2024年は『劇場版「BanG Dream! It’s MyGO!!!!!」』前編・後編の公開といったアニメの展開のみならず、リアルバンド活動においても、初のライブツアー、バンド史上最大規模の2DAYSライブ、上海での海外単独公演、ロックフェスへの出演などを経験してたくましく成長した「BanG Dream!（バンドリ！）」発のバンド、MyGO!!!!!。そんな彼女たちの進化を存分に堪能できる作品が、この度の2nd Album『跡暖空（みちのく）』だ。劇場版を彩った楽曲「歩拾道」「過惰幻」や話題の新曲「明弦音」「霧周途」などを含む全12曲。これまで以上にバラエティに富んだ楽曲が並ぶ本作について、そして激動の2024年とその先に広がる2025年の景色について、青木陽菜（要 楽奈役／Gt.）と小日向美香（長崎そよ役／Ba.）にたっぷり語ってもらった。

INTERVIEW & TEXT BY 北野 創
PHOTOGRAPHY BY 三橋優美子

ツアー、合同ライブ、海外公演――初めて尽くしの2024年を振り返る！

――2024年も残り僅かですが、MyGO!!!!!にとって実りある1年だったのではないでしょうか。

青木陽菜　バンドとしてさらに成長できた1年になったと思います。特にZEPP TOUR（“MyGO!!!!! ZEPP TOUR 2024「彷徨する渇望」”）は私の中でも大きな経験で、次の公演までの間隔が今までよりも短かった分、ライブでのフィードバックをすぐに反映することができたので、最後の公演は演奏力や説得力が全然違っていて。やっぱり短い期間にコンスタントにライブを行うのは成長に繋がることを実感しました。

小日向美香　2023年11月の“BanG Dream! 12th☆LIVE（DAY2 : MyGO!!!!!「ちいさな一瞬」）”でアニメーションとリンクしたライブを行ったなかで、その次のワンマンが派手な演出なしでバンドの力を試されるZEPP TOURだったので、「私たちに何ができるか？」ということをより考えましたし、お互いのパフォーマンスについても意見を出し合うことが増えました。その意見を受けて次のライブまでにブラッシュアップするのは大変ではあったんですけど、みんながいるから挑戦しようと思えたし、バンドの結束力が強まったツアーでもあったと思います。

――小日向さんはどんな1年になったと感じますか？

小日向　2023年もすごく濃い年と言っていたのですが、それをさらに超えるほど濃い1年になりました。バンドとして掲げている「毎年、前年よりも飛躍する」という目標を達成できたように思います。

――特に飛躍を感じた出来事を挙げるとすれば？

小日向　それはもう9月の海外公演（“MyGO!!!!! 6th LIVE「見つけた景色、たずさえて」上海追加公演”）だと思います！

青木　物理的にも飛行機に乗って飛んだもんね（笑）。

小日向　最初の頃は海外でワンマンライブができるなんて思ってもみなかったのに、こんなにも早く実現できたのは、海外のファンの方たちがたくさん応援してくださったおかげでもありますし、すごく嬉しかったです。

青木　前々からアジアや中国圏にはMyGO!!!!!の熱狂的なファンの方が多いとは聞いていたのですが、お客さんの熱気が本当にすごくて、ライブが始まる前からMyGO!!!!!コールが起こっていたんです。終わった後の余韻もすごかったですし、我々も待ち望んでいましたけど、お客さんも「やっとこの日が来た！」と感じてくれていることが伝わってきて、激アツなライブになりました。

小日向　2024年は他にも“ROCK IN JAPAN FESTIVAL”のステージに立ちたいという夢を叶えることができてすごく嬉しかったですし、4月に横浜アリーナで開催したポピパ（Poppin’Party）さんとの合同ライブ（“Poppin’Party×MyGO!!!!! 合同ライブ「Divide/Unite」”）も思い出深くて……どうしよう？どれから語っていいのかわからない（笑）。

――小日向さんはポピパとの合同ライブのMCで、感極まって涙を流していましたよね。それを見たポピパのベーシストの西本りみさんが優しく寄り添っていたのも印象的でした。

青木　私もベースコンビ、好き！

小日向　ありがとう！おりみさんが寄り添ってくださったのも嬉しかったですし、大塚紗英さんもタオルを渡してくださったり、演奏中に来てくださったりして、本当にポピパの皆さんがあたたかくて……そしておりみさんが“#りみかん”というハッシュタグを作ってくださって、お会いするたびにポストしてくださるのがすごく嬉しくて。私はポピパさんの音楽に影響を受けてベースを始めたので、そんな先輩方と横浜アリーナという大きなステージに立てたことも本当に嬉しかったです。

――せっかくなので、この場にいないメンバーとの2024年の思い出も聞いてみたいです。

青木　それこそ上海公演のとき、羊ちゃん（羊宮妃那）は海外に行くのが初めてだったんですよ。美香ちゃんも7月に（“Bilibili World 2024”の）トークショーで上海に行ったのが初めての海外だったんですけど、この2人はMyGO!!!!!の“飛行機怖い組”なんです（笑）。帰りの飛行機が日本に着いたとき、羊ちゃんが「良かった、無事に帰還できた～」ってすごくホッとしていたのが印象に残っています（笑）。

小日向　私はZEPP TOURのときに、陽菜ちゃんと（立石）凛ちゃんと3人でUSJ（ユニバーサル・スタジオ・ジャパン）に行ったのが思い出深いですね。みんな忙しくてメンバーとテーマパークとかに遊びに行くことがなかったので、ツアーならではの思い出ができました。

青木　福岡公演から大阪公演までの間、羊ちゃんと（林）鼓子ちゃんは一旦東京に帰ったんですけど、我々3人はそのまま大阪に直行して観光をしたり、ご飯を食べたりしたんです。2024年はメンバーと一緒にいる時間も格段に増えました。

小日向　鼓子ちゃんと言えば、私が9月頃に悩んでいたとき、それを察して話しかけてくれたんです。海外公演のときに楽屋で2人きりになる時間があって、そのときにすごく話を聞いてくれて。改めて支えてもらったなと思います。

次ページ：“迷い”の先にあった景色と成長を描いた2nd Album『跡暖空』

• 1
• 2
• 3
• 次へ »