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REPORT

2024.10.10

アーティスト・岬 なこの新たな挑戦!初アコースティックライブ“NAKO MISAKI Acoustic LIVE”で届けた“君”へのメッセージ

アーティスト・岬 なこの新たな挑戦!初アコースティックライブ“NAKO MISAKI Acoustic LIVE”で届けた“君”へのメッセージ

『ラブライブ!スーパースター!!』の嵐 千砂都役でLiella!のメンバーとしても活躍する声優の岬 なこが、弦カルテットを含む全編アコースティック編成によるソロライブ“NAKO MISAKI Acoustic LIVE”を、9月21日、千葉・森のホール21大ホールで開催した。今年7月には2ndシングル「ちいさな蕾」をリリースし、ますます活躍の場を広げているアーティスト・岬 なこの新たな挑戦。昼夜2公演行われた本ライブのうち、夜公演の模様をレポートする。

TEXT BY 北野 創
PHOTOGRAPHY BY 江藤はんな(SHERPA+)


アコースティックアレンジで新しく色づく楽曲たち

2023年7月5日(なこの日)にソロデビューして以来、ワンマンライブだけでなく“リスアニ!LIVE 2024”など大きなステージも経験してきた彼女。
それらを観たことのある人ならばご存じだと思うが、岬 なこはライブがすこぶる良い。
歌唱力・表現力・パフォーマンス力といった基礎ステータスの高さのみならず、その場その時だけの感情や空気感をすくい取り、ステージに昇華する能力に長けているため、音源で馴染み深い楽曲も常に新鮮に聴こえるし、瞬間瞬間が見逃せないライブになるのだ。

そんな彼女が行う初めてのアコースティックライブ。当然、どの楽曲も本公演のための特別なアレンジで演奏されるうえに、会場はクラシックのコンサートにも対応できる優れた音響設備を整えたホール施設とあれば、スペシャルなライブにならないわけがない。
ステージには、黒須克彦(Ba./バンドマスター)、アンジェロ(Gt.)、西村奈央(Key.)、谷崎 舞(1st Vl.)、白澤美佳(2nd Vl.)、大嶋世菜(Va.)、宮尾 悠(Vc.)が並び、ヴィオラの独奏から順にチェロ、バイオリン、アコースティックギター、ピアノと演奏が加わって豊かなアンサンブルが形成されていくなか、純白のドレス衣装を纏った岬が登場してステージ中央まで歩み出て、静かにお辞儀をしてライブの幕が開ける。

1曲目は最新シングルの表題曲「ちいさな蕾」。TVアニメ『魔導具師ダリヤはうつむかない』のOPテーマとなる本楽曲は、もとよりストリングスをフィーチャーした美麗なミディアムナンバーであるため、弦カルテットが参加したこの日のライブにはぴったりのセレクトだ。
なおかつ今回はドラムやパーカッションなどの打楽器がいない編成ということもあって、よりメロディの美しさに耳がいく。岬は優しく語りかけるようなアプローチで伸びやかに楽曲を表現していき、ラスサビでは力強さを増したニュアンスで、聴き手の背中を押すように、そしてこの特別なライブの成功に向けて弾みをつけるように、清々しく歌い切った。

続いては「Light Me Up!」。岬は西村のほうを向いて、2人で息を合わせて歌始まりのパートをばっちりキメてみせる。原曲はキャッチーなダンスポップといった趣だが、リズミカルな印象はそのままに、弦楽器のバッキングが加わることで優美さとスケール感が増し、岬も音楽に体を預け、その身を揺らせながら、楽しそうに歌を紡いでいく。
ステージ後方に広がるエメラルドグリーンの背景も相まって、まるで大草原で歌っているかのようだ。

MCでは衣装をアピールしつつ、関西弁を交えながらマイペースに進行。
バンドメンバーについても触れ、第1バイオリンの谷崎が「ちいさな蕾」と「あいらぶゅー」の音源にも演奏で参加していることを紹介していた。
そして「少しでも心が楽になるような歌を届けられたらと思っていますので、浸りながらスヤスヤ寝ていただいても全然大丈夫です」と伝えると、ピアノ、アコギ、ベースのグルーヴ感溢れる演奏にストリングスの優雅な響きがフィリ―ソウルっぽく絡む「銀のシュプール」でライブを再開。
そこからパープルやオレンジ色のライトがシックな雰囲気を演出した「スイートサイン」に繋げる。グッと大人っぽさを増した歌声も格別だ。

岬の「1、2、3、4」という優しい声音のカウントから始まった「ワタシFLAVOR」では、休日のクッキングを題材にした歌詞の内容にもマッチした、爽やかでリラクシンな音空間を展開。
エレピの音色も心地良い。続く「街角カレイドスコープ」で岬は星型のタンバリンを手にしてリズムを取りながら歌唱。
客席もクラップして同じリズムに乗りながら、“お揃いの歩幅で”楽しい時間を作り上げていく。
原曲にはないピアノのしっとりとした前奏から始まった「あいらぶゅー」では、途中でバンドメンバーの紹介を挿みつつ、弦楽器のロマンチックな生演奏に伴って岬のボーカルも一層心のこもったものに。出会えたことへの感謝の気持ちを、より親しみを込めて届けてくれた。

“明日の僕へ”から“明日の君へ”

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