アニメ音楽に特化した媒体「リスアニ!」と大阪のラジオ局・FM802のラジオ番組「802 Palette(ハチパレ)」による新たな音楽メディア「リスパレ!」が、今聴いてほしいアーティストを独自の視点で選出のうえプッシュするレコメンド企画「リスパレ!チョイス」。その第二弾選出アーティストの中から、今回は時に“歌役者”とも表現される多彩な歌声/声色で知られる気鋭の歌い手・9Lanaをピックアップ。メジャーデビュー曲「Let me battle」がテレビアニメ「ポケットモンスター」のEDテーマに抜擢されるなど、今まさに活躍の舞台を広げている彼女の音楽について聞いた。
INTERVIEW & TEXT BY 杉山 仁
――9Lanaさんは今回、レコメンド企画「リスパレ!チョイス」の第2弾アーティストに選出されました。まずは率直な感想を聞かせてください。
9Lana すごくびっくりしましたし、嬉しく思いました。リスアニ!さんはアニメ情報を知る際によく見させていただいていますし、802 Paletteさんにはメジャーデビューの時にもお世話になったので、今回選んでいただけてとても嬉しかったです。
――9Lanaさんはラジオはお好きですか?
9Lana ラジオは「素敵な出会い」がある場所だな、と思っています。今はAIが発達していて、たとえばYouTubeでも好きな音楽を検索していると、自然と自分の好きそうなものをどんどんおすすめしてくれますよね。もちろん、それもすごく便利でありがたいことなんですけど、一方で自分の知らない曲に出会うのは難しくなってきていると感じることもあって。ラジオの場合は、自分が知らないアーティストさんや、名前は聴いたことがあるけれど触れる機会がなかったアーティストさんの素敵な楽曲を知ることができるので、音楽に限らず、色々なものとの出会いがある場所だなって思います。
――9Lanaさんが歌い手になろうと思ったきっかけはどんなものだったんでしょう?
9Lana もともと歌はずっと好きで、「歌ってみた」の文化を知って「自分もやってみたい!」と思ったのがはじまりでした。最初は、HoneyWorksさんの楽曲を聴いて、そこから歌い手さんのことも知っていったんだと思います。歌い手の方々は、お家で録音をしている方も多いということにも本当に驚きました。
――日常的に生活している場所から生まれる音楽だったからこそ、9Lanaさんにも「自分にもできるかもしれない」「自分もやってみたい!」と思わせてくれたんですね。とはいえ、活動に踏み出すときは勇気がいったんじゃないですか?
9Lana そうですね。今もですけど、私は機械が得意なタイプではないので……。でも、歌うことが好きだったので、世に出す/出さないは別として、まずは機材を買って色々調べて、見よう見まねではじめてみたんです。最初に投稿できたときは、本当に嬉しかったのを覚えています。最初は何も分からない中ではじめた活動でしたけど、振り返ってみると「やってみたい!」という気持ちが強かったからできたことなのかな、と思います。
――以降は様々なカバー曲の投稿がはじまったと思います。中でも9Lanaさんといえば、歌い方だけではなく声色まで変化するような、本当に多彩なボーカル表現が印象的ですが、このスタイルはどんなふうに出来上がったものだったんでしょう?
9Lana 歌ってみたをたくさん投稿していく中で、色んな歌い方を知れたのが大きかったのかもしれないです。もともと、私は邦楽も洋楽も含めて日常的に色んなタイプの音楽を聴くのが好きなので、そうやって色んなアーティストの方々の素敵な歌を聴いているうちに、そこに少なからず影響を受けていったのかもしれません。
――実際、9Lanaさんは可愛い歌声が似合うものからクールでかっこいい歌声が映えるものまで、本当に色々な歌声で、色々なタイプの楽曲をカバーされています。
9Lana やっぱり、色んな楽曲が好きなので、歌わせていただいています。
――それが自分の個性だと気づいたきっかけはあったんですか?
9Lana 色々試して歌ってみたを出したときに、「こんな声も出せるんだ」「こんな歌い方もできるんだ」と、周りの方々が反応してくれたことは大きかったと思います。それで、自分でも色々な歌い方に気づけたような気がしているので。
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