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INTERVIEW

2024.10.30

季節の移り変わりをテーマに制作されたコンセプトミニアルバム『足跡が紡ぐ世界』が完成!TVアニメ『精霊幻想記2』EDテーマ「春待歌」を含む楽曲たちについて、諏訪ななかに聞く

季節の移り変わりをテーマに制作されたコンセプトミニアルバム『足跡が紡ぐ世界』が完成!TVアニメ『精霊幻想記2』EDテーマ「春待歌」を含む楽曲たちについて、諏訪ななかに聞く

TVアニメ『精霊幻想記2』のEDテーマを含むコンセプトミニアルバム『足跡が紡ぐ世界』が10月30日にリリースされた。4枚目のミニアルバムは、季節の移り変わりをテーマに、最後は諏訪と共に歩いてきたファンとの軌跡も感じられる「My Step」で締めくくられる。そんなミニアルバムについて、諏訪ななかに語ってもらった。

INTERVIEW & TEXT BY 塚越淳一

「My Step」は、みんなの反応があってやっと完成する曲

――コンセプトミニアルバム『足跡が紡ぐ世界』のコンセプトは季節の移り変わりということですが、どう決まっていったのでしょうか?

諏訪ななか 私は花とか季節とか、そういう感じのコンセプトにしようと思って、実際に曲も集めていたんですけど、曲が完成していくうちに、“季節の移り変わり”のほうがしっくりくるのかなと思うようになったんです。

――それでタイトルも『足跡が紡ぐ世界』になっていったのですね。

諏訪 タイトルは一番最近できたんです。「My Step」が足跡ですし、ほかの曲の歌詞とかをつまんだりして、それを合わせて『足跡が紡ぐ世界』になりました。ミニアルバムとはいえ、色んな曲調であったり歌詞の世界観があるので、結構悩んだうえで付けたタイトルになります。

――タイトルは、やはりたくさんの案から選んだのですか?

諏訪 タイトルをたくさん考えてくださったのが井上ディレクターで、私はそこから選ぶ感じでした。でも本当にたくさん案を出してくれたので、自分だけでは決められなくて。3つにまでしか絞れなかったんです。なのでそこからは多数決にしました。

――選ばれたのは、自分がある程度予想していたものでしたか?

諏訪 このタイトルかなぁとは思っていたので、良かったです(笑)。

――ジャケットはどういうコンセプトで作られたのでしょうか?

諏訪 時空を超えるというのもテーマのひとつとしてあったので、ジャケットは『不思議の国のアリス』のような感じをイメージしています。箱の中にあるトランプとかは、アリス要素になりますね。

――リード曲は、TVアニメ『精霊幻想記2』のEDテーマ「春待歌」になります。タイアップが決まったときはどう思いましたか?

諏訪 タイアップなのでかなり前から制作をしていたんですけど、『精霊幻想記』自体は知っていたので、その第2期があるんだ!と思いました。

――「春待歌」を聴いたときの印象をお聞かせください。

諏訪 制作自体は、すごく試行錯誤されたということは聞いているんですけど、第1期のEDテーマが(大西)亜玖璃の「Elder flower」だったので、その雰囲気もありつつ、作品にも寄り添っているような感じがしました。

――すごく昭和歌謡っぽい感じがあったのですが、そのあたりはいかがですか?

諏訪 さっきスタッフさんと昭和歌謡の話をしていたんですけど、私は全然、昭和歌謡感を感じなかったんですよ。というより、昭和歌謡を通っていないのでよくわからないんです。でも、実際はそれを目指していたみたいです。アニメのシリーズ構成も担当されているヤマサキオサム総監督が音楽に精通されていて、具体的なリファレンス曲があって、松坂康司さんがそれを意識して、作・編曲してくださったそうです。

――今のサウンドなんだけど、ちょっと年齢が上の方には懐かしさもあり、若い方には新鮮さもある、ということなのかもしれないですね。諏訪さんにはどんなふうに聴こえていたのですか?

諏訪 私は音楽のジャンル分けがあまりわからないので、聴いたときは、アニソン感がある曲だなと思いました。

――アニソンも、最近ではシティポップっぽい曲も多いですし、わかる気がします。

諏訪 私が前に出した曲もシティポップっぽいと言われていたんですけど、そのシティポップもよくわからないという(笑)。

――歌詞にはどんな思いが込められているのでしょうか?

諏訪 アニメのストーリーにリンクしているというのはもちろん、この曲だけで聴いてもわかるような、そういう歌詞を目指してhisakuniさんが書いてくださったそうなんです。それが総監督に伝わり、総監督から私のもとに長文のコメントが届きました。

――それには、どんなことが書いてあったのですか?

諏訪 かいつまんで言うと、全体的には“春”で、郷愁感がありつつ、ノスタルジックなフレーズを使っているというのが松坂さんからで、総監督からは、歌詞の中の“春”が、季節ではなく主人公・天川春人の春であることや、ヒロインの立場であったり、作品とのリンクする部分のことを伝えてくれました。それを読み込んだ上で、レコーディングをしました。

――それを受けて、どんなアプローチで歌っていきましたか?

諏訪 “春”が春人のことで、それをヒロインの気持ちで歌っている歌詞なので、歌うときも、そこに寄り添って、第2期のヒロインたちの気持ちを考えながら歌いました。それと曲調的にはダークめだけど、歌詞は明るめで前向きなんです。だから、そこの調和というか、あまり暗くなりすぎないことは意識して歌いました。

――それは難しそうですね。

諏訪 どのへんがちょうどいいのかというのを考えて、調整しながら歌っていきました。最終的には曲調に合っている歌い方ができたのかなと思っています。

――お気に入りのフレーズはありますか?

諏訪 ラストの“春をまとう人よ”からは、同じサビではあるんですけど、転調していて、より一層目立つところになるので、気に入っています。

――MVの見どころを教えてください。

諏訪 最後のオルゴールは、OPテーマを歌っている亜玖璃の「アウフタクト」のMVと繋がっていて、OPテーマとEDテーマで繋がりのある演出になっています。撮影では、袴を着ているので、めちゃ苦しかったです(笑)。階段の上で撮影していたんですけど、階段の上り下りが大変でした。

――次に「花言葉」ですが、歌ってみていかがでしたか?

諏訪 この曲がアルバムの中でいちばんかわいく明るい楽曲ではあるので、歌詞に合わせた歌声で、というのは意識していました。この歌詞の主人公はこういう感じかなっていうのを考えながら歌いました。

――作・編曲は塩原大貴さんで、初めての方ですね。

諏訪 コンペなんですけど、コンペで選んでいるときは作家さんがわからないので、選んだら新しい方だったという感じなんです。このミニアルバムには、明るくかわいい曲というのがなかったので、1曲あったほうがいいのかなと思って選びました。

――レコーディングの際は、作家さんもディレクションに参加されていたのでしょうか?

諏訪 この曲は、作詞の月丘りあ子さんと塩原さんがいらっしゃったんですけど、歌についてのディレクションは特になく、いつも通り、私が自由に歌っていく感じでした。

――となると、現場ではどんな話をしているのですか?

諏訪 う〜ん、何を話していたんだろう。お菓子の話をしていました(笑)。

――歌の話をしていないんですね。

諏訪 歌は感じるものなので(笑)。

――World of Words」は、すでにライブでも披露されている曲ですね。

諏訪 世界観がすごくある曲ですよね。“神さまなんていないんだよ”っていう、なかなかない言葉から曲が始まるし、話し言葉なので、そういうところから主人公を想像して歌いました。ただ曲の最後は、明るい未来で終わっていくような感じだったので、歌詞のまま歌っていくような感じでした。

――4曲目からは、松坂康司さんの楽曲になりますが「連なって」はピアノロックでした。

諏訪 松坂さんが書きたい曲という感じでした。これもコンペで選んだんですけど、何十曲かあった中から自分で絞っていったら松坂さんの曲しか残っていなくて、そこから選んだのがこの曲でした。

――歌うのは大変そうですよね。

諏訪 大変です。これは松坂さん楽曲あるあるなんですけど、息継ぎの場所がないんです。だから、歌うのは大変な曲です。特に最初のAメロ・Bメロは歌詞が詰め込まれているので。

――詰め込まれている中でも、歌詞の意味を考えて表現しないといけないと思うのですが、それはどうやっているのですか?

諏訪 それはもう慣れです(笑)。歌い慣れていけば表現できるようになります。

――諏訪さんとしては、松坂さんの楽曲に慣れているから大丈夫なんですね(笑)。

諏訪 そうかもですね(笑)。楽譜に関して文字数がちょっと多いのが松坂さんですね。

――歌うときにはどんなことを意識していたのですか?

諏訪 この歌詞って、気持ち的には明るいんですけど重いテーマだなと感じだったので、それをどう表現するかというのを考えて歌っています。

――それでいうと「My Step」は、同じ松坂さんによる楽曲ですけど対照的な曲で、対比にもなっているのかなと思いました。

諏訪 でも2曲を選んだ時期はだいぶ違っていて、「My Step」は約1年弱くらい前なんですよ。

――すでにライブでも歌われていますが、ファンとの歩みも感じられる歌詞になりますね。

諏訪 お任せで書いてくれた曲で、特に私からは何も伝えていないんですけど、私の気持ちを汲み取った歌詞になっていたんです。自分とファンの関係性とか、一緒に行こうという感じは私も思っていたことなので。しかもデビュー曲の「So Sweet」の要素も入っているのは、同じ作曲家さんならではなのかなって思っています。

――So Sweet」でデビューし、そこからファンができ一緒に歩んできた、その軌跡が込められた歌詞ですよね。そんな繋がりがエモいと思いながら歌っていたのですね?

諏訪 そうですね。この曲は歌い上げる曲でもあるので、ライブで歌って、みんなの反応があってやっと完成する曲なのかなと感じています。しかもこの曲って、レコーディングして1週間弱くらいでライブしているんですよ。そういう意味で、録ってからのスピード感は一番早かったです(笑)。

――そのくらい、ファンと一緒に歌うことで大事な曲なのですね。たしかに、最初に歌ったのを聴いたとき、録ったばかりなのに難しい曲を歌っているなと思っていました
(笑)。しかも声が加工されるところに驚いて。

諏訪 “(春の刺激 夏の景色 秋の吐息 冬の陽気)ねぇ”からのところですね。ここが「So Sweet」の歌詞とリンクしている部分なので、ファンの方はエモい!と思ってくれる部分だと思います。

――“一歩一歩 近づくほど 弾む鼓動 高鳴る Rhythm”という「So Sweet」の歌詞が、「My Step」では(一歩一歩)近づいたね (弾む鼓動)高鳴ってる ひとつひとつ積み重ねてきたとなっていますからね。では最後に、ライブイベント『NANAKA SUWA 5th LIVE ~足跡が紡ぐ世界~』が1116日に山野ホールで開催されますが、どんなライブになりそうですか?

諏訪 10月29日からリリースイベントが始まって、その最後にライブがあるような形になっているんですけど、(このインタビュー時点では)まだ本当に何も決まっていないんです。だけど、このミニアルバム『足跡が紡ぐ世界』の曲はすべて歌うはずなので、楽しみにしていてください。


●リリース情報
諏訪ななか コンセプトミニアルバム
『足跡が紡ぐ世界』
10月30日発売

【初回限定盤(CD+DVD)】

品番:COZX-2126~7
価格:¥3,300(税込)

【通常盤(CD)】

品番:COCX-42372
価格:¥2,640(税込)

<CD>
01 春待歌(TVアニメ「精霊幻想記2」エンディングテーマ)
作詞:hisakuni 作曲・編曲:松坂康司
02 花言葉
作詞:月丘りあ子 作曲・編曲:塩原大貴
03 World of Words
作詞:成本智美 作曲:近藤圭一、成本智美 編曲:近藤圭一
04 連なって
作詞・作曲・編曲:松坂康司
05 My Step
作詞・作曲・編曲:松坂康司
06 春待歌(Instrumental)
07 花言葉(Instrumental)
08 World of Words (Instrumental)
09 連なって(Instrumental)
10 My Step (Instrumental)

<DVD>
「春待歌」Music Video/メイキング映像

関連リンク

諏訪ななかオフィシャルサイト
https://columbia.jp/suwananaka/

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