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2024.12.24

【連載最終回】アニソン野外フェス「ナガノアニエラフェスタ2024」ライブレポート

【連載最終回】アニソン野外フェス「ナガノアニエラフェスタ2024」ライブレポート

“アニエラフェスタ”初日もいよいよ後半戦、テンペストステージに登場したのは初出演となる実力派シンガー・ASCA。まずは「VIVID WORLD」で観客のクラップを誘いながら踊らせる。続いて「Stellar」から「紫苑の花束を」とダンサブルな楽曲を連続で聴かせ、観客も思い切りジャンプしてそれに応える。初めて見る“アニエラフェスタ”の光景にASCAも「最高だね」と感想を述べたあとはメロディアスな「FACELESS」へ。持ち前の歌唱はよりエモーショナルに響き渡り、「Gift of Life」へと美しい流れを見せる。そして「長野で一番輝いていきましょう」と告げてスタートした「RESISTER」でサウンドは一気に加速、それを聴きつけたのか、オーディエンスがぐっとステージへと集まりだした。そして「アニエラ、まだまだ叫び続けましょう!」とASCAが言えば最後はもちろんこの曲、「Howling」だ。疾走感溢れるサウンドのなか、観客もASCAと共に“Wow, wow”のシンガロングを聴かせる。情念がこもった歌声を存分に堪能しながら、最後は長野の空に突き抜ける叫びを聴かせ、圧巻のステージを終えた。

 

<セットリスト/ASCA>
01. VIVID WORLD
02. メドレー(Stellar~紫苑の花束を)
03. FACELESS
04. Gift of Life
05. RESISTER
06. Howling

昨年の“アニエラフェスタ”は、初日の夕方に雷雨に見舞われ、いくつかのアクトが出演中止を余儀なくされた。昨年シークレットで出演予定だった奥井雅美もその1人だ。そんな待ち望まれたレジェンドのステージがいよいよ幕を開ける。そのスタートはアニソン史を代表する名曲「輪舞-revolution」から。まさかの大アンセムからの幕開けに観客も続々とステージ前へと躍り出る。それにしても、この日も奥井から放たれる歌声はすごいの一言に尽きた。声の艶やかさやリズムとのシンクロ、そのすべてが完璧といえる素晴らしいパフォーマンスだ。MCで「今日は自分の代表曲を並べましたので」と言うと、観客も歓喜の歓声をあげる。しかし直後に告げられたタイトルは、なんとTVアニメ『スレイヤーズ』にて林原めぐみとデュエットで歌唱した「Get along」のソロバージョン。とてつもない熱狂をクールダウンさせるような「あの日の午後」を聴かせたあとは、これまた人気曲「Birth」を披露。最後には「みんなタオル持って」と呼びかければ、「Shuffle」の出番だ。エネルギッシュなロックサウンドと共に、タオルが振り回されるサビでの光景は圧倒的。長いキャリアを誇る奥井雅美の決して色褪せない歌声、そしてアニソンの力をしっかりと感じることのできた瞬間となった。

 

<セットリスト/奥井雅美>
01. 輪舞-revolution
02. Get along
03. あの日の午後
04. Birth
05. Shuffle

“アニエラフェスタ”初日も終盤に入り、すっかり日が暮れてペンライトもちらほら灯される、日中とはまた違った光景が見られる。テンペストステージにはこれまでなかったバンドセットが設置され、トリ前の岸田教団&THE明星ロケッツのセットがスタート。バンドの爆音がこだまするなか始まった「天鏡のアルデラミン」では、観客ものっけから地鳴りのようなシンガロングを聴かせる。曲を終えた瞬間、「我々、去年に立つはずだったステージにやっと立てました!」と岸田が叫ぶ。彼らもまた、雷雨のために昨年のステージに立てなかったアクトだった。そんな想いも相まった熱狂のなかで、さらに手を緩めることなく「暁のカレイドブラッド」「転生したら剣でした」と続けざまに披露する。そしてテンペストステージにはその音に引き寄せられて観客がステージ前に集まり、シンガロングが増大していくという、ある種異様な光景が展開されていった。そして「nameless story」を披露したあとは、ボーカルのichigoが一度ステージを去り、スペシャルコラボとしてライブレボルトからdubstarの田口華有と秋葉ゆりが登場、岸田が提供した「Relive」をパフォーマンスした。そしてichigoがステージに戻り、セットも終盤戦へ。「HIGHSCHOOL OF THE DEAD」でさらなる狂乱を呼び起こし、「GATE~それは暁のように~」でこの日最高のシンガロングを聴かせたあとは、最後に彼らの代表曲「星空ロジック」を披露。ここでichigoがスマホのライトを点灯し、「みんな星空見せて!」と観客にも促す。するとステージのいたるところでスマホライトが灯されていく。この日はあいにくの曇天で、空には星は見られなかった。しかしこの瞬間、岸田教団&THE明星ロケッツのステージには満点の星空が広がっていた。

 

<セットリスト/岸田教団&THE明星ロケッツ>
01. 天鏡のアルデラミン
02. 暁のカレイドブラッド
03. 転生したら剣でした
04. nameless story
05. Relive
06. HIGHSCHOOL OF THE DEAD
07. GATE~それは暁のように~
08. 星空ロジック

“ナガノアニエラフェスタ2024”初日のトリを飾ったのは、“アニエラフェスタ”初期から出演してきたMYTH & ROID。昨年の“アニエラフェスタ 2023”では事前に「演出面でも進化したステージを見せる」と予告していたのだが、彼らもまたそれは雷雨によりかなわなかった。あれから1年、各地を周ってきたライブツアーを経てさらに強度が増し、“アニエラフェスタ”初披露となるバンドセットでのMYTH & ROIDがいよいよこの長野の地で実現となる。そんな注目のステージは幻想的なSEと共にスタートし、そこから一転して「VORACITY」の強烈なサウンドと共に、KIHOWのアグレッシブな歌唱が響き渡る。テンペストステージの闇夜を引き裂くような音像と共に、一気にMYTH & ROIDの世界観が構築されていった。そこから「ACHE in PULSE」、そして間を置かずに「L.L.L.」と畳み掛ける。Tom-H@ck率いるバンドはアグレッシブながら実にタイトに聴こえる、しかしそれに観客の歓声が加わり、独特の熱量へと昇華されていく。KIHOWのボーカルもそうだが、的確ながらどんどんと強靭さを増していく、まるで野外に放たれ野生に目覚めたかのような、動物的なアグレッションを放っていた。そこから「STYX HELIX」「Paradisus-Paradoxum」と、『Re:ゼロから始める異世界生活』からの美しい楽曲を続けたあとは、ストロングなサウンドを聴かせる「TIT FOR TAT」、KIHOWの妖しげな歌唱が冴え渡る「JINGO JUNGLE」を披露し、会場のボルテージは最高潮に。そして最後に披露された「Forever Lost」で鳴らされた音像は、まるでこの世のものとは思えない幻想的なもので、そこにいる誰もが陶酔しながら目の前に広がる光景を見つめている、そんな“アニエラフェスタ”初日エンディングとなった。

 

 

<セットリスト/MYTH & ROID>
01. VORACITY
02. ACHE in PULSE
03. L.L.L.
04. STYX HELIX
05. Paradisus-Paradoxum
06. TIT FOR TAT
07. JINGO JUNGLE
08. Forever Lost

次のページ:<9月22日(日)Day2>

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