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INTERVIEW

2024.10.17

10年に及んだ和楽器バンドの挑戦、ファンへの感謝、その集大成となる一作。『ALL TIME BEST ALBUM THANKS ~八奏ノ音~』いぶくろ聖志&蜷川べに インタビュー

10年に及んだ和楽器バンドの挑戦、ファンへの感謝、その集大成となる一作。『ALL TIME BEST ALBUM THANKS ~八奏ノ音~』いぶくろ聖志&蜷川べに インタビュー

和楽器バンドとして10年で得てきたもの、その集大成であるライブに向けて

──お二人が、バンド結成当初から個人的に進化したなと感じるところはどんなところになりますか。

蜷川 単純に三味線がうまくなったなと(笑)。でもその技術的なところは、みんなそうかもしれませんね。

いぶくろ うん。あと、技術的な話ではないけど、べには最初の頃と比べると自然体になったように思うんですよね。和楽器業界って、横に接しているようで接していなくて、お互いの立ち位置や流派、家元がどういうものか分からないことが多いんです。だからどうしても、和楽器同士って緊張感が生まれやすいんですよ。しかも彼女はすごく人見知りで、最初はこわい男性陣に囲まれてかなり緊張していたと思いますよ(笑)。

蜷川 私と亜沙さん(Bass)に関しては、共通の知り合いから声をかけてもらったので、最初に小っちゃなスタジオで集まったときは知らない人ばかりの状態だったんですね。私、そのときに初めてきよぴー(いぶくろ)に声をかけたんですけど、そのときのことは今でも覚えているんですよ。箏のガチの流派の人なのか、そうじゃない人なのかも分からなかったんですけど、何かしゃべらないと……と思って「どこの流派?」って聞いてみたんです。そうしたら「そういうのないから!」ってあっさり言われて。ショックだった(笑)。

いぶくろ あはははは(笑)。確かにそれって、僕らにとって普通は、はずれない質問なんですよ。ただ僕は本当に無所属なんですよ。それってあんまりないことなので、ビックリさせちゃったかな。

蜷川 それでガーン!ってなって(笑)。後々、そういう枠に囚われないメンバーが集まった8人なんだなということが分かって。私自身も流派の枠を抜け出してきたところがあるので、なるほどなと。

いぶくろ 最近でこそ、べにから自然と関西弁が出てきますけど、当時は標準語しか喋らなかったんですよ。最初の3年くらいは、ツアーが終わって少し会わないと、またべにの人見知りが再発していて。10年経ってやっと馴染んだかな?(笑)っていう。それと、アーティストとして、自分自身がやりたいことが明確になっているような気もします。

蜷川 それはありますね。最初の頃はただただ大きな船に乗せてもらっている感じで……上京して2~3年目の頃って、自分が何をしていくべきか明確に見えていなかったんです。とは言え、他のメンバーは東京を中心に、長く下積みを重ねてきていて。おかげさまで、私の場合は上京してすぐに和楽器バンドに出会えたので、バンド活動を通じて、自分がどういうアーティストとして進んでいくか、目標が見出せるようになったのは大きかったですね。

──いぶくろさんはいかがですか。

いぶくろ 精神的に強くなったと思います。箏って楽曲のイントロを担うことが多くて、特に大舞台でのパフォーマンスでは、プレッシャーがかかる場面が多いんです。最初の「Mステ」(「ミュージックステーション」出演)で「千本桜」を演奏したときは、普段とは違うアレンジでやろうということで、箏とボーカルだけで始まったり。他にも大舞台で絶対にコケちゃいけない初っ端のイントロを1人で弾くところとか。それって他じゃできない経験だし、だからこそ、心は強くなった自信があります(笑)。しこたま自分自身にプレッシャーをかけたあとに、リラックスするのが上手になりましたね。

蜷川 ああ、確かに。そもそも三味線や箏でアリーナなどの大舞台に立つことって本来少ないことだと思うんですよ。そういう意味でも唯一無二の経験をさせてもらいましたよね。……あと、個人の成長で言うと、きよぴーも最初はあまりしゃべらなかった気がする。彼は私と違って人見知りってわけではなく、饒舌なのに秘密主義者なんですよ(笑)。常にフィルターがあって心までは踏み込ませてくれない感じというか。

いぶくろ あはははは。というか、接客業を長いことやっていたので、当たり障りのない長い会話が得意なんですよ(笑)。

蜷川 でも今は自分のことを話してくれるようになって、ちょっと心を開いてくれるようになったと、私は思ってるよ?

いぶくろ 確かにそうかもしれないなあ。それこそ楽曲についても、和楽器バンドとしての音楽性についても、色々な話し合いもしてきたしね。

蜷川 最初の頃は人数も多いし、みんなが一斉にしゃべるわけじゃなかったんだけど、今ではメンバー8人がそれぞれがはっきりと自分の立ち位置ややりたいことを表現できるようになってきたように感じています。うちのメンバーって一人ひとりがめちゃくちゃ濃くて。まとまる団体というより、一人ひとりが立ってこそ和楽器バンド、っていうところがあるんです。だからこそ、個を前に出すことが大事なんだなと。それもこの10年の中で得たものなのかなと思っています。

──そんな8人の個性と10年の歴史が詰まったベストアルバム。11月からは、それを引っ提げたライブツアーも控えています。

蜷川 このアルバムを聴いていただいた方には、ぜひライブにも足を運んでほしいですね。ライブでこそ、和楽器バンドの音楽の真価が感じられると思うんです。今まで和楽器バンドを知らなかったという人も、来ていただけたらファンにさせる自信があります。東名阪4公演はソールドアウトになってしまっているんですけど、12月10日、東京ガーデンシアターのチケットはまだ少しだけあるようなので、ぜひ来てもらいたいです。文字通り、ラストチャンスなので。

いぶくろ ベストアルバムと同時に発売される映像作品『和楽器バンド 大新年会2024 日本武道館 ~八重ノ翼~』を観ていただけたら、僕たちのライブをリアルに感じてもらえると思いますが、僕たちの強みは、アルバムで聴ける音をそのままライブで再現できることです。CDの音はステージ上の楽器の配置と同じように作られているんですよ。それと、和楽器隊のべにや僕、尺八の大さん(神永大輔)は、レコーディングの時点で「ライブで再現できないことはしない」ということを大切にしているので、作品を作ることはライブを作ることにも繋がっていたんです。10年間、ライブを意識した作品づくりをしてきたので、その集大成となるライブを見てもらいたいですね。


●リリース情報
和楽器バンド
『ALL TIME BEST ALBUM THANKS ~八奏ノ音~』
発売中

【初回限定LIVE盤(CD+Blu-ray)】

品番:UMCK-7253
価格:¥8,580(税込)

【初回限定Document盤(CD+DVD)】

品番:UMCK-7254
価格:¥5,280(税込)

【CD Only盤(2CD)】

品番:UMCK-1778
価格:¥4,290(税込)

<CD>
01. 六兆年と一夜物語(Re-Recording)
02. 千本桜(Re-Recording) ※TBS系バラエティ『ランク王国』エンディングテーマ
03. 華火(Re-Recording)
04. 起死回生(Re-Recording) ※テレビ東京系リオ五輪中継テーマソング
05. 雨のち感情論(Re-Recording)
06. 細雪(Re-Recording)※映画『恋のしずく』主題歌/テレビアニメ『京都寺町三条のホームズ』テーマソング
07. Ignite
08. 情景エフェクター
09. Singin’ for…
10. 月下美人 ※NHK「みんなのうた」2020年10月・11月度放送曲
11. Sakura Rising with Amy Lee of EVANESCENCE
12. 日輪
13. 生命のアリア ※TVアニメ「MARS RED」オープニングテーマ
14. Starlight(I vs I ver.) ※フジテレビ系月9ドラマ「イチケイのカラス」主題歌
15. ブルーデイジー
16. The Beast  ※アニメ『範馬刃牙』2期オープニングテーマ
17. GIFT(新曲)
18. 八奏絵巻(新曲)

<Blu-ray(初回限定LIVE盤)>
10th Anniversary Best Live Selection
01. 千本桜 from 2014.1.31 at clubasia
02. 戦-ikusa- from 2015.5.23 METROCK2015 ※初商品化!
03. 反撃の刃 from 2015.9.10 NHK Eテレ 「Rの法則」 ※初商品化!
04. 起死回生 from 2016.8.13 RISING SUN ROCK FESTIVAL 2016 ※初商品化!
05. 雨のち感情論 from 2017.9.13 NHK 「シブヤノオト」 ※初商品化!
06. 千本桜 from 2018.9.22 イナズマロックフェス2018 ※初商品化!
07. 暁ノ糸 from 2019.11.23 和楽器バンド Japan Tour 2019 REACT~新章~ FINAL
08. 儚くも美しいのは from 2020.2.16 Premium Symphonic Night Vol.2~ライブ&オーケストラ~ in 大阪城ホール
09. Ignite from 2020.8.16 真夏の大新年会2020 横浜アリーナ~天球の架け橋~
10. Starlight from 2021.5.14 NHK 「SONGS OF TOKYO」 ※初商品化!
11. 吉原ラメント from 2022.1.9 和楽器バンド大新年会2022 日本武道館~八奏見聞録~
12. 生命のアリアfrom 2023.9.7 和楽器バンド Japan Tour 2023 I vs I  ※初映像化!
13. 細雪 from 2023.9.7 和楽器バンド Japan Tour 2023 I vs I  ※初映像化!
14. The Beast from 2024.1.07 和楽器バンド大新年会2024 日本武道館 ~八重ノ翼~

<DVD(初回限定Document盤)>
レコーディングのBEHIND THE SCENEを収録したドキュメンタリー映像

<CD Disc2(CD Only盤)>
このアルバムのためにレコーディングされた新曲を含む全8曲のInstrumental を収録
※Instrumental収録は、CD Only盤のみになります。

和楽器バンド
LIVE Blu-ray『和楽器バンド 大新年会2024 日本武道館 ~八重ノ翼~』
発売中

【初回限定盤 Blu-ray(本編 DVD 付き)】
収録内容:Blu-ray +DVD +ライブ CD(2枚組み)+60P フォトブック
品番:UMXK-9042
価格:¥12,100(税込)

【通常盤Blu-ray(本編DVD付き)】
収録内容:Blu-ray +DVD
品番:UMXK-1117
価格:¥8,800(税込)

<Blu-ray/DVD収録内容>
01. Overture~八重ノ翼~
02. 愛に誉れ
03. 雨のち感情論
04. 天樂
05. フォニイ
06. いーあるふぁんくらぶ
07. 月下美人
08. 細雪
09. 雪よ舞い散れ其方に向けて
10. 生命のアリア
11. 虚夢
12. 破邪の儀
13. 焔
14. 吉原ラメント
15. オキノタユウ
16. The Beast
17. ドラム和太鼓バトル~対決武闘館~
18. ベノム
19. 星の如く
20. 暁ノ糸
Encore
01. BRAVE
02. 千本桜

※特典映像
BEHIND THE SCENE of 和楽器バンド 大新年会2024 日本武道館 ~八重ノ翼~

●ライブ情報
和楽器バンド Japan Tour 2024 THANKS ~八奏ノ音~

11月22日(金)東京・LINE CUBE SHIBUYA ※SOLD OUT
11月23日(土)東京・LINE CUBE SHIBUYA ※SOLD OUT
11月8日(木)大阪・オリックス劇場 ※SOLD OUT
12月8日(日)愛知・Niterra日本特殊陶業市民会館 フォレストホール ※SOLD OUT
12月10日(火)東京・東京ガーデンシアター

VIP指定席/VIP着席指定席:前売 ¥15,000(税込)/オリジナルグッズ付き
一般指定席/着席指定席:前売 ¥10,000(税込)


関連リンク

和楽器バンド 公式サイト
https://wagakkiband.com/

和楽器バンド 公式X
https://x.com/WagakkiBand

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