外と“すとーん”と落ち着いた感覚がありましたね。自分の中で消化されたような感じで、すぐに次の目標へ進もうっていう気持ちが自然と沸いてきたんです。
ネス 「武道館ロス」が来るかなと思ったんですが、むしろ「武道館があるから」ということで後回しにしていたもののしわ寄せが全部きて(笑)、一気に現実に戻された感じというか……。でもおかげで、自然と次に向かう流れができましたね。
とぅーし 多少なりとも完全燃焼感が出るのかな?と思っていたんですけど、それもなくて。ある意味冴えてる感じがします。
ネス ファンの皆さんの中には「武道館が終わったら、もしかして誰か辞めるんじゃないか?」という心配もあったそうなんです。もちろん、僕らはそういう気持ちはなかったのですが。ただ、終わったあとの僕らの活動を見て安心してくださった方も多いようです……って夢を叶えたはずなのに、現実的な話ばかりに。もうちょっとキラキラした話しようよ!(笑)。
ゾマ 確かに(笑)。そういう角度から改めて武道館ライブについて話をするとしたら……。自分たちを迎え入れてくれた5人の先輩方が夢を叶える瞬間を見られたこと、かつ自分がそのステージで踊れたことは本当に嬉しかったですね。それは武道館ライブを終えて2日後くらいに実感しました。
とぅーし それは3人とも、一緒の気持ちだよね。
ネス うん。自分たちが武道館に立ったことよりも、先輩方をあのステージに立たせてあげられたということにじーんとくるものがあります。
ゾマ 「ハレ晴れユカイ」を踊る前に、センターの(涼宮)あつきさんがステージで「ここまで来るのは簡単じゃなかった」と話していたんですが、その言葉が胸に響きましたね。僕らは途中から入ったとはいえ、龍(RAB ESPICEより後にREAL AKIBA BOYZに加入したメンバー)を含めて、9人全員でこの夢を実現できたことに報われた気がします。「間違っていなかったんだな」と。
ネス 5人の先輩方、僕らが「おっちゃん」なんて呼んでいる人たちですが(笑)、その先輩たちを夢に向けてサポートできたことは、何にも代えがたいものがありました。
幹葉 武道館に向かう道のりでも、保護者(RABのファンの名称)の皆さんのワクワク感が伝わってきました。会場の外に並ぶお祝いの花の数もすごくて。こんなにもみんながこの公演を待ちわびていたんだな、と。そのワクワクの裏で、メンバーの皆さんは緊張もあったのでしょうか?
ネス ありましたね。僕らが一番緊張するのって人様のイベントに出る時なんです。例えば、オーイシマサヨシさんの武道館ライブであるとか。自分たちのイベントに関しては、自分たちの責任の元でできるので、緊張しないメンバーもいるんです。それでも9人それぞれに、どこかしらのタイミングで緊張がマックスになっていました。
ゾマ 僕は当日まで全然緊張しなかったんですよ。でもステージに出る直前に一気に緊張がピークに達しました。「なんでこのタイミングなの?」って思うくらい(笑)。
とぅーし 僕も後ろで待機している時がピークではあったんですけど、それより少し前から緊張していて。「一旦この景色に慣れないと」と袖から会場を覗いたら余計に緊張してしまって「やばいやばい!」って(笑)。ただ、緊張が解けるのも早くて、踊り始めて2曲目くらいでいつもの調子に戻っていきましたね。
ネス 僕も一緒に隙間から会場を見ていたんですよ。今回ありがたいことにチケットが完売していて、満員の客席を見て「あ、本当に完売したんだ」と改めて実感しました。これまで3000人規模の会場からいきなり1万人規模。になり、ざっくり2.5~3倍のお客さんがいた。「やるしかねえ」になるまで少し時間がかかった部分はありました。
──幹葉さんは皆さんのステージからたくさん刺激をもらったのではないでしょうか?
幹葉 すごかったです!大学時代にブレイクダンスのバトルを観に行くことは何度かあったんです。でも、あんなに大規模なブレイクダンスのショーを観るのは初めてで、最初から「かっこいい……!」と圧倒されてしまいました。それだけでなく、色々な格好をして出てきたり、トークがあったりだとか、バトルとは違う魅力もひしひし感じていました。
とぅーし バトルを見られたことがあるんですね。それで言うと、一般的にダンサーはバトル専門、あるいはバックダンサーやインストラクターとして活動する人がほどんどなんですよね。でも、うちの社長のけいたんさんは「ダンサーとして武道館に立つ」ことに強いこだわりを持っていて、それを目標に掲げて続けてきたんです。
ゾマ ダンスのワンマンライブで武道館に立つのは異例らしいんです。しかもアニソンで、ダンスで、というのは世界で僕らだけなんじゃないかなと。
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