REPORT
2024.10.28
普段のダイナミックなシユイとは対照的に、落ち着いた声で披露されたバラードが「in」まで続いたが、最も印象に残ったのは、「時計のエスコート」のイントロでのエピソード。
柔らかなピアノサウンドの調べに乗った歌声から、サウンドがまるでグラデーションの色彩を帯びて壮大なロックサウンドへと広がっていた。わずかな時間の出来事ではあるが、シユイの視線が内側から外側へ、自身の心象風景からフロアへと向けられたと思えた。ロックバラードは過去・現在・未来を示しているのかもしれない。
シユイが選んだ「歌ってみた」コーナーの曲は、愛にあふれたバラードだった。その背景を知ると、シユイの音楽の出発点はこうした温かみのある曲なのだと実感せずにはいられなかった。ここで一度、大切にしている思いを抱きしめたのだろう。
今は、ロックやビッグバンドなど、色とりどりのサウンドや声に囲まれ、それらの音で彩られているシユイ。
充実したブロックを超えるとそこには、いつもの全力なシユイがいて、「君君舞」でシンガロングを求めていた。純粋に心から楽しんでいるのが伝わってくる。
弾むリズムに乗せてフロアのボルテージが高まった、ラテンムード漂う「ハピネス オブ ザ デッド」、エネルギッシュな歌声が全ての壁を突き破り、その存在感が心に深く刻み込まれた「ラブコール」。
TVアニメ『魔王2099』のOPテーマ「ホロウ」では、心の奥深くから絞り出された叫びが放たれ、一瞬たりとも息をつかせない緊張感が広がっていく。
ドラマやアニメとのタイアップ曲が次々に披露されたフィナーレを飾った「BOOOM!!」もフロア全体が一体となり、全員でその場を作り上げている感が鮮明に映った。
今回の3rdワンマンライブでは、内面に眠る感情が現れ、また違った表情のシユイを感じ取ることができたと同時に、彼女が様々な色彩の楽曲に心を奪われている様子が、はっきりとしたコントラストで導き出されていた。
「私の周りを取り囲むいろんな人が私の人生を彩り豊かに、そしてみなさん一人一人が私の人生をキラキラと輝かせてくれている。本当にうれしい」
アンコールに応えたラストは、異なる色彩を持つ「あんたがたどこさ」「ハイスクール・オブ・ザ・クレイジー」「GLOW」。
視覚的に感じられる強さや、歌声の力強さ以上に、シユイの大切なものを守り抜こうとする本当の“強さ”が光った公演だった。
■“LAWSON presents シユイ 3rd Live シユイさんといっしょ #03”
2024.10.14@Zepp Shinjuku(TOKYO)
<セットリスト>
M01.君よ 気高くあれ
M02.RE RE REPLAY
M03.不毛劇
M04.バームクーヘン
M05.麗春花
M06.ひとちがい
M07.ゾンビ
M08.ドーベルマン
M09.べらべら
M10.ONI
M11.劣等上等 -cover-
M12.My Dearest -cover-
M13.楓 -cover-
M14.in
M15.時計のエスコート
M16.君君舞
M17.ハピネス オブ ザ デッド
M18.ラブコール
M19.カトレア
M20.ホロウ
M21.BOOOM!!
EN01.あんたがたどこさ
EN02.ハイスクール・オブ・ザ・クレイジー
EN03.GLOW
シユイ オフィシャルサイト
https://www.shiyui.jp/
シユイ 公式X
https://x.com/Shiyui_0111
シユイ オフィシャルYouTubeチャンネル
http://www.youtube.com/@Shiyui_0111
「リスパレ!」オフィシャルサイト
https://funky802.com/lispale/
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