INTERVIEW
2024.12.16
表参道・原宿・青山のはざまにある私立結ヶ丘女子高等学校のスクールアイドル「Liella!」の姿を描き、観る者に感動を与えるTVアニメ『ラブライブ!スーパースター!!』3期。物語自体が素晴らしさに加え、それを彩る挿入歌も魅力に溢れている。すでに発売されている本作のOP主題歌シングル「Let’s be ONE」とED主題歌シングル「DAISUKI FULL POWER」について、そして各話の挿入歌について、1期生(3年生)の伊達さゆり(澁谷かのん役)、青山なぎさ(葉月 恋役)、2期生(2年生)の薮島朱音(米女メイ役)、大熊和奏(若菜四季役)、3期生(1年生)の坂倉 花(鬼塚冬毬役)にたっぷりと語ってもらった。
INTERVIEW & TEXT BY 塚越淳一
――OP/ED主題歌シングルは、すでにリリースイベントでもパフォーマンスされていますが、まずはOP主題歌「Let’s be ONE」について、お気に入りのフレーズやライブでの思い出を教えてください。
伊達さゆり いつもレコーディングの時点では歌い分けを知らされておらず、まずはフルで収録を行うんですよ。なのでレコーディング時は冒頭がかのんだとは思っていなくて、完成した音源を聴いた時は驚かされました。実はLiella!の楽曲で、かのんが最初にくることってあまりないんです。にも関わらず、今回はかのんの声から曲がスタートするので、ただただ緊張でした(笑)。レコーディングはかなり前だったんですけど、大泣きして歌えなくなったこともあったりして。その時期は、ちょうど自分の壁を乗り越えられず、すごく悩んでいたこともあって、この歌詞に励まされましたから……。なので、ライブでは(レコーディングの時の自分を)超えていけたらいいと思っていますし、私にとっては、自分に自分の背中を押してもらえる、すごく気合いが入る曲です。
青山なぎさ すごく切ない曲だなと思いました。Dメロの“この時が終わっても”を恋ちゃんが歌っているんですけど、この歌詞を改めて見た時、3年生になって卒業することも自覚していて、今まであったことを思い出しながら歌っているんじゃないかと思ったんです。レコーディングではいつもどおりに歌っていたんですけど、リリースイベントで初めてここを歌った時に、「この瞬間が終わりたくないな」って本当に思いながら歌っていました。きっと恋ちゃんもそういう気持ちで歌っていたんだろうなと思うことができました。
――Dメロを3年生がメインで歌っているのもエモいですよね。
青山 ちょうど3年生が歌うのにぴったりというか。彼女たちの心情に寄り添ったフレーズじゃないかなって思います。
――薮島さんはいかがですか?
薮島朱音 “大切な気持ちって 自分じゃ分かんないね”という歌詞を見た時に「確かに!」と思ったんです。考えすぎるあまりに、自分の気持ちが今どこに向かっているのかわからなくなってしまう時があって、そういう時に助けてくれるのは、身近な存在であったり、家族であったり、Liella!のみんなであったりすることが多いんですよね。やっぱり自分で自分を救える限界ってあるんです。だから私自身も、周囲の人たちに大切なことを気付かせてもらったり救われてきたんだと思いました。あと、前半の“いつだって僕らひとつだよ”が、ラストは“いつまでも僕らひとつだよ”になるんです。ここであえて、“いつまでも”にしているのは、遠く離れてしまっても、心や大切な想いは“ひとつ”なんだよって強調しているような気がして好きですね。
大熊和奏 リリースイベントで歌った時、すごく歌いやすいと思いました。TVアニメ2期のOP主題歌「WE WILL!!」は「ラブライブ!」で勝ちたい、1位を獲りたいという気持ちが含まれていて、それが振付にも表れていたんですよ。そうすると自然と私たちも力が入ってしまうんですね。でもこれは爽やかな曲で、歌詞も私たちの心情を表したものになっているので、それに伴って振付も儚いというか、全体的にゆったりしていたんです。なので、私個人としてはパフォーマンスがしやすかったです。あと、日本のアニメのオープニングらしい楽曲だなとも思っています。
坂倉 花 私は、みんなとちょっとズレてしまうんですけど、ラブライブ!シリーズの歴代のOP主題歌が大好きなんです。それを自分が冬毬として、そして大好きなLiella!として歌えていることがまず嬉しくて、気合いが入りました。なので気持ちが乗ったまま歌えていたのではないかな、と。スクールアイドルを感じるメロディラインとストレートな歌詞。振付もツーステップがあったり、ラブライブ!シリーズを感じるところがたくさんあったので、パフォーマンスをしていてもすごく楽しかったです。
――坂倉さんは、元々ファンでしたもんね。
坂倉 はい。ラブライブ!シリーズが大好きで、それで3期生一般公募オーディションに応募したので、純粋に嬉しいし楽しかったというのが一番の感想になるんです。あと、Dメロの最後に全員で歌う“さあ進め!いま”という歌詞がすごく好きでなんですよ。ここの3年生が並んでいる後ろから、1~2年がバッと前に出て歌う振付は、ダンスの先生も「最高にラブライブ!シリーズを感じるシーンにしたい」とおっしゃっていたんですけど、すごく気持ちが乗るし、スクールアイドルらしい振付と強さを感じました。あと、ラストの“僕らはきっと巡り逢えた 結ばれたんだね”のところで、1年生、2年生、3年生と順に前に出てくるところもすごくLiella!らしいと思いました!
――リリースイベントはいかがでした?3期生(1年生)はここで初めて、Liella!が踊っているアニメ映像をバックに歌ったと思うのですが。
坂倉 私、そんなにライブ前に緊張しないタイプなんですけど、珍しくすごく緊張していたんです。でも始まってしまったら楽しくて仕方がなくて(笑)。始まるまでは「シンクロしなきゃ、ここの歌詞と振付は絶対に間違えないようにしなきゃ」と思っていたんですけど、ただただ楽しくパフォーマンスできました。
――心強い3期生だ……。カップリングの「青春HOPPERS」は、ライブ映えする曲でしたけど、披露していかがでしたか?
薮島 テンポが速いし、歌割りの入れ替わりも速いんです。実際パフォーマンスを見てくださった方はわかるかもしれないんですけど、歌っていないところでのダンスも多くて、皆さん、目が足りなくなるんじゃないかな?って思っています(笑)。
青山 私は初めてロックダンスをやったんです。恋ちゃんは優雅な振付が多くて、こういう系統のダンスをやるのが初めてだったので楽しかったですね。最初は「本当にできるのか?」という気持ちがあったので、リハでは確認し合いながら練習をしていました。
坂倉 この曲はすごく疲れるんです……とにかくずっと体を動かしているので汗が止まらない(笑)。歌詞に“とにかくただ全力だ”ってあるんですけど、そのとおりのパフォーマンスをしています。
青山 リリースイベントだと、このあと「Within a Dream」というどバラードが来たので、みんな息切れをしないように必死でした(笑)。
伊達 この曲、一瞬でも気を抜いたら元に戻れなくなるような楽曲なので、揃えるのがとにかく大変で。
大熊 もしこの曲を6thライブツアーで歌うとしたら、最後のほうに入れるのはやめていただきたい……。体力のある序盤にしてほしい(笑)。
――続いて、ED主題歌「DAISUKI FULL POWER」ですが、名曲でした。
坂倉 これもラブライブ!シリーズのエンディングらしい、元気をもらえる楽曲で、私も大好きです。初めてTVアニメのエンディングを観た時、冬毬ってこんなに笑うんだ!と思うくらいキラキラして歌っていたんですね。これまではクールな表情でパフォーマンスをするという意識を持ってやってきたんですけど、エンディングを観て「この楽曲を歌う時はあまり考えずに、心から楽しんで笑顔で歌おう」と思いました。プライベートでも頻繁に聴いています!
薮島 私は2番の“みんなの夢よ 消えない夢よ”というフレーズが大好きなんです。一度自分の中で芽生えた夢って絶対に消えることはないし、自分には無理かもしれないと思っても、完全には消せないと感じるんですね。私が今、Liella!としてステージに立たせてもらえているのも、心のどこかでラブライブ!シリーズに関わりたいという夢があったからで、無我夢中で追いかけ続けて良かったなって思っているんですよ。それはメイちゃんだったり、メンバーみんなに共通する想いなのかなって感じています。
大熊 私、畑(亜貴)さんの歌詞、畑さんが紡ぐ言葉選びや意味が好きなんです。恥ずかしいくらい自分の想いに近いというか、「言葉にするとこういうことだよね」って感じられる歌詞なんですね。日本人って言葉にあまりしないというか、言ったとしても回りくどくなっちゃうんですけど、畑さんの歌詞は本当にストレートで、何を伝えるにしてもちゃんと温度感が伝わるようにしてくれている。だから、この歌詞を見た時「これこそ女子高生の在り方で、部活動で頑張っているような子にも伝わる歌詞だな」と思いました。Liella!の未来も歌っているような感じもして良いんですよね。
青山 歌詞が本当に素敵です。“だってだって心には 純粋で無謀な自分がいる 常識を疑えばできるかもしれないよ…”っていうフレーズを見た時、ラブライブ!シリーズのオーディションを受けようと思った自分を思い出しました。あの時は、絶対にたくさん応募があるし、受かるわけがないと思ったけど、ラブライブ!シリーズの一員になりたいと思って申し込みボタンを押したんです。そこで「私ができる最大限はこれだ!」を出したオーディションに合格をしたので、この歌詞にあるような純粋な気持ちは忘れないほうがいいと思いました。
伊達 スクールアイドルが将来大人になった時「みんなと一緒にライブしていたな」って思い出した時のBGMで流れてきそうな楽曲だと思いました。これまでの辛いこと、苦しいこと、楽しいこと、全部がこの楽曲のメロディと歌詞に詰まっているんですよね。みんなと一緒で、私もこの楽曲の歌詞が大好きです。今までのED主題歌って、ピシッとして歌うイメージを個人的には持っていたんですけど、この曲はメンバーがメガホンを持っていたり、放課後の日常を切り取ったアニメーションになっているんです。リリースイベントで披露した時、等身大でふざけ合っている高校生というのが曲に合っていると思ったので、あまりピシッとしていない感じでやったら、それが良かったので、これから披露していくごとに、みんなの表情がほぐれてくるんじゃないかなって思っています。
――メガホンダンスはかわいくて良いですよね。
伊達 すごく難しいんですけどね……かわいいのはやっぱり難しいです(笑)。
――カップリングの「Within a Dream」は、リリースイベントで歌ってみてどうでしたか?
坂倉 テイストがいつもと違っていて、フルパワーな感じでいく楽曲でもないし、ダンスも挑戦したことがない雰囲気だったので、「青春HOPPERS」と真逆過ぎて難しかったです……。
青山 ジャズダンスを取り入れた曲って、これが初めてなんじゃないかなと思っていて。特に間奏部分は、1人ずつで見ても面白いし、引きで全体を見ると、本当に複雑なフォーメーションになっているので、ライブ映えもすると思います。
坂倉 結構時間をかけて練習したよね。
青山 そうだね。足が一歩でも余計に前に出ちゃうと崩れちゃうフォーメーションだから練習はかなりしました。
坂倉 お互いを信頼し合っているからこそできるフォーメーションで、相手のことが見えていないのに移動するとかもあるんです。みんなとの絆があるからこそできる曲だと思います。
伊達 息を合わせるってこういうことなんだ!って思いながらリハを頑張っていました。みんなとコミュニケーションを取らないと難しい、挑戦的な楽曲でした。
大熊 ジャズダンスって、型どおりの感じじゃなくて、自分の加減で決められる部分があるので、その辺りも挑戦でした。シンクロする場面はありますけど、私たち自身がシンクロして合わせているわけではないので、それぞれがもらった振付をどう自分の表現にするのか、それぞれの個性の出し方が面白いと思います。
薮島 表情も穏やかで切なげなんですよね。みんなの新たな表情が見られる楽曲なのかなって思っています。
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