リスアニ!WEB – アニメ・アニメ音楽のポータルサイト

REPORT

2024.11.24

7人で歌える奇跡――「うたの☆プリンスさまっ♪ ST☆RISH LIVE STAR TREASURE -MOONSHINE-」Kアリーナ横浜公演を振り返る!

7人で歌える奇跡――「うたの☆プリンスさまっ♪ ST☆RISH LIVE STAR TREASURE -MOONSHINE-」Kアリーナ横浜公演を振り返る!

2022年9月に公開となった『劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEスターリッシュツアーズ』。マジLOVEライブ上映も含めロングランとなったその劇場ライブ上映開始から1年以上の時を経た2023年11月に宮城・セキスイハイムスーパーアリーナにST☆RISHキャストが集結して開催された「うたの☆プリンスさまっ♪ ST☆RISH LIVE STAR TREASURE -SUNSHINE-」。ここで開催が発表になった新たな旅「うたの☆プリンスさまっ♪ ST☆RISH LIVE STAR TREASURE -MOONSHINE-」の日を迎えたKアリーナ横浜での1日をレポートする。

PHOTOGRAPHY BY 上飯坂一、高田真紀子、増田 慶
TEXT BY えびさわなち

音楽で巡る新しい旅が始まる

「ST☆RISH!」と彼らの名を呼ぶ声が響き、星々が煌めくステージにすべての視線が集まるなか、機長であるST☆RISHを乗せた飛行機が巨大スクリーンへと映し出され、大空へ飛び立つとステージに姿を現すキャストたち。大歓声に震撼するKアリーナ横浜が7色の光に包まれると、あの日のライブと同じく、ライブのテーマでもある「マジLOVEスターリッシュツアーズ」が響き出し、公演は幕を開けた。「世界は一つだ」と愛を歌い上げる珠玉チューンにオーディエンスの声も重なり、始まりから大きな歌声の渦が生まれ、ステージも会場も笑顔でいっぱいに。「さぁ、音楽で世界を旅しよう!」と一十木音也役の寺島拓篤。「俺たちの旅は始まったばかりだ」と聖川真斗役の鈴村健一。続けて「広く大きな世界へ羽ばたきましょう」と四ノ宮那月役の谷山紀章が告げれば「一緒に探しませんか?未知の可能性を!」と一ノ瀬トキヤ役の宮野真守も語りかける。「オレとキミは旅の仲間だ!自由に楽しんで」と神宮寺レン役の諏訪部順一の声が響くと「一期一会のこの瞬間を胸に刻もうぜ!」と来栖 翔役の下野 紘も声を上げる。そして最後に「アナタが知らないワタシたちの音楽を届けます」と愛島セシル役の鳥海浩輔の柔らかな声が紡がれ、会場は1つになっていく。そんな1曲に続いたのはTVアニメ3期『うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEレボリューションズ』のメインテーマ「マジLOVEレボリューションズ」。初日の公演では客席から驚きの歓声が沸いたのが印象的だった。観客の「せーの!」のかけ声も加わり、エモーショナルでゴージャスなアッパーチューンが会場を席捲していく。そして、彼らは挨拶と共にこの日を迎えることができた喜びを言葉にしていく。「SUNSHINE」とはセットリストが半分違う、と予告されていたものの、2曲目から意表を突いたセレクトでファンを大いに沸かせた。ステージの7人と観客が一緒に「ライブスタート!」と声を上げると、ここから「MOONSHINE」ならではのソロパートへ。

 

最初に楽曲を披露したのは下野 紘。センターステージに立つと、強いビートに彩られたダンサブルな「Dizzy Glow」で軽やかにステップを踏みながら、ピンク色に染まった会場へ快活な歌声を放っていく。ダンサーも交えたダイナミックなパフォーマンスはさすが来栖 翔!と感じさせるものがあった。

そんな時間に続いたのは鳥海浩輔だ。オリエンタルなSEからデジタルビートと異国感をたっぷりと散りばめたエレクトロチューン「Re:alive」をダンサーの華麗なダンスと共に堪能させた。

ここまでステージが進むとオーディエンスも気づいたことだろう。このソロパートが「劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEスターリッシュツアーズ アイドルソング」収録のカップリング曲で構成されていることに。各国の世界観をテーマに制作され、ツアーで披露されたそれぞれの楽曲の対となっていたナンバーたちが響き渡っていく。エメラルドグリーンに染まった会場の空気をガラリと変え、深紅に染めたのは寺島拓篤。クラップのビートが鳴り出せば、会場からも自然とクラップが発生し、ダンサーと共に寺島もクラップ。クランプ的なビート感で心躍る「POP SHOWER」をキレあるステップで魅せた。

音が止むと、メインステージに光が当たる。そこには諏訪部順一の姿が。レンが歌う哀愁を帯びたデジタルチューン「DREAM TALE」を艶めく甘いボーカルで歌い上げ、情熱的な歌詞とエモーショナルな旋律で響かせるメロディが会場をオレンジに染めていく。

続いたのは宮野真守。トキヤの歌う「PERFECT STORY」の、高音の歌い出しで観客の五感を一気に引きつけ、情感たっぷりに響かせる。ストリングスの音と放たれる歌声は会場を紫に染め上げ、甘さと怜悧さとが共存したボーカルにオーディエンスは聴き入った。

そして、センターステージを見ると鈴村健一の姿が。その瞬間、青一色に彩られる会場。「真斗―!」と呼ぶ声に導かれるように、軽快なピアノの旋律で紡がれる「Stay with…」が鳴り出す。軽やかなビートに青のライトが揺れるなか、鈴村の歌声が広がっていく。花道を進みながら、客席へと視線を、笑顔を投げかける鈴村に歓声が沸いた。

「MOONSHINE」のソロコーナーのラストを飾ったのは那月の「With Ding Dong」。温かな音によって紡がれていくミディアムチューンをエモーショナルに歌い上げる谷山紀章。高音から低音まで幅の広い音で構成されたドラマチックな展開を持った1曲を、那月の温かさだけでなく砂月の鋭さをも滲ませて歌う。センターステージからメインステージへと振り向く谷山。そこにはここまで歌を繋いできた6人が待っていた。その輪の中へと進んでいく姿に会場は温かな空気に包まれる。

次のページ:もっと近くで。その想いと共に歌う7人の熱を見た。

SHARE

RANKING
ランキング

もっと見る

PAGE TOP