待望の3rd Album“LEADiNG TONE”をリリースするIDOLiSH7のキャスト連続インタビューがスタート!アイドルとして、天性の“訴求力”を持つと言われるIDOLiSH7の七瀬 陸。素直で優しく、人から愛される存在であり、聴く者の心を動かす圧倒的な歌唱力を持つ彼を演じるのは小野賢章。自身がこの10年積んできた経験がそのまま陸の成長として声に載ると話す小野。アルバムからこれまでとこれからのIDOLiSH7を感じたという彼が思う“LEADiNG TONE”。
INTERVIEW & TEXT BYえびさわなち
――前作の2nd Album“Opus”が発売されたのは2022年1月でした。その発売から2年10ヵ月ぶりとなる3rd Album“LEADiNG TONE”が完成しました。この2年10ヵ月はどんな時間でしたか?
小野賢章 最近はほぼコロナ禍以前の状態と同じように色々なことがやれるようになってきていますけれど、約3年前はまだまだ「これからどうするんだ」みたいなものが全然定まっていないような時期でしたね。そんななかでも今まで通りにやれることはやっていた、目の前にあることに対して一生懸命に向き合う時間でした。激変する環境に慣れていく時間でもあったように思います。
――そんな2年10ヵ月の間にIDOLiSH7は単独ライブ、TVアニメ『アイドリッシュセブン Third BEAT!』第2クールの放送、“BLACK or WHITE LIVE SHOWDOWN 2022”の開催、そして『劇場版アイドリッシュセブン LIVE 4bit BEYOND THE PERiOD』(以下、『ムビナナ』)のスマッシュヒット&ロングラン、さらに全国ツアー「アイドリッシュセブン VISIBLIVE TOUR“Good 4 You”」(以下、「G4Y」)の開催、“BLACK or WHITE COUNTDOWN 2023”の開催と精力的に展開を広げていました。IDOLiSH7のキャストを担当されるなかで印象に残っていることを教えてください。
小野 ということは「IDOLiSH7 LIVE BEYOND “Op.7” 」(以下、「Op.7」)はまだ2年前?
――2022年1月にさいたまスーパーアリーナで2DAYS開催されていますね。
小野 もっと前に感じます。アニメのアフレコも2年も経つんですか?そちらはもっと最近のことのように感じます。
――『ムビナナ』のMCのアフレコや「G4Y」のアフレコなどもあったから、そんなに時間が経ったように感じないのかもしれないですね。
小野 そうかもしれません。「G4Y」のMCは全国分あったのでめちゃくちゃ大変でした。『ムビナナ』もMCで何を話すか、というところや話をしていないときのリアクションも収録していたので、それはそれで難しかった印象があります。楽曲中の盛り上げの「ヘイ!ヘイ!」みたいな掛け声など細かく録るところもあったので。ここは声を入れる、ここは入れないといったことを細かくやっていった記憶があります。
――「MCで何を話すか」というお話ですが、話すことについては台本があったのでしょうか?それとも自由に、委ねられていたのでしょうか?
小野 ほとんど「自由にやってください」だったように思います。台本に書かれていない部分が大部分でした。
――その『ムビナナ』が超ロングラン、そしてスマッシュヒットしている様子をどのように感じていらっしゃいましたか?
小野 頑張った甲斐があったなって感じていました。あと、「劇場ライブ開催1周年記念」というイベントをしたのは初めてのことだったので、すごくありがたいなと。しかもどんどん興行収入が重なっていったんですよね。最初は冗談で「やっぱり『アイドリッシュセブン』(以下、『アイナナ』)だから17億だよね」って言っていましたが、実際にはその金額を達成してからさらに大きく伸びていきましたから。皆さんの応援を強く感じましたし、すごく嬉しかったです。
――そんな時間を経て3rd Album“LEADiNG TONE”のリリースとなります。今のお気持ち、リリースへの感想をお聞かせください。
小野 最初に思ったのは「もう3枚目か」でした。『アイナナ』全体でアルバムを出したり、楽曲を出す機会などはあったのですが、IDOLiSH7というグループでのアルバムリリースは、長いスパンで作ってきたものを集結させてリリースさせるという印象があるので、嬉しさはあります。
――アーティストは1st Albumが「これからこういう色を見せていきますよ」という内容で、2nd Albumはその色を濃くしたもの、3rd Albumでは「こんなことも出来る」と幅を感じるものにする、と言われます。
小野 確かにそれを聞くと、IDOLiSH7としてまさにその通りのアルバムを作っているなと感じますね。
――前作以降の2年10ヵ月という時間をパッケージしたようなニューアルバムの収録曲から、今回は新曲とグループ記念日楽曲について伺っていきたいと思います。まずは新曲「Crz Love」ですが、最初に聴いた際にどんな印象を受けましたか?また、歌ってみての感想もお願いします。
小野 「Crz Love」と(もう1曲の新曲)「BE WITH YOU」に関しては歌詞が印象的ですね。今までは歌詞では、対象を1人に絞らずみんなに向けて歌っている印象のものが多かったんです。それに対して、新曲はどちらもだれかに対して歌っている感覚があるので、「攻めたなあ」と思いました。特に「Crz Love」が強く出ていますが。今までのIDOLiSH7だと「聴いていて元気になる」「明日も頑張ろう」と思える曲が多かったのですが、この曲は聴いたときにファンのみんなはどんなことを感じるのかな?という興味がすごくあります。どんな反応をしてくれるんだろう、と楽しみな曲です。
――「BE WITH YOU」はどうでしょうか?
小野 「BE WITH YOU」のほうが、片思いの印象がありますし、具体的にイメージが浮かぶ言葉が出てくるので、情景が浮かび上がりそうですよね。あとはこの曲はラップがあるので、そこはこの曲の楽しんでもらえる部分かなと思います。
――進み始めたばかりの頃のIDOLiSH7では歌えなかったであろう曲ですよね。
小野 それはすごく感じます。そういう意味でもこの2曲は新しいですよね。キー的な話をすると、陸にしては低いところだなという印象があって、低くなるとどうしても声が太くなりやすいんですが、「こんな曲、陸は歌えないよ」ということもなくやりました。それは時間が経過したことが大きかったと思います。アルバムも3枚目になってきてIDOLiSH7も9周年というところですし、その辺りの表現は陸もできるようになってきているであろうという個人的な解釈もありました。
――そしてファンの皆さんが楽しみにしているグループ記念日楽曲もアルバムには3曲収録されています。まずは2022年のグループ記念日楽曲「HELLO CALLiNG」です。こちらの印象をお聞かせください。
小野 事前の練習で一番掴みづらかったのがこの「HELLO CALLiNG」です。サビのリズムの取り方が難しくて苦労した印象があります。でもこの曲もすごく前向きで。初めて出会って「見つけてくれてありがとう」「出会ってくれてありがとう」という想いを感じました。その辺りはグループ記念日楽曲にぴったりでした。
――7周年のグループ記念日の楽曲ということで、IDOLiSH7のファンの皆さんも楽しみにしていた1曲でしたよね。
小野 歌い出しの“遠くまで来たよ”も7年という月日を感じましたよね。でもその7年を「すごく時間が経ったな」と思う人もいれば、「え!?もう7年なの?」と思う人もいる。”遠くまで来たよ や、そうでもないよ“という歌い出しの一文だけで、長い人も短い人もいるってことを、表現できているのはすごいなと思います。そういうものも全部、考察しがいのある曲です。
――翌2023年はグループ記念日楽曲「Day/Night DiSCO」を届けました。こちらの曲はいかがですか?
小野 この曲は割と、いつものIDOLiSH7に近めな、みんなで楽しく遊ぼうよという印象を受ける曲です。ライブで歌うと盛り上がりそう。ただディスコって、大人になったなって感じるポイントではありました(笑)。大人にならないと遊びにいけない場所というイメージもあるかとも思うのですが、それを歌詞に入れているところに、ここから大人な曲もだんだん歌っていくよ、という匂わせではないですが……その雰囲気をちょっと入れていたのかな、と今になって振り返ってみると感じます。……って、全然見当違いかもしれないですけど(笑)。
――そして2024年は「MEDiUM」です。アルバムには「MEDiUM -Extended Mix-」として収録されています。こちらの曲の印象をお聞かせください。
小野 これはまたガラっと雰囲気が変わりましたね。これはこの曲だけで世界観を完成させているように思いました。世界観がしっかりとあって、この曲はこういう曲ですという設定もあって、それぞれがどういう役なのかも決まっていましたから、1つの世界として歌を完成させたという印象です。
――この曲から占う9周年のIDOLiSH7はどんな姿を見せると感じますか?
小野 エンターテインメントを強く意識しているのかな。第6部でTRIGGERがゼロの舞台をやっていましたし、ライブだけではない舞台も含めた色んなエンターテインメントがあることを、曲に要素として込めたのかもしれないなと思いました。
――今、お話いただいた楽曲以外の収録曲で思い出に残っている曲や思い入れのある曲があれば教えてください。
小野 「WONDER LiGHT」かなあ。個人的にすごく好きな曲です。Ayaseさんの作る曲は口ずさみたくなるんです。その印象がとても強かったです。メロディもキャッチーで覚えやすいのもあって、ずっと歌いたくなるような感じだなと思いました。(江口)拓也くんと仕事帰りの車の中で聴いていたことを思い出しました。
――AyaseさんがIDOLiSH7に楽曲提供をした、という驚きがありましたね。
小野 そうですね。Ayaseさんの普段の活動が感じられるような楽曲でした。
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