――9Lanaさんは2023年からオリジナル曲のリリースもはじめました。カバー曲とオリジナル曲とでは、歌うときに意識することは違うのでしょうか。
9Lana カバー曲でもオリジナル曲でも、まずはどちらも「楽曲に合った歌い方や声色を大切にする」ということは変わらないです。でも、オリジナル曲では、そこに少しだけ自分らしさが出せるように意識しています。やっぱりカバー曲の場合は、リスペクトを持ってカバーさせていただいているので、本家様の楽曲の意図をなるべく読み取って歌いたいと思っているんです。それに対してオリジナル曲の場合は、自分なりに落とし込んで、試行錯誤して歌わせていただいていています。たとえば、初めてのオリジナル曲「右ポケット」も、色々な歌い方が考えられる中で、どんな声色で、どんなふうに歌おうかということをすごく考えました。
――「右ポケット」はアコギを基調にしたシンプルな楽曲に乗せて、どこか優しげな9Lanaさんの歌声が楽しめる楽曲でした。そして今年1月には、MAISONdesによる『うる星やつら』のED曲「雷櫻 feat. 9Lana, SAKURAmoti」にも参加されました。
9Lana もともとMAISONdesさんが担当されている『うる星やつら』のテーマ曲は知っていたので、とにかく嬉しかったのを覚えています。普段の歌は家で録音していますが、この曲はちゃんとしたスタジオでディレクションしていただいたので、かなり緊張したりもしました。でも、その場で「こうした方がいいんじゃないか」「こうしてみたらどうかな?」と意見をいただいて、「そんなアプローチの仕方があるんだ」と勉強になりましたし、自分だけで歌を録ったときとはまた違った変化がつけられたと思っています。楽曲が完成して、放送されたED映像を初めてみた
――そしていよいよ、今年4月には、テレビアニメ「ポケットモンスター」のエンディングテーマ「Let me battle」でメジャーデビューも果たしました。これは9Lanaさんにとってどんな経験になりましたか?
9Lana 想像もしていないことだったので、とにかく驚きました。もともとそこまでメジャーデビューを意識していたわけではなかったんですけど、今回機会をいただいて、歌を楽しく続けられる環境をいただけたことがすごく嬉しかったです。「Let me battle」では、色々な声色をなるべく登場させることを意識して試行錯誤しました。
――アニポケには様々なポケモンや登場人物たちが織り成す群像劇のような魅力がありますが、「Let me battle」の9Lanaさんは多彩な声色を1曲の中でいくつも使い分けていて、ひとりでもその賑やかで楽しそうな雰囲気を再現しているようです。
9Lana それは言っていただいた通りで、アニポケには性格も様々な色んな種類のポケモンが登場するので、そのことを考えながら、タイプの違う色々な声色を1曲の中に詰め込んでいきました。
――また、「Let me battle」ではオリジナル版の他に、5名の歌い手さんを迎えた別バージョンも3パターン作られ、こちらも同じくエンディングテーマとして放送されました。このメンバーは9Lanaさんがお願いしたい方に声をかけたんですか?
9Lana そうです。自分が尊敬する方々と一緒に歌っていただけて、自分のソロバージョンだけではなく、色んな方々とのバージョンも出来たことはすごく嬉しかったです。最初に出たバージョンに参加してもらったつぐさん、わかばやしさん、みょみょさんは、(歌ってみたの最大級の動画投稿祭)『歌コレ』で一緒に歌わせていただいて以来、一緒にゲームさせていただいたりと仲良くさせてもらっていて、自分を含めて歌い方のアプローチも、好きな楽曲もそれぞれ違うので、コラボさせていただくたびに「ここはこういう歌い方をするんだ」「すごいなぁ」と尊敬できます。そんなメンバーで楽しく歌わせていただきました。
2つめのバージョンに参加してくれたむトさんとは「Let me battle」で初めてご一緒したんですけど、もともと歌声が好きで、唯一無二の歌声を持っている方だと思っていました。それに、「Let me battle」はかなりアップテンポで賑やかな曲なので、「むトさんはどう歌われるんだろう?」ということも楽しみでした。出来上がった楽曲もむトさんの世界観を崩さずに、可愛らしさも入れつつ、パワフルな元気さも表現してもらっていて、ご一緒できてすごく嬉しかったです。
最後の缶缶さんは、もともと私がリスナーのひとりとして歌を聴いていた方なので、一緒に歌わせていただけること自体光栄でびっくりしました。ファンの方は分かると思うんですけど、缶缶さんは『ポケモン』がすごくお好きで、一緒に歌う事も喜んでくださりました。歌もパワフルに歌っていただいて。改めてその魅力を感じました。
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