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REPORT

2024.10.25

May’n“店長”こだわりの対バンライブで完全燃焼! FLOW、AliAを迎えた極上の一夜“Nice to MEAT you!”レポート

May’n“店長”こだわりの対バンライブで完全燃焼! FLOW、AliAを迎えた極上の一夜“Nice to MEAT you!”レポート

May’nにとって初主催となったライブ“Nice to MEAT you!”。それは対バンスタイルの3マンライブで、対バン相手として選ばれたのは、FLOWAliAというMay’nと縁深き2組。そのラインナップからもわかるように、豊洲PITを会場に行われた3時間余りの催しはパワーでパワーを洗い流す極“熱”な時間となったが、と同時に、「May’n Road to 20th Anniversary」と冠されたサブタイトル通り、またFLOWやAliAと繰り広げたライブセッションやトークから、May’nが20年という月日の中でいかに濃いめの音楽人生を突き進んできたかを知らしめる一夜にもなった。シンガーとして脂の乗り切った彼女が主催としても完全燃焼してみせた3時間を振り返りたい。

TEXT BY 清水耕司
PHOTOGRAPHY BY “SUGI” Yuya Sugiura

20周年を目前に新しいワクワクを求めた末の“MEAT”

開演前BGMとしてハッピーなナンバーが次々流れる中、オルゴールでの「Happy Birthday to You」が差し込まれる。自然と拍手を合わせる会場。パーティや乾杯を楽しむパリピたちのSEが重なり、最後にはMay’nによる「Nice to MEAT you!」の声が。これから始まるフェスへの期待でフロアの感情が揺さぶられたとき、6つのシルエットがステージ上に現れた。その影はハードなメロを背に、イントロに入る前から会場を煽り始める。そしてステージ上にライトが当たると、FLOWの5人に加わって、スクエアポンチョを思わせる赤い衣装(テーマはタン)のMay’nがいることに気づく。

歌い出しはFLOWのフロントメンであるKOHSHIとKEIGOとMay’nの3声で。曲は「COSMIC MIND」。『仮面ライダーフォーゼ』の挿入歌として、May’nが椎名慶治と組んだユニット「Astronauts」で歌った楽曲だ。May’nは歌詞の“本当の 心見せ合える 仲間の 数は関係ない…でも多い方がいい”がお気に入り箇所だとか。今年、映画『仮面ライダーガッチャード ザ・フューチャー・デイブレイク』でBACK-ON×FLOWが主題歌を務めたことから、仮面ライダーつながりも含めてライブのスタートを飾る曲としてMay’nがセレクトした。KOHSHIからMay’nへと受け渡されるAメロ、KEIGOとMay’nでタッグを組むBメロ、と次々にボーカルが絡み合う熱々のオープニングアクトが展開されていく。モニタを一瞥もすることなく、歌詞を身体に叩き込んできたFLOWとのコラボで観客はのっけから熱狂を引き出されてしまう。

曲を終えるとMay’nは素早く、「“Nice to MEAT you!”へようこそー」「FLOWさんお願いしまーす」と先輩にステージを託す。するとKEIGOが「いきなりの極上のお肉、いかがでしたでしょうか?」とライブに合わせた挨拶で皮切り、「それではFLOW、ちょっと肉厚で、タレ濃いめでいきますけれども、皆さんヨロシクーっ!」と宣言し、「COLORS」「DAYS」とFLOWお得意の四つ打ちナンバーを繰り出していく。

そのあとも、最新曲「LOVE&JUSTICE」、エキサイティングなタオル回し曲「Steppin’ out」、リリースから20周年という意味でMay’nとは“仲間”な「GO!!!」という熱狂必至のラインナップで観客は転がされるように気持ち良く跳ねさせられる。その一方でライブ経験豊富な猛者は合間に、「部員は声が出るねー♪」と気分をアゲるMC、「20周年も誕生日も前祝いですよ!」と言いながらフロアを導いてお祝いのBig Wave、歌詞には「May’nちゃん、おめでとう!」などを織り込む。トップバッターにして特々級のパフォーマンスによって観客は終始笑顔のままだった。

「GOLD」のあと、KEIGOによってMay’nが呼び込まれると、彼女は「とっても大好きなFLOWさんの曲があります。デビュー前、中学校2年生のときに名古屋で、学生カバンにポスカでこの歌詞を書いてました! 家中にいっぱい書いてました! プリ(クラ)帳にも切り取って張ってました! いっぱいカラオケで歌っていたこの曲を今日、FLOWさんと歌ってもいいですか」と涙声になりながらも熱く客席に問いかける。その曲は「流星」。想い出がいっぱい詰め込まれた楽曲でのコラボということでMay’nの昂りはMaxだったのだろう。KOHSHIからの歌い出しに自分の声も重ねてしまい、歌唱後にKOHSHIから「想いが乗っていた」との評を受けるほどだった。だが想いの強さは会場にも伝わったようで、最後の「ラララ」では心を添わせるように会場も声を合わせ、手を振り、May’nやFLOWのメンバーと心通わせた瞬間を生み出した。歌唱後に「夢が叶いましたー!」と絶叫するMay’nに対しても、会場から長く温かい拍手が送られていた。

May’nからの、ライブコンセプトにちなんだ質問で好きな焼肉の部位(TAKE=ハラミ、IWASAKI=ロース、KEIGO=イチボ、KOHSHI=ザブトン、GOT’S=ギアラ)を答えたあと、ステージを去るFLOW。見送ったMay’nは、今年7月から5大陸を巡りながら来年2・4月には日本に戻って全国6都市でフィナーレというワールドツアー実施中にも関わらず、間隙を縫っての出演快諾という先輩に対して、改めてステージ上で謝辞を述べた。また、自身の曲である「shining ways」の歌詞に登場する「あのバンド」がFLOWのことだとも教えてくれる。

そして改めて主催としての挨拶を。次に、毎年自身の誕生日近辺でライブを行ってきたが20周年を目前にして新しいライブに出会ってみたいという気持ちから初めてライブを主催、さらには、誰かと仲良くなりたいと思ったときは必ず焼肉を食べに行くことから「FLOWさん、AliAさん、そしてファンの皆さんともっともっと仲良くなりたいな」という想いで“Nice to MEAT you!”というコンセプトにした、とライブの概要を説明した。

May’nが主催らしい、「今日だけの特製のお肉三種盛りをぜひ皆さんお楽しみくださーい!!」との言葉でステージを去ると次のAliAとバトンタッチし、ボーカルAYAMEは、前のターンのラスト曲の流れを汲むかのように“流れ星を見つけたくなかった”と歌い出す。

7月にリリースしたばかりの最新曲「星空と君のうた」で会場に清涼感を運ぶと、「今日はここにいるみんなと仲良くなりに来ました。良かったら一緒に遊んでくれますか」というAYAMEの言葉を挟んで「シンデレラストーリー」へ。会場全体に響き渡る「オイ!オイ!」からのクラップを浴びながら切々と歌い上げるAYAME、ギター(EREN)とバイオリン(RINA)で紡がれるストリングスのソロで作られる空間はAliAならではの魅力。

その後、AliAが初めて地上波アニメの楽曲を担当した、「キミゼロ」こと『経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。』のエンディング主題歌「あいことば」、さらには「AliVe」「animation」「NewGame」とノーMCのノンストップでつないでいく。ボーカルと演奏は力強さを増し、表現する情動がますます激しさを帯びていく。ラストソング前、AYAMEは「May’nさんと出会えて、みんなと出会えたこの日が本当に幸せ」との言葉を枕に「一緒に歌ってくれますかーっ」と客席を誘い出し、「かくれんぼ」へと突入する。誘いに乗った観客たちは大声で“もういいかい? まーだだよ”の声で楽曲に参加した直後、2番の頭からはMay’nがサプライズ登場(今度の衣装はヒレ+岩塩がテーマ)し、歌えて嬉しい気持ちが猛烈な強火となっていることがわかる熱唱を会場に聴かせていく。間奏でMay’nはERENと楽しそうに背中合わせに、そんなシーンを客席に見せつけたあと、転調しての““いっせーのー”で声を上げて”でAYAMEと歌声を合体させる。一体感あふれる楽曲を身体で表現させながら、May’nとAYAMEの声量で圧倒される5分間が幕を閉じた。

AliAのステージに対してMay’nは、高級焼肉店ほどタレにもこだわるという持論を展開しつつ、「特上ロース、かつ濃ゆいタレまみれのステージだった」と表現。最後はやはり、好きな部位をAliAメンバーからも聞き出し(AYAME=厚切り牛タン、EREN=ミノ、TKT=ハラミと白飯、RINA=シビレ)、自身の主催ライブを盛り上げてくれたAliAを下手舞台袖へと送り出した。May’nとAliAが出会ったのはジムのトレーナーを通じてらしく、運“May’n”を感じたという思い出を紹介しながらMay’nはAliA愛を語ってもいた。

次ページ:対バンなのにワンマンライブのようなアットホームさ

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