REPORT
2024.12.04
テッペンを目指すLEGITの“To The Top”。メンバー3人もセットリストを決めたり演出面でもアイデアを出したという。そんなLEGITの“らしさ”を詰め込んだような、サプライズいっぱいのライブをレポート。笑顔と笑い声、そしてステージとフロアのハッピーな歌声で満たされたホールは文字どおり“ライブの幸せ”で満たされた時間となった。
TEXT BY えびさわなち
PHOTOGRAPHY BY 白石達也
照明が落とされ、会場を揺らすように大きなSEが響く。それはまさにLEGITの登場を告げる音。TVアニメ『UniteUp!』の第3話でPROTOSTARが目撃した、あの日のライブを思い起こさせる幕開けとなった「ON MY WAY」にオーディエンスが歓声をあげる。キレのあるダンスで高尾大毅役の助川真蔵、二条瑛士郎役の森蔭晨之介、東郷楓雅役の坂田隆一郎がステージで一糸乱れぬ動きを見せれば、「イェーイ!」とフロアから声が重なり、序盤から会場を熱していく。ダンスブレイクでは3人それぞれの見せ場もあり、そもそもダンスが得意だった助川、坂田のみならず「UniteUp!」にキャスティングされたことでダンスに力を入れるようになった森蔭も、目を見張るほどのエッジの効いたパフォーマンスで席捲する。本格的なパフォーマンス力で圧倒するLEGITの名をさらに轟かせていくようなステージングにフロアの歓声は絶叫に近いものへと変貌していった。「サイコー!」と声があがるなか、「LEGIT 1st Unit LIVE“To The Top”!皆さん、盛り上がっていけますか!」と助川が声をあげると、ライブはそのまま「FIRE」へ。「オレらについてきな」と歌詞にあるように、フロアからも声が響き、その声が加わることで楽曲が完成を見るような感覚に。オリエンタルな音の粒子が散りばめられながらもビッグビートで大きく会場を揺らす1曲に「全力でかかってこい!」と坂田がシャウト。ラップを放ち終えた森蔭も「ぶちあがっていくぞー!」とさらに煽るような声を出し、紫、緑、水色のペンライトの光も加速をつけるように激しく揺れた。
「最高の声、熱いっすね、マジで」と助川。「すごいね。イヤモニを突き破って聞こえてきますよ」と坂田も告げる。11月2日のJAXX/JAXXを皮切りに、PROTOSTARと繋いできた“UniteUp! 1st Unit LIVE”の大トリを飾るLEGIT。これまでは先陣を切って盛り上げるタイプだったLEGITが、他2ユニットからのバトンを受け取り、ド派手に彩るライブとなることを告げるとフロアは拍手に包まれた。この日のために、髪をピンクに染めていた森蔭。「何かサプライズ的なものを用意してあげたいなと思って(髪の色をピンクにした)」とサプライズが大成功したことに安堵の表情を見せた。この髪色のみならず、サプライズをたくさん用意してきたという3人。続くサプライズは初披露の新曲「MOVE MOVE MOVE」だ。オーディエンスに共に歌ってもらいたいというパートの練習のあとに楽曲がスタート。都会的なグルーヴ感のあるダイナミックなヒップホップナンバーを華麗なダンスと共に聴かせ、ご機嫌なパーティパートでは「To The Top」の声でフロアを1つにする。「みんなの声、めっちゃ聞こえた!ありがとう!」と笑顔を見せた3人。新たなコレオグラファーを迎えて、これまでのLEGITとはまた違った動きのあるダンスとなったことで、ダンスユニットとしてのレベルもさらにあがったと語る。リハーサルでの思い出話でも盛り上がる3人。「ON MY WAY」「FIRE」、そして「MOVE MOVE MOVE」でパワー“オン”のステージを堪能させたあとには、まったりゆっくりと“オフ”の彼らを楽しんでもらいたい、と「MAGIC」を響かせる。「待ってました!」の声もあがった軽やかかつチルな雰囲気もあるナンバーにフロアからは自然発生的にクラップが沸き、ステージと一体での軽やかな振付には「いい感じ!」と坂田が語りかけるように告げ、歓声があがった。
暗くなるフロア。すると、ステージ上のスクリーンに姿を現したのはAnelaの2人。そして目の前のステージでスタンバイするLEGITの3人。その瞬間、会場から絶叫のような歓声があがる。空間を切り裂くような鋭いエレクトロサウンドのイントロが告げたのは、確かにあの曲。そう、Anelaが歌う稀代の名曲「TARGET」だ。Anelaのバックダンサーを務めていたLEGITの3人が歌うAnelaのカバーに歓喜の声はいつまでも鳴りやまない。「まさかだったやろ」と満足気な助川の声に盛大な拍手が送られる。「喜んでくれるだろうとは思っていたけど、始まる雰囲気だけで“ウワァアア!”って声が響いて。嬉しかったです」と坂田も笑みを見せる。この曲をずっと披露したかったという彼ら。元々バックダンサーをやっていたからこそ「どこかで披露したい、ということは結構前から言っていたんだよね」と森蔭。このサプライズはオーディエンスの心を掴み、しびれさせたのだった。多次元プロジェクトだからこそ、アニメの世界で叶わなかったことが叶い、さらにアニメにまた反映されることもあるかもしれないと語る彼ら。このライブのための振付であり、フォーメーションだった、と充実の表情を見せたあとは「後半戦に向けてまだまだ楽しんでいこう!」とフロアへと発破をかけ、坂田が歌う楓雅の「Party Plan」からソロコーナーへ。歌うように響くビートが軽やかに駆けのぼるポップでキッチュなトラックに、甘く優雅な歌が乗り、スクリーンに映し出されるグラフィティアート的な楓雅のイメージアニメーションとも相まって、フロアをポップに彩った。続いたのは瑛士郎の歌う「答え合わせ」だ。沈着冷静で怜悧な印象を与える瑛士郎の塞ぎようのないほどの熱が溢れ出すリリックは、森蔭の声と共に深くまで突き刺さる。最後は大毅の歌う「Don’t be afraid」。助川の声を通して、ポジティブな想いと共に跳ねるように、聴いていると足取りが軽くなっていくようなミディアムヒップホップチューン。メロディックな1曲はフロアを笑顔にしていった。
ソロ曲もライブ初披露となったことで盛大な拍手が沸く。3年ほど前に公式YouTubeチャンネルにて配信をスタートした楽曲についての制作秘話を聞かせる3人。「セクシー&ワイルドに振り切った歌詞を書いて、ここにいる子猫ちゃんたちを口説く楓雅らしい1曲かなと思います」と楓雅のソロ曲の作詞を担当した坂田が語れば、森蔭は「めちゃめちゃ緊張したよ」と語る。コンテンツが動き出した頃に、森蔭のSNSを見たスタッフから作詞を依頼されたのだという。初めてのことだったが「実家の近くの公園で歌詞を考えた」という森蔭は、地元の空気を感じていたからこそ学生時代のことが浮かぶ歌詞になったと話した。「作ってくださった方はゴリゴリのラッパーなんですけど、作ってくださった曲は思っていた以上にチルいんですよね」という助川。ヒップホップは好きだけれど、自分から発信したことはなかったが、作曲者のISSEIと共に大毅のラップやそのニュアンスを作り上げたことで、その後の大毅の成長にも関わる進化ができたと語った。
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