幹葉 RABにしか作れない、オンリーワンのライブでしたよね。そこに至るまでの皆さんの道のりというのもうかがいたいです。ダンスの世界に入ったきっかけはなんだったのでしょうか?
ネス 僕の場合は、高校のバスケ部の先輩たちから無茶振りされたのがきっかけでした。「お前、明日の文化祭のステージで踊れ」と(笑)。バスケの強豪校で、先輩たちが怖かったんです。元々ノリは良いほうだったので「わかりました!明日覚えてきます!」という感じで引き受けたんですよ。当時からムーンウォークはなぜかできたんです(笑)。それと、ウェーブとか簡単な動きを加えて、ダンス動画を観て練習して。そしたら当日、めちゃくちゃ盛り上がったんですよね。先生からも「良かったぞ」って言ってもらえて、怖い野球部の先生も褒めてくれて、そこからなぜか頭髪検査が緩くなったり(笑)。その経験が「ダンスって楽しいな」と感じた最初の瞬間で、そこからダンスにハマっていきましたね。
幹葉 褒められたことで(笑)。 そこからタットにはどのように繋がっていくのですか?
ネス タットに出会ったのはそのあとでしたね。色んなダンススタイルに挑戦していくなかで、タットを知り「なんかよくわからないけど、面白い!」って。どんどんのめり込んでいき、海外のダンサーさんの動きを見様見真似で挑戦するように。今はタットだけで踊るというスタイルを日本で広める活動もしています。運動神経が特別良くなくても「タットならできそう」ということで付いて来てくれる後輩もいますね。
幹葉 ダンス初心者でも足を踏み入れやすいジャンルなのでしょうか?
ネス そうですね。僕は介護福祉士の国家資格を持っているのですが、実習の場で脳トレ感覚でタットに挑戦してもらったこともあります。大学の論文にも、その経験を書きました。
幹葉 すごい!ダンスの技術が福祉にも役立つんですね。ゾマさんはどうでしょうか?
ゾマ 僕もネスに似ていて、中学校の文化祭がきっかけでした。当時、先輩がブレイクダンスを披露していて「なんだ、この動きは?」と興味を持ったんです。当時はインターネットもそこまで普及していない時代だったので、先輩や友達に教えてもらったり、地元の施設に集まって練習したりしていました。ちょうどその頃、『少年チャンプル』というダンス番組が放送されていた。加えて、岡村隆史さんがテレビでウィンドミルという、ブレイクダンスの花形のような技を披露するのを見る機会もあり、さらに興味が湧くようになりました。高校に入ってからは校内で後輩と一緒にチームを組んでいましたね。そこからずっと続けているような感じですね。
幹葉 皆さん習い事で知ったというよりも、身近な方からの影響でダンスを始められているんですね。とぅーしさんも、周りの方の影響からダンスに入ったんですか?
とぅーし 僕もそうですね。ダンスとの出会いで言えば小学生の頃、テレビでブレイクダンスを見て「かっこいい!」と憧れたんです。その後中学時代はハンドボール部で、ダンスにはまだ触れていなかったのですが、高校でダンス部に出会った。先輩たちがポップダンスをしていたのを見て「面白そう!」と思ったんです。そこから色々なジャンルのダンスをやっている人と出会っていった感じです。特に地元のコザはポップダンスが盛んなんですよ。元々はブレイクダンスをやっていたけど、ポップダンスに重きを置くようになったという先輩も身近にいて。なので僕自身上京するまではブレイクダンスとポップダンスの二足の草鞋を履いていました。加えて、当時からタットも少しやっていたのですがど、専門でやっている人が近くにいなくて……。なのでネスや源元さん、 NARI(DIGITZ)さんなど、本格的にタットとやっている人たちと出会って、僕も本腰を入れるようになった。なので今はブレイクダンス、ポップダンス、タットの三足の草鞋でやっているような感じです。
幹葉 それぞれ色々な形でダンスに巡り合っているんですね。RABにおけるそれぞれの役割、バランス感みたいなものはあるんですか?
ネス RABは僕以外、全員がボケなんですよ。おっちゃんらはツッコミを入れていると思っているようなのですが、むしろボケになっているっていう(笑)。その中でも、とぅーしは大ボケで(笑)、ホームランを無意識に打つタイプ。
とぅーし よくネスにツッコまれているからか、なぜか僕とネスは不仲説が出てるんですよね。実際は全然不仲ではない。それを逆手に取ったYouTubeの企画も何度かやっていますが(笑)。
幹葉 お話をうかがっていて仲がいいんだなって思いました。女の子同士だとお互いの良いところを言い合う機会もあると思うんですけども、RAB ESPICEでそういう話をすることはあるんですか?
ネス 本番中に「ネスのそういうところ好きよ」みたいなことを言われることがありますね(笑)。ただ、裏ではあまりそういうことは言わないというか……。
ゾマ&とぅーし 確かに。
幹葉 へえ! じゃあネスさんはお2人のどんなところが好きですか?
ネス ゾマさんは特攻隊長です。何かあった時にまず切り込む役割で、後からみんなが続いていきます。それくらい新しい道を切り開いてくれる存在ですね。とぅーしはど天然で、とんでもないアイデアが急にボーンと出てくるんですよ。「これやりましょう!」って最初に持ってきたのが、「ウ”ィ”エ”」という曲だったんですね。その曲で踊ってみたをやってみたところそれがバズって、今では作者のバーバパパさんと関係値も作っているんですよ。どういう生き方をしたらこんなことできるようになるんだろう?って思う(笑)。あとは、2人ともにも言えることなのですが、人と違うところを持っているなと思っていますね。
ゾマ ネスは本当に直球で自分の考えを言ってくれるんですよ。そこには自分にはない視点があるのでありがたいですね。3人で企画を話し合っている時も冷静な意見をくれるんです。
とぅーし ネスは決めきる力も強いんですよね。本当に物事を真剣に考えてくれている証拠だと。それと、ファーストインプレッションで何かを決めるのも得意なので、主軸をすぐに決めたり、最後の方向性を引っ張る力も持っている。僕らは男だけのグループなので、話しているうちに学生ノリになっていくことがあるんですよ。それが結果的に良いステージに繋がっていくことも。
ネス 最初は3人が全然違う方向を見ているところが悩みだったんですよね。だから話がまとまりにくかった。でも、最近はどんどんまとまりやすくなってきました。特に僕がインプットをたくさんするようになってからは、「これもあるし、あれもあるし」と、様々な案を出し合えるようになって、まとまりやすくなりました。
幹葉 面白い!勉強になります。武道館ライブを拝見して、それぞれの個性が裏側ではどのようにまとまっていっているのかにも興味が湧いていたので。皆さんの夢に向かう原動力も聞いてみたいです。
ゾマ 僕の場合は、見てくれている人たちに対して「夢を追うのは何歳からでも遅くない」と思ってもらいたくて活動をしているところがあるように思います。僕自身の大きな夢というのはそんなになくて。というのも、僕は10年前に自分の夢であった保育士として7年間保育士働いていたんですけど、「何者かになりたい」という想いをずっと抱えていて。そんな時にRABのオーディションを知り、挑戦するかどうか悩んでいた。その時に先輩から「軽い気持ちで挑戦してみたら?」と背中を押してもらい、そのオーディションで合格して27歳にして2つ目の夢が叶ったんです。そして武道館でもさらなる夢が叶った。27歳で新たな夢に挑戦し、32歳になった今でも夢を叶え続け続けられていることは自分にとっての強い原動力になっているんです。幹葉さんの「未知の設計図」の歌詞にも“軽い気持ちからでもいい”という言葉がありましたが、それは僕もまさに今、同じように思っています。ちなみに、ネスはものすごく大きな夢を持っているんですよ。
ネス 夢というか、もう果てしない話なんですけど、死ぬ時に「無念……」と言って死にたいと思っているんですよ。知識や経験は永遠に残るものだと自分では考えていて。できるだけのことをやって、できれば不老不死になれたらいいな、と。でも今はそういう段階じゃないから、できる限りベストを尽くして生きている。武道館に立てたのは、ある意味僕の使命の1つだったと感じていますね。RABに入れてもらって、RABが武道館に立つ機会を作れたのも、少しは自分の力があったのかもしれない。そういった達成感や使命感が自分の原動力になっています。そういう意味では、その時々に目標はありますけど、叶えてしまったら終わりの夢はないかもしれませんね。
とぅーし 僕は逆に生にこだわりがないんですよ。いつかは死ぬものだし、限りある命だからこそ、その中でどれだけ後悔なく生きられるかが大事かなと。生涯現役でいたいし、引退っていうのは考えたことないですけど、やっぱり歳を重ねるとスタイルとかも変わってくる。だからこそ、今のうちにできることを色々試しておきたいという気持ちがあって、それで色々なジャンルをやっているところがあるのかもしれません。ただ、常にダンサーとして存在し続けたいっていう気持ちは強いですね。ステージに立つことも、創作物を生み出すことも、人と一緒にいることも大好きだから、それを死ぬ前日まで続けられたら良いなと思っています。そうありたいと思える原動力は、保護者の皆さんの存在かな、と。
幹葉 皆さんそれぞれ違って、素敵なお話ありがとうございます。話はまったく変わるんですが、ちなみに、普段はどんな話をしているんですか?
ネス 男の子ならではというか、宇宙や深海の話とかもよくしていますよ(笑)。
とぅーし よく聞いています(笑)。
幹葉 面白い。なんかずっと3人の話を聞いていたい……!ということで、今日は本当にありがとうございました!いつかまたアニソンを歌って、いつか何かしらの形でRAB、RAB ESPICE の皆さんとご一緒できるように頑張ります!その時にはよろしくお願いします!
RAB ESPICE一同 こちらこそ!
●ライブ情報/スピラ・スピカ
スピラ・スピカ One-Man Live Tour 2024-2025
2024年12月21日(土)
CrazyMonkey(北海道)※トーク公演もあり
2024年12月28日(土)
浜松窓枠(静岡)
2025年2月8日(土)
Shibuya WWW (東京)
2025年2月22日(土)
GRINDHOUSE(徳島)
2025年2月23日(日)
Music Club JANUS(大阪)
●ライブ情報/RAB ESPICE
RAB ESPICE BAND ONEMAN LIVE「TRICOLORE」
日程:2025年4月6日(日)
場所:東京・TOKYO DOME CITY HALL
時間:開場 16:30 開演 17:30
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