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REPORT

2024.10.25

May’n“店長”こだわりの対バンライブで完全燃焼! FLOW、AliAを迎えた極上の一夜“Nice to MEAT you!”レポート

May’n“店長”こだわりの対バンライブで完全燃焼! FLOW、AliAを迎えた極上の一夜“Nice to MEAT you!”レポート

対バンなのにワンマンライブのようなアットホームさ

そして遂にメインアクト最後の登場である。暗転のあと、スポットライトを一身に浴びたMay’nの姿。歌始まりで「ROCK YOUR BEATS」をスタートさせる。サビは言うに及ばず、Aメロから全力で歌うMay’nに合わせて会場も全力で飛び跳ねていた。落ちサビ前の間奏ではクラップを合わせ、サビではコールに声を上げ、燃え上がるファンの姿にさらに全力で応えるMay’n。歌い終えると「皆さん、おなかいっぱいですか? まだまだお肉食べたりなくないですか? 熱く、たくさん、色んな種類のお肉食べたーい!!」という煽りのあと、赤・青・緑のライトが激しく明滅してステージ上を染め上げる中で、時に愛らしく時にはつらつと「ViViD」を歌い上げていく。

歌唱後、次の曲「ストロボ・ファンタジー」では一緒に簡単な振付をしてほしいと会場にお願いしたあと、レクチャーを開始。だが振付講座が進むと「簡単」とは言えない振付内容に会場からは若干の戸惑いを感じたが、そんな会場の不安をものともせず、May’nはスタンドマイクを据えて次曲をスタート。イントロでポーズと振りを決めてみせると、素早くハンドマイクに切り替えて、熱唱&熱演を披露していく。そんなMay’nの放つキラキラパワーを糧に、サビでは観客も高難易度の振付を乗り切る。楽曲はラテン風味で跳ね感とパーティ感に満ちており、振付もやってみれば意外と癖になる動きとあって、ファンから熱々の熱気が会場に充満していく。

続いてはヒーローつながりの「HERO」。正統派でビートの効いたロックナンバーで、フロアのみんなを今度は激しい縦揺れに導いた。さらに「毎日、色んなことあっても、全部全部大丈夫にしていこう!」というポジティブメッセージから、勢いのあるメロディで背中を押しまくる「全部大丈夫」へとなだれ込む。サビでは、May’nとファンが共に歌えるように用意された“ Wooh Wooh Wooh”の箇所で大合唱を響かせる。 歌い終えたあと、May’nは会場に再びメッセージを贈る。だが今度の内容は、「いつも全部大丈夫だよって思いながら生きているし生きていたいです。だけどそう思える自分に慣れているのは、全部大丈夫だよって言ってくれるあなたがいるって信じられるからです」というもの。あなたの背中を押しながら私もあなたに背中を押されている、ストレートに感謝や絆を口にするMay’nだからこそ、「全部全部大丈夫にしていこう」という励ましが素直に届いてくる。また、強い感情で身を焼き焦がしたのか、続く「Belief」の歌い出しで声を一瞬震わせるMay’n。ライ部の定番曲で見せた姿にも、彼女が込めた想いの強さが感じられ、フロアを埋めた観衆の胸に想いが突き刺さる。

ここまで一気に歌い切ったMay’n。さすがに長めの給水タイムをとったあと、いったん今回のライブを振り返る。対バン形式のライブを主催したことで「一緒に音楽をやったらもっともっと仲良くなれるんだな」と改めて実感できたというMay’nは、ライブの締めくくりとして「AYAMEちゃーん」とパートナーを呼び寄せる。必然的に次の曲は「ウイニングショット!!」。投手と捕手による「バッテリー」をテーマとする楽曲だが、その際、「ぶつけ合えるボーカリストじゃないとバッテリーは組めない」という想いからAYAMEに白羽の矢を立てたとMay’nは説明し、AYAMEについて「剛速球を投げてるし、私が剛速球を投げても受け止めてくれる」ボーカリストだと評する。女房役を任されたAYAMEも、今回のライブリハーサルで一緒に歌ったとき、「剛速球の混じり合いや戦いで絆が生まれた」感覚を得た経験から、本番ではさらに「(ステージ上の)全員でチームワークを見せられたら最高だと思った」という意気込みを語った。

その言葉に違わず、2人で声を合わせる歌い出しから2人共に剛速球を客席に投げ込んでくる。まさに剛腕で“力”の権化的なMay’n、力強さの中に柔らかさを包含するAYAME。パワフルシンガーが見せる爆発的な歌声でのキャッチボールは、会場を烈火で包まれたように熱くする。だが、ただぶつかり合うだけではなく、AYAMEが“君の見せた2つの指”と歌う横でMay’nは、フォックスサインを作りながら歌詞をビジュアライズ、ドラマのようなシーンを構築していた。そしてついにラスサビでMay’nとAYAMEは向かい合ったまま客席に目もくれず、自慢の声量を相手に投げ込み合いながら2人だけの世界を作っていた。

歌唱後、下手にMay’nが、AYAMEが上手に走り去り、3マンライブは静けさを取り戻すが、観客の心につけられた火はなかなか消えず、残り火は激しく燃え盛って“店長”コールという火柱を立てる。会場を埋めた観客からのオーダーを受けて、ステージに戻ってきたMay’n店長は今後の予定として、アコーディオニストの桑山哲也が全曲アレンジを手がけたコンサート“May’n Xmas”を12月21日に、またアコースティックツアー“Hang jam vol.5”を2025年に大阪・名古屋・横浜で開催することを告知。

20周年に向けての「Road to 20th Anniversary」企画が着々と進行中であることをファンに報告してから追加となるアンコール曲へ。だが、May’nがアンコール曲について「お肉な曲」「肉食なこの曲」と紹介したことで会場は予想ができず、一瞬、思索の時間が訪れる。そのあと、May’nが「ライオン」と告げたとき、結果的に大きなサプライズプレートを贈られた形になり、会場からは歓声というよりも驚きと喜びが混じったどよめきが巻き起こった。だがピアノソロが始まると一斉に戦闘モードに入り、イントロでは大きく声を挙げる。ただ、熱狂に包まれたフロアが目に映っているのか、May’nはスタンドマイクを前に目を閉じて陶酔したかのように歌い出す。荒々しく徐々にボルテージを上げ、瞼を開いて歌声を聴かせるMay’n。サビに至るとき、その声は肉々しいほどに力強く、唸りを上げて三千の拳が振り上げる聴衆の中を突き進んだ。歌が終わったとき、客席は歌声からパワーを、命が生み出すエナジーを受け取っていた。

やり切った顔のMay’nはライブを支えてくれた仲間として「チーム音楽室」(G. ゆうたん、Ba. あさちゃん、Key. 翔馬、Dr. はやちゃん)を紹介。そして「一緒に食べてくれたNice to MEAT you!!!!」と、豊洲PITでの宴に集ってくれた同志も讃えた。May’nはこの夜について、「もっと音楽したい」と思ったアーティストとの対バンライブだったことが、いい意味で「ワンマンライブのような、アットホームな、一体感あるライブに」なったと振り返ってもいた。

仲良くなりたい相手とは焼肉を一緒に、という彼女のポリシーを形にしたライブであったが、そのコンセプトを見事に具現化した一夜となっていたわけだ。そこには主催であるMay’n店長の手腕を感じさせる。FLOW、AliA、May’nという良質の素材を用意しつつも、ただ並べるだけではなく、渾然一体となった肉とタレのように、アーティストたちが肩を組んでのライブでもあり、そのアーティストたちとコンセプトが結びついたライブとなっていた。込めた想いがひと味もふた味も味わい深いメニューへと昇華される、そんなことを実感できるライブだった。終演後、焼肉屋へと直行した観客も多かったようだが、それはMay’n店長がライブコンセプトに込めた想いが伝わったからに他ならない。


“May’n Road to 20th Anniversary 「Nice to MEAT you!」”
2024年10月20日(日)豊洲PIT
出演:FLOW、AliA、May’n

「お肉メニュー」(セットリスト)

【FLOW】
1. COSMIC MIND(May’n×FLOW)
2. COLORS
3. DAYS
4. LOVE&JUSTICE
5. Steppin’out
6. GO!!!
7. GOLD
8. 流星(FLOW×May’n)

【AliA】
9. 星空と君のうた
10. シンデレラストーリー
11. あいことば
12. AliVe
13. animation
14. NewGame
15. かくれんぼ(AliA×May’n)

【May’n】
16. ROCK YOUR BEATS
17. ViViD
18. ストロボ・ファンタジー
19. HERO
20. 全部大丈夫
21. Belief
22. ウイニングショット!!(May’n feat. AYAME)
EC. ライオン-May’n ver.-

関連リンク

FLOW 公式サイト
https://www.flow-official.jp/

AliA 公式サイト
http://www.alialive.jp/

May’n 公式サイト
https://mayn.jp/

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