最後の挨拶として、「同志の皆さまの健やかなる生活」と「上坂すみれさんのがっぽり儲けちゃう人生」を祈って再び乾杯を交わすと、「振り返ると泣いてしまいそうなときってない？私が今そうなんだけど」と切り出したあと、上坂は10年前の自分を振り返っていく。いつまでもヲタクでいられる職業として声優を選んだが、当時は大学を卒業する頃で、仕事がたくさんほしい気持ちはあったが、アーティスト活動はエンタメをやるという決意のもとのスタートではなかった。だが、本当に人見知りで、自分のことにも自信がなく、ロリータやアニメが好きなのは、自分じゃないものになりたいなという気持ちが強かったため。「一緒の方向を向いてくれている」と感じられる「まさに“同志”の存在を感じ、会えること」に励まされて続けてこられたことを話していく（※一部上坂のMCより）。その言葉に同志がエールを送ると、「私のことを好きかも……、みんな」とつぶやく上坂。すると会場はさらに強い反応を示し、「大好きだよ」の声が次々と巻き起こる。上坂も「大好きだよ」と返すと、「好きって言ってくれる人がいて、私はめちゃくちゃ助けられている」「だから今日は、いっぱいいっぱい本当にありがとう！」と叫んだ。さらに、「人生でつらいことはありますか？」「でも私と一緒に楽しい時間を作ることは可能ですか？」と問いかけた上坂に満場一致で同意の声を挙げる同志。それを聞いた上坂は、「本当は自信もないし照れ屋だし、酔ったら急に喋り出すし、毎日ドキドキしながら生きてるんだけど、これからもそういう私の背中を押してもらってもいいですか？」と重ね、今度は会場全体から温かい拍手を得た。「ありがと」と「みんなが私の生命力、私の体力ゲージ」と続けたあと、上坂は大きな声で告げる。「素敵な曲がありますので、いっぱいいっぱい毎日毎日ありがとう、毎秒毎秒ありがとう、の気持ちを込めて歌います。ファーストピリオド.！」。

敬慕する桃井はるこから10周年にあたって贈られた曲を歌い上げ、1人では何もできないけれど負けない気持ち、ありがとうの気持ちを胸にまたここから歩き出す決意を同志に示した。落ちサビ前には「わかってると思うけど！みんなのこと大好きだよ!!」と叫び、曲のラストは「みんなで！」の声かけから「ハッピー ファーストピリオド.」「Oh Oh」のコール＆レスポンス。その2分半は上坂と同志だけが存在する空間だった。歌い終えてもまだ伝え足りない想いから「好きだーっ!!」と感情を爆発させた上坂は、正真正銘のラストソングとして1stアルバムのタイトル曲「革命的ブロードウェイ主義者同盟」を。ステージ上で熱唱する上坂と演奏陣に力強い拳と「オイオイ！」で応える会場。その姿は10年の間に力強さを増し、より心が1つとなっている。宴の終わりの会場には銀テープが舞った。そこには「上坂さんは同志が!!大好きなんだぞ～～!!これからも今もっ！」の文字が。不器用だから重いくらいに「好き」の言葉を繰り返す上坂を受け止める同志の様子は愛に満ちている。ちなみに銀テープは、手に入れそこねた者がいないように会場スタッフによって会場内や出口で配布される配慮もなされていた。記念撮影のあと、上坂のライブではお馴染みのスローガンでライブを締め括った。「生産！　団結！　反抑圧！」。3度の唱和の最後は「反抑あぁぁぁーっつ!!」ともはや絶叫と化していた。そして上坂の口から放たれる「解散!!!」。

声優アーティストとして10年の間、常に話題を振りまき、人気を集めてきた上坂だが、同時に声優としてもラム（『うる星やつら』）に限らず、花園羽々里（『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』）やアリサ・ミハイロヴナ・九条（『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』）など、近年だけでも数多くの人気キャラクターを演じており、“声優”“アーティスト”としては文字通りトップ中のトップランナーである。にもかかわらず、ライブでクレープを焼いたりコミックスをばらまいたりしていた頃同様、独自のパフォーマンスを披露し、アーティストしての技量も楽曲の幅も広げてきた。だからこそ、今も変わらずアットホームな雰囲気を保っている。上坂がはしゃぐ姿をまた見に来たくなるライブであり、何よりも、アーティストと共に汗をかき、精魂尽き果てるまではしゃいだあとに聞く「解散!!!」の声は心地が良いのだ。

＜セットリスト＞
『SUMIRE UESAKA BEST TOUR 2024すみぺの大理論』
日程：2024年10月12日（土）OPEN16:00 START17:00
場所：東京都 LINE CUBE SHIBUYA（渋谷公会堂）

M0:予感
M1:七つの海よりキミの海
M2:来たれ！暁の同志
M3:ディア・パンタレイ
MC①
M4:ボン♡キュッ♡ボンは彼のモノ♡
M5:ハッピーエンドプリンセス
M6:生活こんきゅーダメディネロ
MC②
M7:恋する図形(cubic futurismo)
M8:テトリアシトリ
幕間映像
M9:POP TEAM EPIC
M10:ネオ東京唱歌
MC③
M11:KOUTOU TIGER
M12:すーぱー呂布呂布ぱらだいす！
M13:ウエサカダイナミック
M14:パララックス・ビュー
バンド演奏(予感02～予感2.5～予感3～予感(Extra stage))
M15:見参！革ブロ☆ふぉーえばー
MC④
M16:Inner Urge
M17:ヤバイ〇〇(BAND inst)
M18:メドレー
（♡をつければかわいかろう～海風のモノローグ～よっぱらっぴ☆）
M19:げんし、女子は、たいようだった。
M20:EASY LOVE
エンドロール

アンコール
EN1: ソライロ(Acoustic ver.)
MC⑤
EN2: ファーストピリオド.
EN3: 革命的ブロードウェイ主義者同盟

関連リンク

上坂すみれ 公式サイト
http://king-cr.jp/artist/uesakasumire

ベストアルバム『SUMIRE CATALOG』特設サイト
https://king-cr.jp/uesakasumire_sumire_catalog/

上坂すみれ 公式X
https://twitter.com/uesaka_official

上坂すみれ 公式YouTube
https://www.youtube.com/@uesakasumire