待望の3rd Album“LEADiNG TONE”をリリースしたIDOLiSH7のキャスト連続インタビュー企画第3回目。2022年1月に発売された2nd Album“Opus”から2年10ヵ月の間に、アプリ『アイドリッシュセブン』の第6部完結、TVアニメ3期第2クールの放送や劇場ライブの開催、そして全国ツアーの開催など様々な展開を見せてきた。IDOLiSH7の音楽を聴くと、その時々の出来事や、彼らのドラマを思い出させるという。そう語るのは、二階堂大和とIDOLiSH7を見つめ続けた、白井悠介。白井が今作に見る、彼らの「変化」とは。そして、彼らと共に見たい「未来」とは――。
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INTERVIEW & TEXT BY 許士明香
――2nd Album“Opus”から2年10ヵ月の時を経て、ついに3rd Album“LEADiNG TONE”がリリースされます。
白井悠介 もう3年近く経っているんですよね。改めて聞くと、ちょっと驚きます。“Opus”を発売した年の12月にアプリ『アイドリッシュセブン』(以下、『アイナナ』)の第6部が完結して、その後も色々な展開をしていたので、空白期間は少なく、ずっと走り続けていた印象でした。なのであっという間のように感じるのかもしれません。
――この2年10ヵ月の間、IDOLiSH7は単独ライブ、TVアニメ『アイドリッシュセブン Third BEAT!』第2クール、“BLACK or WHITE LIVE SHOWDOWN 2022”、そして『劇場版アイドリッシュセブン LIVE 4bit BEYOND THE PERiOD』(以下、『ムビナナ』)のスマッシュヒット&ロングラン、さらに全国ツアー「アイドリッシュセブン VISIBLIVE TOUR“Good 4 You”」(以下、「G4Y」)や“BLACK or WHITE COUNTDOWN 2023”の開催と精力的に展開を広げていました。IDOLiSH7のキャストをご担当されているうえで印象に残っていることは何でしょうか?
白井 どれも思い出深いけれど、『ムビナナ』ですかね。『ムビナナ』は映画を観に行くというよりも、ライブに行くような感覚で、ものすごく新鮮でした。しかも足を運んでくれるお客さんがたくさんいて、なかには何回も、何十回も観てくださった方が大勢いたんですよ。
――応援上映もあり、かなりの盛り上がりでしたね。
白井 普通のライブだと、同じライブに何度も入ることってできないじゃないですか。ツアーを全部回ったとしても、限界がある。何度も会いたい時に会いにいけるのは、劇場ライブならではの魅力だと思ったし、何より何度も観たいと思うほどにクオリティが高くて……!僕も劇場で感動しながら観入っていました。
――『ムビナナ』は、アプリ第6部の続きという位置にあたるんですよね。
白井 そうなんです。だからこそ、感慨深くもありましたね。ありのままの今を楽しんで、キラキラしている彼らを見て、ファン目線で応援する気持ちと同時になんだか親のような気持ちになって、「良かったねえ」としみじみしちゃいました(笑)。ライブ中のMCで、ほかのグループとやりとりするシーンもあったのですが、初期の頃を思い出すとすごい変化だなと改めて思ったりもして。色々なことを超えてきたからこそ、4グループが同じステージで一緒に歌えている。じーんときちゃいます。
――今回のアルバムには、『ムビナナ』でIDOLiSH7が初披露した楽曲「NiGHTFALL」も収録されています。収録曲のラインナップを改めて見ていかがですか?
白井 色々なテイストの曲が収録されていて、音楽的な振り幅の大きさを感じました。『アイナナ』は現在9周年イヤーで、10年目の年になります。やっぱり積み重ねたものと時間が、奥行きを出してくれているんでしょうね。特に「Crz Love」は、今回のアルバムの中でも印象的です。
――たくさんの楽曲を収録した今作から、新曲とグループ記念日楽曲について伺います。まずは今、お話にも出てきた新曲「Crz Love」についてお聞かせください。
白井 まさに大人の恋愛ソング。なんとIDOLiSH7が「愛してたって戻れない関係」と歌っているんですよ!「君たち、こんな大人な歌詞も歌えるようになったのね」と感激しました。ただ、大和はグループの中で最年長ですから、腕の見せ場です。レコーディングでは、大和の色気をどのように出していくのかを考えていきました。あと、今回はフェイクも担当しているんですよ。みんな気づいてくれるかな……ファルセットを効かせているから、判別が難しいかもしれませんね(笑)。ちなみにフェイクを入れているのは、ラスサビの部分です。大和にはめずらしい試みだったので、ぜひそこにも注目してほしいですね。
――もう1つの新曲「BE WITH YOU」はどのような曲ですか?
白井 こちらも恋愛の曲になります。しっとりした曲調だけど、「Crz love」とは違い、どこか子供っぽさが滲んでいるのが特徴。「だってだってこんなに僕は頑張っているのに」とか「サンタさんに書いた手紙」とか、言葉選びがかわいいんですよ。同じ恋愛の曲でも、ギャップがあっていいですよね。ちなみにこれは冬の曲なんです。クリスマスまであと1ヵ月と少しという時期ですし、少しずつ寒くなっていく今にぴったりだなあと思います。
――IDOLiSH7記念日の6月10日に配信された曲も、このアルバムに3曲収録されていますね。
白井 「HELLO CALLiNG」は2022年の記念日楽曲……って、もう2年前になるんですね!メンバー同士が会話をしているようなAメロから始まるのが印象的です。サビが独特なのもいいし、2番になるとちょっと雰囲気が変わるのも好きですね。この曲は、等身大のIDOLiSH7を感じられます。
――2023年にリリースされた記念日楽曲「Day/Night DiSCO」についてはいかがでしょう?
白井 僕、この曲がめちゃくちゃ好きなんですよ。初っ端、サビからスタートするので、最初から乗れる感じ。ディスコにいるとこんな感覚になるんですかね。聴いているだけで自然と体が動くんですよ。この曲は日常で聴くのもお薦めで、「よし、今日もやりますか」と元気が自然と湧いてきます。パフォーマンス映像の7人も、めちゃくちゃ楽しそうなのもいいですよね。
――「MEDiUM -Extended Mix-」は、2024年の『Group Anniversary 2024 Song & Story』の第2弾として公開された「MEDiUM」のMIXですね。
白井 実は先に「MEDiUM」の歌詞と曲を受け取ったので、最初はちょっと驚いたんです。「ものすごく語っているけれど、なんなんだろう?」って(笑)。でも、企画やこの楽曲で描かれている内容を聞いて納得。「MEDiUM」の物語が、ぎゅっと凝縮されているんですよね。
――大和は「MEDiUM」の物語に、人形使いとして登場するんですよね。
白井 そうなんです。ほかの6人もそれぞれ役が与えられていて。歌で物語が語られているので、聴き終わると、観劇後のような気持ちになるんですよ。こういう劇中劇みたいなものって面白いですよね。欲を言うと、もっとこの世界のお話も見てみたいなあと思わされたり。このお話は、考察しがい、妄想しがいがあると感じましたから。
――今お話ししていただいた楽曲以外の収録曲で、特に思い出に残っている曲や思い入れある曲について教えてください。
白井 やっぱり「TOMORROW EViDENCE」は特別に感じますね。アプリの第6部で、IDOLiSH7がこの曲を引っさげて「BLACK or WHITE COUNTDOWN 2023」(劇中の年末恒例音楽番組・通称ブラホワ)に臨んだんです。
――この曲は劇中では、逢坂壮五が作曲し、四葉環が振付を務めた楽曲でもあります。
白井 そうなんです。IDOLiSH7らしい歌詞やメロディがこれまでの軌跡を思い出させてきて、もうぐっとくるどころじゃありませんでしたね。実はこの曲をレコーディングする時には、この第6部で『アイナナ』が1つの着地点を迎えると聞かされていたんです。色々なことがあって、その決着が目前なのかと思うと、良かったなあと思うと同時に、なんだか寂しい気持ちになっちゃって。未来に向かって幸せになろうよっていう歌詞でとても明るい曲なのに、泣けてきちゃって、感情がごちゃごちゃになりました。
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