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INTERVIEW

2024.11.17

IDOLiSH7、3rd Album“LEADiNG TONE”発売記念!キャスト連続インタビュー【第5回目】KENN(四葉 環役)

IDOLiSH7、3rd Album“LEADiNG TONE”発売記念!キャスト連続インタビュー【第5回目】KENN(四葉 環役)

3rd Album“LEADiNG TONE”のリリースを記念したIDOLiSH7のキャストによる連続インタビュー第5回はKENNが登場。行方のわからない妹・理を探すためにIDOLiSH7に加入した四葉 環は、仲間の存在、理との再会といった様々なことを通して大きな成長を見せてきた。そんな環を演じるKENNがこの10年見てきた環自身とIDOLiSH7について、そして“今”の環の歌について語る。

【第1回目】小野賢章(七瀬 陸役)はこちら
【第2回目】増田俊樹(和泉一織役)はこちら
【第3回目】白井悠介(二階堂大和役)はこちら
【第4回目】代永 翼(和泉三月役)はこちら

INTERVIEW & TEXT BYえびさわなち

普段通りのようで驚きに満ちた2年10ヵ月が詰まったフルアルバム

――2022年1月にリリースされた2nd Album“Opus”以来、2年10ヵ月ぶりとなる3rdアルバムが完成しました。まず伺いたいのは、KENNさんにとってこの2年10ヵ月はどんな時間でしたか?

KENN 我々は仕事的にも収録を個別にしていましたし、世間の皆さんも大変な時期だったと思います。イベントも無観客になることも多かったですし、有観客だったとしても声を出せないことも多くて。最近になってだいたいのことが戻ってきて、イベントなどでの声出しがOKになり、アフレコもコロナ禍前ほどの状況ではない現場もありますがほぼ戻りつつあります。コロナ禍当時にデビューをしてマイクワークを知らない新人さんもいらっしゃり、先輩方の背中を見れない時期もあったけれど、今はようやくみんな一緒の場所での収録ができるようになって、いい時間になっているのではないかなと。

――間隔を開けずに収録ができていると、環の声をチューニングする、ということもせずにいられた?

KENN コンスタントに役にも歌い方にも向き合っていたので、そこで改めて予習復習するということもそれほどなく、スッとできたイメージですね。

――少し話を戻させていただくと、前作以降、IDOLiSH7は単独ライブ、TVアニメ『アイドリッシュセブン Third BEAT!』第2クール、“BLACK or WHITE LIVE SHOWDOWN 2022”、そして『劇場版アイドリッシュセブン LIVE 4bit BEYOND THE PERiOD』(以下、『ムビナナ』)のスマッシュヒット&ロングラン、さらに全国ツアー「アイドリッシュセブン VISIBLIVE TOUR“Good 4 You”」(以下、「G4Y」)や“BLACK or WHITE COUNTDOWN 2023”の開催と精力的に展開を広げていました。この間に印象に残っていることを教えていただけますか。

KENN 『ムビナナ』はおかげさまでたくさんの方に観に来ていただけて、僕らもたくさん舞台挨拶をやらせてもらいました。楽曲は『ムビナナ』の収録よりも前に録ったものが多くて、僕らがやったことと言えばMCの部分を録るという関わり方がほとんどだったので、出来上がりを観て「ここはこういう演出になっているんだ!」「ここはこの2人が一瞬目が合って、こっちに行くのか!」「階段がすごい!」と、いち視聴者として驚きましたね。収録のときに全部観れていたわけではなかったので、あとになってその凄まじさを感じました。自分が活動するにあたって印象的だったのはやっぱり単独ライブ「IDOLiSH7 LIVE BEYOND“Op.7”」(以下、「Op.7」)。それからニューヨークに行ったことですね。「Op.7」でよく覚えているのはリハーサルですね。当時寒いなか、スタッフさんたちがリハーサルで舞台セットをほぼ実尺で作ってくれていたんですが、そこで頑張ってくださっているスタッフさんの姿が印象に残っていて。そのなかで僕らはフリやフォーメーションを確認して、休憩中の食事のときには休憩室でみんなと談笑したりして。そうやって作っていったライブで、演出もこれまでより進化して、LEDを駆使したりしていて、すごかったので印象に残ってます。あと、ライブで言うと「G4Y」もすごかったですね。まるでそこにいるようなアプローチで、かっこ良かったです。

――先ほどおっしゃっていたニューヨークというのは「Anime NYC 2023」で行われた『ムビナナ』のトークショー付き上映会ですね。

KENN はい、めちゃくちゃ熱狂的でした。それこそ色んな国の方が来てくださいましたし、ほぼほぼ日本語をわかってくださっていた印象でした。阿部(敦)さんと僕が登壇した会場もかなりの席数のある場所だったのですが、ありがたいことに席も埋まっていましたし、サイン会もあったので1人1人と少しだけお話できるタイミングもあり、皆さんからの熱狂的な言葉も掛けていただきました。あとはコスプレしている人もたくさんいましたし、海外のライターの方からのインタビューでも『アイドリッシュセブン』(以下、『アイナナ』)を熟知してくださっているんだというのが伝わり、本当に愛されているんだなと現地に行って再確認できたことは本当に幸せでした。僕はニューヨークが初めてだったので、少し観光もさせていただけて、仕事もそれ以外の時間も充実していて楽しかったです。

新しいIDOLiSH7とこれまでと変わらないIDOLiSH7

――その2年10ヵ月という時間をパッケージしたニューアルバム“LEADiNG TONE”に収録されている新曲とグループ記念日曲について伺っていきたいと思います。まずは新曲「Crz Love」です。先ほどもお話されていたように新しいIDOLiSH7を感じさせる1曲になっていますね。

KENN これは大人っぽい恋愛の曲で、楽曲がすごく引っ張っていってくれたなというイメージです。英語の部分も大事にしていまして、メンバーそれぞれの言い方のバランスもあると思うのですが、こういう楽曲に求めてられているのはネイティブすぎてもダメだし、カタカナすぎてもニュアンスが変わってしまうと思っていて、横文字を言うときにはその都度どれくらいの英語感でいけばよいのか相談しながらやっています。といいつつ、「よし、この感じにしよう」と指針を決めて、レコーディングの最初に「Feel so bad」のところを歌ったら、少しかっこつけすぎてしまって、badすぎる感じになっちゃったので、マイルドな感じにして、(六弥)ナギっちとヤマさん(二階堂大和)と調和がとれるような「Feel so bad」にしていきました。

――もう1曲の新曲「BE WITH YOU」はいかがでしたか?

KENN これも恋愛ソングでちょっと柔らかい感じがありますね。こういう温かい雰囲気のある曲をIDOLiSH7として歌わせていただけることがとても嬉しいです。柔らかい感じの中でもラップがありますし、英語の「Wanna be with you」というフレーズが頻繁に出てくるので、ここもどれくらいバランスをとればいいのかを相談しながらやらせてもらいました。これ、“with”と“you”の間に少し間があるんです。これまで僕が歌ってきた英語にはない感じだったので、新鮮でした。これはインタレスティングポイントだったので注目して聴いてもらいたいです。

――IDOLiSH7はグループ記念日曲がありますが、今作は2年10ヵ月振りということで3年分の楽曲が収録されています。まずは2022年に届けられた「HELLO CALLiNG」についてお聞かせください。

KENN これ、すごく好きだなあ。デジタルな音色が多いのですが、空間を支配している感じがありますよね。エコーの効き方もパンの振り方も。一瞬でその世界に没入できるところから始まって、セリフのような掛け合いで歌っていくのも新鮮でした。ミュージカルのような、お互いにセリフっぽいフレーズを掛け合うのは珍しいですよね。

――続いて2023年は「Day/Night DiSCO」でした。

KENN ノリノリですね。「NAGISA Night Temperature」に通じる感じがして、大好きです。これは“方法論なんていらないよ まるごと全部 Highlight”っていう歌詞の部分のメロディがお洒落なんです。特に“いらないよ”と“Highlight”の部分の音の動きが違うのがお洒落だなと思いましたし、IDOLiSH7のメンバーたちはこういう部分も素敵に表現できるようになったんだな、と勝手に思っています。彼らが過ごしてきた時間と想いによって、こういう曲も気張らずに歌えるようになったんだなあと感じますね。

――そして2024年の「MEDiUM」は「MEDiUM -Extended Mix-」として収録されています。

KENN 僕はこの世界観が大好きでして、まずイントロから好きになりました。時計の針のような音も入っていますし、ゴシックホラーのような世界観を感じるんでよすね。耽美な感じがありつつもミュージカル的な世界観でもあったので、ノリノリで歌い上げたかったんですが、ちゃんと環らしさを守りつつ歌わないとと意識をしながら歌った思い出があります。

――今、伺った楽曲以外の収録曲で思い出に残っている曲や思い入れのある曲があれば教えてください。

KENN 全部が思い入れある曲ですし思い出深いですが、しいてあげるなら「マロウブルー」です。ストーリーを追いかけてくださっている方は聴くと切ない気持ちになると聞きますが、そのなかで前向きな言葉もあるんですよね。“あぁ 世界は音もなく 色を変えていく今日もあしたもきっと”や“僕らは未来へ行かなくちゃ 弱気にはもうサヨナラ ふりむかない”にしても歌もコード進行も前向きに上がっていくんです。1つずつ上がっていくコード進行は元々好きなので、歌っていてグッときました。あとは「アヤナスピネル」かな。ちょっとテクニカルなエレピと歌から始まるんですけど、初期のIDOLiSH7には歌いこなせなかっただろうなというちょっと成長した感じを受けました。

次のページ:環の成長を温度感で表現

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