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REPORT

2024.11.07

上坂すみれ、10年連れ添った“同志”たちとアニバーサリーを祝う!“SUMIRE UESAKA BEST TOUR 2024 すみぺの大理論 supported by animelo”ツアーファイナルを振り返る。

上坂すみれ、10年連れ添った“同志”たちとアニバーサリーを祝う!“SUMIRE UESAKA BEST TOUR 2024 すみぺの大理論 supported by animelo”ツアーファイナルを振り返る。

今年7月24日にベストアルバム『SUMIRE CATALOG』をリリースした上坂すみれ。10周年の軌跡を集結させたその1枚をベースに、9月28日に大阪、翌29日に愛知、そして10月12日には東京を巡るベストツアーを敢行した。回数を重ねるごとに、同志への愛情を素直に表現し、ライブでのはしゃぎっぷりが増してきた彼女。最終公演となる「“SUMIRE UESAKA BEST TOUR 2024 すみぺの大理論 supported by animelo”ツアーファイナル!」(とライブ冒頭で上坂は声を大にして振り立てた)はどのような宴となったのか、同志との絆に溢れた一夜を振り返ってみたい。

TEXT BY 清水耕司(セブンデイズウォー)

10年連れ添った“同志”の集いは「大好きだよ」がこだまするアットホームな会場に

上坂本人セレクトの開演前BGMに「17才」(森高千里)と『真・女神転生』が混在し、影アナも本人が諸注意などをフリートークを挟みながらアナウンス、カオスな空間が続くなか、ステージ中央に掲げられた“革ブロマーク”だけがライトに照らされながらツアーファイナルの始まりを待っていた。上坂すみれのライブといえば始まりはやはり、overtureにして入場曲の「予感」から。1stアルバムに収められ、以降バージョン違いをいくつも生み出したすみぺライブの代名詞的存在である。それに合わせて「同志」(上坂すみれファンの呼称)がペンライトを振りながら「オイ!オイ!」と声をあげ続けていると、ステージ中央の階段上に上坂が立ってポーズ。キツネ耳を付け、背中側は青いマントのような布が長く広がり、そこかしこに中華模様、という東京公演のみの衣装は、大阪での虎耳チャイナを思い出させつつ、名古屋での羊耳もこもこメイド服にも通じるかわいさが。階段を下りた上坂から発せられたのは「七つの海よりキミの海」。「むろみー」に合わせて親指で自分を指し、「パンパンパン」に合わせてヒップを叩き、そんな上坂に同志も熱狂を引き出される。続けて、上坂にとっては血液並みに身体を流れるユーロビートな楽曲でパラパラの振付を真似したくなる「来たれ!暁の同志」。そして、シンフォニックロックの要素を持ち、自身もイタコのアルミ・ニウムバーチ役で出演した『SHAMAN KING FLOWERS』のED主題歌「ディア・パンタレイ」へ。

最初のMCで上坂は、「かつて(ネット配信番組)『Lady Go!!』を卒業した」渋谷公会堂でいきなり下手から上手へ手を振りながら走りまくるはしゃぎっぷり。この夜はダンサーが帯同しているとのことで呼び込むと、露出度高めの4人が登場。「なるべく肌が出た感じのバニーちゃんで」という上坂の熱望を受けた4人と共に送るのはやはり「ボン♡キュッ♡ボンは彼のモノ♡」。ベースが楽器を下ろしキーボード2人体制で披露したあとは、お姉さま成分を受け継いで「ハッピーエンドプリンセス」に。さらに「生活こんきゅーダメディネロ」。続くMCでは、今回も設けられたペットボトルの水での乾杯タイムが。上坂はステージ上から客席に水の有無を問いかけ、前方の席に持っていない同志を見つけるとスタッフに余っているペットボトルがないかを確認。するとドラムの一Qが手元の1本を差し出し、会場スタッフを通じて同志に届けられた。このやり取りが、ホールクラスの箱で行われる奇跡!水分補給が無事行われたあとはエレクトロなポップスのターン。「恋する図形(cubic futurismo)」から、大阪では「繋がれ人、酔い痴れ人。」、名古屋では「ノーフューチャーバカンス」だったところを東京公演では「テトリアシトリ」が。どの曲も上坂らしく味と癖とキュートさがあり、エレクトロ縛りのライブも聴いてみたくなる。

次に用意されたのは恒例の幕間映像で、最初にライブで涙する上坂が映し出されたがこちらは、かつてキングレコードに存在し、アニメファンにはよく知られていたレーベル「スターチャイルド」が第三クリエイティブ本部と事業統合し、キング・アミューズメント・クリエイティブ本部へと生まれ変わる時期のもの。同志と「スター!」「チャイルドよ!」「永遠にー!!」と叫ぶ映像のあと、病院で目覚める上坂と看護婦2人(声:大塚芳忠、二役)のシーンに。この世界ではスタチャ消滅をきっかけに「サブスクをサブスクで洗う地獄の構造」と化しており、「護国寺魂」を注入された上坂が時空を正常な状態へ戻すことに。キングレコード公式キャラクターのきんくりん似の金駆麟(声:黒田崇矢)に懇願され、上坂が挑戦したのは、かつて原宿アストロホールでの“決起集会 vol.1 ~革命の色は苺に似たり~”で行った「クレープ作り」。あの伝説のコーナーの再現に、見守る同士が湧き上がる中、当時とあまり変わらぬクオリティでクレープを完成させ、堪能する上坂。最後は、キングレコード株式会社常務取締役・三嶋章夫から10周年に対するお祝いのメッセージビデオが流れたあと、衣装チェンジを経た上坂の「スタンダップ!」の声で同士が立ち上がり、後半戦へと突入した。

まず送り込んできたのは、バニーダンサーを率いての「POP TEAM EPIC」、ダンサーから受け取った旗を楽しそうに振りながら歌った「ネオ東京唱歌」。高揚感を高めたところでMCで前半戦の日替わり衣装と、着替え後のチェックのリボンいっぱいの衣装を説明し、「KOUTOU TIGER」の振りをレクチャー。会場全体をパラパラ会場化したあと、“虎”(=三国志における猛将)繋がりで「すーぱー呂布呂布ぱらだいす!」、歌詞に「虎視眈々」も現れる「ウエサカダイナミック」、「地獄に堕ちろー!」の掛け声から高速パンクの「パララックス・ビュー」へと結ぶハードなターンを駆け抜けた。

その流れで上坂のライブを支えるバンド「護国寺労働組合」<山下洋介(ken)、 渡辺裕太(g)、山田裕之(b)、一ノ瀬久(ds)>によって歴代の「予感」をメドレーで演奏。そこへ上坂が再々登場し、「見参!革ブロ☆ふぉーえばー」を、深紅のショートドレス、頭上には王冠のヘッドドレスという「革命的ブロードウェイ主義者同盟」のMVで(アニメの)上坂が着ていた衣装をオマージュした出で立ちで披露した。

曲終了後、上坂に対して同志から「かわいい」コールが連発されると、(気恥ずかしくて)「かわいい」を禁止にしている上坂はステージ上に倒れ込む。そのままMCを進行するも、同志から今度は声援が送られるとそのパワーで復活する……というツアーで繰り返してきたくだりを熱演。「蘇生ごっこ、楽しいね♪」と一体感溢れる会場とのやりとりを楽しんだ。その後も同志と触れ合いつつ、バンドメンバー紹介を経て、ライブのラストに向けて「Inner Urge」「ヤバイ〇〇(BAND inst)」、「♡をつければかわいかろう」「海風のモノローグ」「よっぱらっぴ☆」)メドレーと矢継ぎ早に送り込む。さらに「げんし、女子は、たいようだった。」「EASY LOVE」という鉄板曲2曲をもって、ステージ上、ステージ下の全員が最後にして最高のエナジーを発散させる。上坂の高らかな「ありがとうございましたーっ!!」のあと、エンドロールとして流れたのは大阪公演、名古屋公演も含めてのバックステージでのさま。『大理論』ツアーを締め括る余韻に……はならず、アンコールの声が。ライブTシャツ仕様の上坂召喚に成功すると、上坂は「ソライロ(Acoustic ver.)」でしっとりとしたアンコールをスタートさせた。

続いては、ライブグッズを紹介した側から各商品を同志へプレゼントするコーナー。「3公演とも遠いよー」と叫んだファンクラブ会員女子に会場限定アクスタキーホルダーを贈るなど、投擲するだけにとどまらず、2階席や3階席の同志には1人1人指名してのお届け。プレゼントしようとしたグッズをすでに購入済みと正直に告白した同志には「来世は女性声優か、女性声優の飼っている猫に転生します」というお告げを与えるなど、ここでもライブハウス並みの近さで交流を重ねていく。その後の告知コーナーで、「浦霞」とのコラボ日本酒「同志」、コラボPC「Type:STAR」、「DMMオンクレ」でのオリジナルぬいぐるみ、ヴァンパイアをテーマとした上坂プロデュースのコンセプトカフェ「Twilight Rouge」、ファンクラブイベント「超すこやか連邦 酒・おかわりしますか」&「上坂すみれファンミーティング in Hiroshima」、そして、この夜の本公演がU-NEXTで独占ライブ配信、といった情報出しを行った。

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