REPORT
2024.10.27
JAM Project、GRANRODEO、梶浦由記、米倉千尋、石田燿子、ChouCho、玉置成実、春奈るななどの国内外ともに活躍を続けているベテラン勢から、rito、shuri、LINO LEIA、荒井麻珠などの期待の新人、そして桜樹みりあ、クレア先生などのバーチャルアーティストまで、アニメ、ゲーム、ネットシーンで活躍中の実力派が多数所属する音楽プロダクション「HIGHWAY STAR」に関連するアーティストが一同に介する音楽フェスが“HIGHWAY STAR PARTY”だ。3年目に突入したこのフェス。今年は“HIGHWAY STAR PARTY 2024 -SHIBUYA JUNCTION-”と題して2024年9月22日・23日、東京・LINE CUBE SHIBUYAにて2days開催!幅広いファンを集めて、ここでしか観られないレア感満載のコラボレーションも多数飛び出した、熱狂の2日間がそこにあった。
TEXT BY 阿部美香
PHOTOGRAPHY BY
キセキミチコ/上溝恭香
DAY1出演アーティスト総勢10組の栄えあるオープニングを飾ったのはGRANRODEO!開口一番、KISHOW(vo)がスタンドマイクを握って「HIGHWAY STAR PARTYへようこそー!」とシャウトすると、e-ZUKA(g)が『黒子のバスケ』主題歌の華やかな「The other self」のリフを奏で、バンドが一気にスピードを上げる。満面の笑みを浮かべたKISHOWが「初日のトップバッター。来年(GRANRODEOは)20周年を迎えますが、まだまだ若輩のつもりでいろ!ということかなと思います」と笑いを誘う。サポートメンバーの瀧田イサム(b)とSHiN(ds)もにこやかに挨拶し、『バキ』シリーズからファンキーな「Treasure Pleasure」を。「ここから、昇り竜のように勢いのある弊社アーティストが続々登場します。楽しんでいってください!」と語って、ラストはまたまた『黒子のバスケ』からの「変幻自在のマジカルスター」。お祭りフェスにふさわしい派手なナンバーを引っさげ、一気にステージを駆け抜けた。
力強く拳を振り上げて2番手に登場したのは、玉置成実。大ヒットしたデビュー曲「Believe」を颯爽と歌い上げ、大声でエールを送る客席にマイクを向ける。「ちょっと緊張していましたが、皆さんが一緒に盛り上がってくれたので、めちゃくちゃ楽しいです!」とブンブン手を振り、もう1曲、『機動戦士ガンダムSEED』シリーズから「Reason」を届け、スケールの大きな歌声を響かせた。
次に駆け込んできたのは喜多修平。『世界一初恋』のOPテーマ「世界で一番恋してる」を軽やかに、ステージを走りながら歌い上げる。「今日はせっかくなので、普段フェスではあまり歌わない曲をもう1曲」と紹介し、放ったのはエキゾチックな香り漂う「金桜の契り」。スペシャルなセットリストで魅了した。
続いては人気PCゲームの同名OPテーマ「未来ノスタルジア」の伸びやかな歌声で始まった、橋本みゆきのステージ。ノスタルジックなメロディーが、懐かしく響く。そして「HIGHWAY STARのパワーをタップリ浴びて今日は帰ってください!」と話し、『アイドルマスター XENOGLOSSIA』OPテーマ「微熱S.O.S!!」を笑顔で熱唱し、会場を盛り上げた。
ここからは、HIGHWAY STAR オフィシャルYouTubeチャンネルで2023年秋から展開中の、HIGHWAY STARアーティストによる名曲カバー企画【-Covers-】のコーナー。これまで動画で配信されてきた楽曲の中から、DAY1にまず歌われたのは、FictionJunction feat. Ritoのナンバー「もう君のことを見たくない」。動画企画では、喜多修平×寺田志保(Key)の2人バージョンで披露されているが、今回はオリジナルで歌唱を披露しているritoを交えてのスペシャルコラボ。寺田のピアノにのせて、喜多とritoが美しいハーモニーを聴かせた。続いてのカバーは、米倉千尋×寺田志保によるSee-Sawの「あんなに一緒だったのに」。珠玉の2曲のバラードに、客席はシンと静まり、聴き入った。
そしてここで、劇伴作曲家、JAM Project楽曲などの編曲家としても知られる寺田志保が、ソロナンバーを披露。届けられたのは、「月光ソナタ」の通称で知られるベートーヴェンのピアノソナタ第14番第3楽章をロックアレンジした「ピアノソナタ月光」。ドラマティックかつ壮大なアレンジ曲が聴けるのも、このフェスならではだった。
転換を挟んで、ここからはまたアーティストたちのワンマンステージが続く。後半最初の登場は、2人組ユニット・SUIREN。アニメ『キングダム』主題歌「黎 -ray-」、ゲーム『STAR OCEAN THE SECOND STORY R』メインテーマ「stella」を披露。逆光とダークなステージ演出とともに、繊細で刺激的なSUIRENの世界観を伝えた。
独自の世界観なら、FictionJunctionのボーカルや影山ヒロノブのコーラスでも知られるshuriも負けてはいない。1st EP 「特別」から「Liar!Liar!」で堂々たるパフォーマンスを見せつけ、「終わらない」ではマイクを使わずにアカペラも披露。パワフルな歌声をぶつけてくれた。
続いては、HIGHWAY STARを代表する2人の歌姫が登場。デビューから変わらないキュートな歌声を聴かせてくれる石田燿子は、『ストライクウィッチーズ』OPテーマ「STRIKE WITCHES~わたしにできること~」と、昨年の“HIGHWAY STAR PARTY 2023”でも会場を沸かせた『美少女戦士セーラームーンR』EDテーマ「乙女のポリシー」を歌い上げ、会場に幸福な風を吹かせる。
もう1人の歌姫は米倉千尋。『FAIRY TAIL』OPテーマ「フェアリーテイル~約束の日~」を伸びやかに歌い終えると、歓声の中「もう1曲、私からみんなに夢を届けたいと思います!」と宣言。オーディエンスが振り上げる青いペンライトを浴びて『仙界伝 封神演義』OP主題歌の「WILL」を届けてくれた。
ここまで続いたワンマンステージのラストを飾ったのは、アニソン界を代表するスーパーボーカルユニット・JAM Projectだ。青いライトが照らすステージ中央で影山ヒロノブ、遠藤正明、きただにひろし、奥井雅美、福山芳樹の5人が円陣を作り、無伴奏で歌い始めたのは「スパロボアカペラメドレー」だった。それはまさに歌声だけのオーケストラ!誰もが聞きなじみのあるメロディが、新たな感動を与えてくれる。そこから曲は、オンラインRPG『ラグナロクオンライン RWC』イメージソングの「冒険王~Across the Legendary kingdom~」へ。メンバー5人の個性と迫力が重なるパフォーマンスは、王者の風格だ。影山が「来年で結成25周年。久しぶりにツアーもやりたいですし、めちゃめちゃ興奮しながら歌っていた初心をもう一度、取り戻したい」と言い、「本当に最初の頃の曲をお届けしましょう!」と歌われたのは、『The Soul Taker ~魂狩~』のOPテーマ「SOULTAKER」。大きな歓声の中、会場は大いに盛り上がった。
名曲カバー企画【-Covers-】に続き、フェスの後半を盛り上げたのは、イベントのテーマであるJUNCTION=“交差する”を体現する、アーティスト同士の極レアなコラボを実現した「JUNCTIONコーナー」だった。コーナーのトップを飾ったのは、美しいコーラスを重ねた橋本みゆき×石田燿子によるアニメ『CLANNAD』OPテーマ「メグメル」。続く石田燿子×米倉千尋×橋本みゆき×shuriによる『おジャ魔女どれみ』OPテーマ「おジャ魔女カーニバル」では客席と楽しくコールする。そしてミステリアスなイントロから始まったのは、『爆れつハンター』EDテーマ「MASK」。奥井雅美×KISHOWの力強いボーカルにペンライトが踊った。
暗転を挟んで、次にジャンクションしたのは、福山芳樹×e-ZUKA。2人揃ってエレキギターを掻き鳴らし、福山のボーカルにe-ZUKAがコーラスをつけて『武装錬金』OPテーマ「真赤な誓い」を、激しく歌い上げた。奥井、福山とGRANRODEOが1人ずつコラボしたあとは、JAM Project×GRANRODEOによるPCゲーム『マブラヴ オルタネイティヴ』シリーズからの2曲。GRANRODEOナンバーの「Once & Forever」とJAM Projectナンバーの「未来への咆哮」を、圧巻のボーカリスト6人で熱唱、e-ZUKAが流麗なギターでコラボを彩った。
そしてフェスの最後は、ステージに出演アーティストが集合。「あと1曲、絶対燃え尽きて帰ってもらうぞ!最後はこのメンバーで〈SKILL〉だー!」と影山がシャウトして、ゲーム『第2次スーパーロボット大戦α』OPテーマである JAM Projectのライブアンセム「SKILL」をコラボレーション!アーティストもオーディエンスも大熱狂でDAY1を締め括った。
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