TikTokやYouTubeを軸に音楽活動を展開し、多くのオリジナル曲、カバー曲で支持を受ける、“女の子担当”のボーカル・りみーと、音楽面を担うギタリストで“女の子以外担当”のとくみくすによる人気ユニット・ASOBI同盟。2024年11月13日発売のニューシングルは、現在放送中のTVアニメ『合コンに行ったら女がいなかった話』EDテーマ「王様だーれだっ」と、なすお☆が手がけたOPテーマ「メリーゴーランドタイム」を豪華にカップリング! たくさんのこだわりを詰め込み、親友でもあるなすお☆とMVでのコラボも実現した「王様だーれだっ」について、りみーととくみくすの2人が語ってくれた。
INTERVIEW & TEXT BY 阿部美香
――最新曲「王様だーれだっ」のCDは、レーベルメイトのなすお☆さんとの両A面シングルとしてのリリースになりました。ASOBI同盟となすお☆さんとは、昔から大の仲良しなんですよね?
りみー はい! もう「親友」の一言に尽きるんですけど、元々は、私ととくみくすにとってなすお☆さんは事務所(ArtPoolRecords)の先輩なので、こうやってコラボをさせてもらったり、この間のように過去最大のワンマンライブ(「なすお☆ワンマンライブ2024 “なすプラネット”」@新宿ReNY)にゲストで出られるとは、正直、出会った当時は全然思ってませんでした。こんなに3人で仲良くなれるとも想像していなかったので、なんか不思議な感じですね。なすお☆さんは尊敬する人であり、一番仲良しの友達であり、一緒に頑張る仲間だけどライバルでもあり……すごくいい関係を作らせてもらってます。
とくみくす 確かに、なすお☆さんはめっちゃ先輩なんですけど、同時にめっちゃ友達!って感じなんですよ。一緒にいるとすぐふざけちゃうし、音楽では一緒に部屋に籠もって曲作りの作業もやりますしね。
――今回は、なすお☆さんのインタビューでもASOBI同盟との関係について、話してもらってるんですよ。
とくみくす わっ、どんな話してくれたんやろ(笑)。
りみー 暴露かな?(笑)。
――残念ながら暴露話じゃなく、とても楽しいお話でした(笑)。なのでASOBI同盟サイドは、少し視点を変えたお話を。なすお☆さんのアーティストとしての魅力を、どんなところに感じていますか?
とくみくす 僕はやっぱり音楽制作面で尊敬してる部分が多くて、何より作詞が強いですよね。なすお☆さんの歌詞にはしっかりキャラクターがあって、世界観もストーリーもすごくあるけど、説明臭くないというのがすごいですよね。
――ASOBI同盟も、男女の視点で進んでいく世界観、物語性の強さと遊び心ある曲づくりがお得意ですから、なすお☆さんのアーティスト性と近しい部分は多いですよね。だから公私共に仲良しなのだと思いますが、そんななすお☆さんと『合コンに行ったら女がいなかった話』でOP/EDを一緒に担当すると聞いた時は、どう思いました?
りみー 確か、なすちゃん(なすお☆)とみんなで一緒に聞いたんです、事務所で社長(山下太朗)から。1つの部屋に集められたから「何を言われるんだろう?」とドキドキしたし、「なんなん!? このメンツで!」みたいな。
――偉い人に怒られる?みたいな?(笑)。
りみー あはは(笑)、そうですね。ほんとに予想がつかなくて、すごい緊張感があったんですけど……聞いた瞬間、すごく嬉しかったですね。
とくみくす TVアニメのタイアップ自体は、「誰も彼も何処も何も知らない」(『天国大魔境』EDテーマ)や「結婚行進曲」(『夜桜さんちの大作戦』EDテーマ)でも経験させてもらいましたけど、同じ事務所の仲間でOPとEDで一緒に絡めるなんて、自分が想像しているよりもちょっとすごすぎる機会じゃないか!と、すごく嬉しかったです。
――『合コンに行ったら女がいなかった話』という作品のことは、ご存じでした?
りみー 前からずっと大好きでした! なので主題歌の話を聞いた時も「合コン!? あの『合コン』?!」ってびっくりして、なおさら嬉しかったのを覚えてます。何より、男の子も女の子もキュンキュンできる作品っていうところがいいですよね。女の子目線に寄っている少女漫画、男の子目線で描かれている少年漫画のラブコメと比べると、この作品にはそういう境目がなくて、男装女子たちがいつ女の子の姿になるんだろう?とか、男の子姿と女の子姿の違いでのドキドキもあるから大好きです。
とくみくす 僕はSNSで漫画を見たことがあって、お話をいただいてからしっかり読ませてもらいました。りみーが言うように、僕もラブコメは好きですけど、そういえばラブコメって男性向けと女性向けに結構分かれてて。でもこの作品は、色んな方向から刺さる人がいるんだろうなと思いますね。男性読者からすると、男装から女の子の姿になった時にはすごいテンション上がりました(笑)。
りみー そうなんだ(笑)。アニメもほんとに面白くて、第3話の蘇芳ちゃんと常盤くんの居酒屋のシーンとか、ヤバかったです!
とくみくす 僕なんかは、ただの原作ファンとしてアニメが始まるのを楽しみにしていて。いつも通り配信のほうで、第1話も普通にご飯を食べながら観たんです。そのうち、気がついたらEDテーマが流れてきて「あれ?これ、自分たちの声や!」と不思議な感覚で。「こんなに嬉しいことあるんやな!」と、ようやくちゃんと自覚しました(笑)。
――「王様だーれだっ」は、『合コンに行ったら女がいなかった話』の物語の始まりである男子と男装女子の「合コン」の雰囲気を、歌詞や賑やかな曲調からもイメージする楽曲になりましたね。
りみー はい、やっぱり「合コン」はキーワードになりました。
とくみくす お話にも出てきましたけど、合コンといえば「王様ゲーム」というイメージが強くて。でも、意外とこの作品に合コンの場面そのものは少ないので、合コンからイメージされる男女キャラみんなの「ごちゃごちゃ感」を曲にしたいと思ったんです。例えば1番のAメロでは、僕とりみーが左右のチャンネルに分かれて、同時に男女の気持ちを歌ってたり。
――ASOBI同盟の武器ですよね、同じパートで同時に男女が違うフレーズを歌ったり、男女のセリフの掛け合いが多用されるのは。
とくみくす そうなんです。そういう僕らならではの要素を含めて、「ごちゃごちゃ感」というテーマを音楽に落とし込むなら、メロディーや伴奏の面白さ、リズムがずれていってるような感じとかで、作品のキャラクターたちとの親和性が作れればいいなと思いました。
――「王様だーれだっ」という言葉自体は、王様ゲームの定番の合い言葉ですけど……この曲の歌詞は、恋する男の子と女の子がお互いへの気持ちを高めながら、さて、どっちが恋愛の主導権を取るのか?というストーリーがありますよね。そういう意味でも「王様だーれだっ」って、すごくいいタイトルですし、りみーさんととくみくすさんのメロの掛け合いもサウンドも、めちゃめちゃ楽しい曲ですね。
りみー はい、ありがとうございます!
――ちなみにお二人は、合コン経験は?
りみー 実はまだ行ったことがないんですよ~。なすちゃんも未経験なので、一度くらいは2人で行ってみる?って話してました(笑)。多分、合コンとなると男の子から反応がいい服装とか意識することになるだろうから、そういうの考えるのは面白そうですよね!
とくみくす 僕は大学時代に何回か、友達に呼ばれて行ったことだけはあるものの、全然活躍できずで。王様ゲームもやったことないんですが、雰囲気くらいは曲に反映……できたかなぁ?(苦笑)。
――今回の楽曲は「作詞:りみー・とくみくす/作曲:とくみくす・りみー」とクレジットされていますが、いつも以上に共作度が高い?
とくみくす はい、そうでした。歌詞はセリフパートも含めてりみーがメインで、作曲は僕がメインではあるんですけど、例えば作曲にしても、りみーの言葉や出してくれるアイディアから、曲が膨らんでいくことが今回は特に大きかったです。そのアイディアを形にするために、転調したりテンポを落として拍子を変えたり、という作曲面のアレンジにも繋がっていきました。
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