そしてi☆Risのライブに欠かせない曲の1つ「幻想曲WONDERLAND」から、ライブは終盤戦へ。冒頭のセリフ部でイヤモニを外して、ファンの声を受け止める久保田。セリフのいたずらっぽさが普段よりも強めに感じられたのは、このステージ上で感じている楽しさが反映されていたからなのだろうか。i☆Risはこの日も、ミュージカルのように物語性のあるパフォーマンスを美しくみせて、ラストスパートの物語を明るくスタート。ラストの久保田のセリフは「これからもi☆Risちゃんのこと、よろしくね!」に。続く「§Rainbow」は、中盤のVTRでのシロリスの「セリコさん(=芹澤)の曲ですか?」との言及を受けてか、芹澤が「i☆Risちゃんの曲だぁー!」とシャウトしてからスタート。Bメロでいつものように自身の名を呼ぶ特大のコールを受けながらソロを歌う彼女の目にここでは涙はなく、かわりに満開笑顔で歌唱し、会場中のボルテージを上げてみせた。それに続いたのは「Realize!」。この曲が24曲目にあたるのにもかかわらず、“ラスボス”と称されるほどにパワフルなダンスが要求されるこの曲においても、ソロパートでの歌声にどのメンバーもほぼほぼへたりがないのは驚きのポイントだろう。そして「お待たせしましたー!」と笑顔で「アルティメット☆MAGIC」の開幕を告げた若井、特にこの曲のステージングはとにかく楽しそうで、ダンスも終始大きさが目立つものに。フィーチャーされるパートの多さもあってか、自らの見せ場の1つとして歌にダンスに躍動をみせていた。
ここまで、怒涛の勢いで楽曲を披露してきたi☆Ris。ひと息入れてからリレー形式で自分たちに力をくれるファンの声への感謝を劇場版アニメの名シーンになぞらえ伝え、山北が「まだ私たちは、この先もっともっとみんなの笑顔を見たい!もっともっとみんなと遊びたいなと思っています」と未来へ向けたメッセージとしてまとめると、歌詞を引用する形で紡いだ言葉から、本編ラストナンバー「希望の花を」へ。メッセージと、今の想いを叩きつけるかのような魂こもった歌声が、ファンへの「これからもついてきてほしい」という何よりのメッセージとなり、力強い未来への歩みを確信させて本編を締め括った。
暗転中にライブロゴが浮かび上がり、メンバー5人による影ナレパートがスタート。ライブタイトル決定の裏話を明かしつつ、最後にi☆Risコールをメンバーが先導。観客のコールが大きくなるにつれて次第に客電が明るくなり、「Happy New World☆」のイントロと同時にステージ奥から5人が再登場。芹澤が1-Bメロで花道に寝転んで、この日ならではの景色を堪能したり、久保田がカメラを独占してファンと誓いの指切りを交わしていたりと、どのメンバーも自由なステージングを展開。思いきり楽しみながら、13年目の新しい扉を開けていく。
歌唱後のMCでは、来年3月にFCイベントとしての運動会の開催や、4月30日に約5年ぶりとなる5thアルバムのリリースを発表。最後には来年の10thツアーの開催も発表されていた。
最後にメンバーから、ファンへそれぞれメッセージが送られる。まず久保田は、ファンと一緒に準備して楽しみにしていたこの日を迎えるまでの心境を語りつつ、「なんで(券売が)100%じゃないのー!?」と珍しく悔しさを露わに。ただそれは、自分たちだけでなく「みんな気にするじゃん?」とファンを慮る気持ちからも来たものであり、続けて感謝の気持ちも伝えていた。同様にどのメンバーもファンへの感謝を述べつつ、「i☆Risってすごくいいチームなんですよ!(芹澤)」「i☆Risがずっと続けばいいのにって思う(若井)」とグループ愛を言葉にしたり、「ずっと続くものじゃないと思っているからこそ、この一分一秒が尊い(茜屋)」と活動への想いを語る。そして最後に山北が「すごく楽しかったけど、まだふわふわしていてでもなんか冷静で、味わったことのない感覚」と率直に今の状態を語りつつ、動員に加えて自身のパフォーマンスも含めた悔しさを言葉にし「もう1回アリーナに挑戦したいです!」と意気を上げると、芹澤が「割とみんな同じ気持ちだったね。『もっといける』って」とまとめていた。
そして山北の「すべての皆さんに愛を込めて」との言葉に続けて始まったラストナンバーが、2024年に新しく生まれた、メンバー自身が歌詞に想いを込めた大切な曲「愛 for you!」。手描きの歌詞が映し出されるスクリーンを背負いながら、若井が1-Aメロを「見つけてくれて、みんなありがとー!」に、2-Bメロでは芹澤が「i☆Risといる私が大好き!」に歌詞を変えてシャウトして文字でも歌声でもファンへと想いをしっかりと伝え、ファンも間奏で精一杯のコールでステージ上の5人にお返し。久保田も自身のソロフレーズのようにファンと“遊んで”、この日一番レベルの笑顔をずっと咲かせていく。また、直前のメッセージもあってか、1サビの山北ソロの「まだまだ完璧になれないから面白いじゃん?」のフレーズが普段以上に心に刺さる。一方で、イントロでメンバーが代わる代わるセンターを取りアピールするポイントで茜屋が“茜屋ウィンク”をバッチリ決めるなど、エモさはありながらもパフォーマンスに隙なく大事なメッセージを込めた1曲を披露し、i☆Risは大事な節目の、大きな挑戦となったライブを締め括ったのだった。
煌めきとエネルギッシュさを溢れさせ、時にはキュートに、時にはクールでスタイリッシュに――まさに12年間彼女たちが積み上げてきた集大成が発揮された晴れ舞台だったように思う。だがそれはあくまでも“現段階の集大成”。彼女たちの活動はまだまだ続いていくのだ。ファンと愛し愛されながら、この先も輝きを増していくであろうi☆Ris。やはり13年目も“マジみつづけて”ほしい、必見の存在だ。
i☆Ris 12th Anniversary Live ‐初☆アリーナMM(マジみて)‐
2024.11.04@ぴあアリーナMM
【SET LIST】
M01. Color
M02. ドリームパレード
M03. DIVE TO LIVE
M04. あっぱれ!馬鹿騒ぎ
M05. 徒太陽
M06. ミラクル☆パラダイス
M07. 5STAR☆(仮)
M08. TIN TONE
M09. Special Kiss
M10. YuRuYuRuハッピーデイズ
M11. ハートビート急上昇
M12. Re:Call
M13. Changing point
M14. Queens Bluff
M15. One Kiss
M16. Let you know!
M17. Endless Notes
M18. Goin’on
M19. Thank you forever!
M20. Shining Star
M21. キセキ-ノ-フィラメント
M22. 幻想曲WONDERLAND
M23. §Rainbow
M24. Realize!
M25. アルティメット☆MAGIC
M26. 希望の花を
EN1. Happy New World☆
EN2. 愛 for you!
i☆Ris公式HP
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i☆Ris公式X
https://twitter.com/iris_official_
i☆Ris公式YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCi6z7BymHrLuUSr9bLK3T-Q
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