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REPORT

2024.10.10

アーティスト・岬 なこの新たな挑戦!初アコースティックライブ“NAKO MISAKI Acoustic LIVE”で届けた“君”へのメッセージ

アーティスト・岬 なこの新たな挑戦!初アコースティックライブ“NAKO MISAKI Acoustic LIVE”で届けた“君”へのメッセージ

“明日の僕へ”から“明日の君へ”

「ここからはしっとりめの歌をお届けしようかなと思います。メッセージ性の強い曲がたくさんありますので、ぜひとも、目を閉じてでもいいし、ゆっくりと心を傾けて聴いてください」。
そんな言葉に続けて歌われたのは「つぎはぎの世界」。彼女の楽曲のなかでもとりわけ感傷的な色が強く、ニュアンス豊かな表現が目立つナンバーだ。
岬とキーボードの西村にピンスポットが当てられ、ステージの各所に置かれたLEDライトがブルーに灯るなか、岬はピアノの伴奏のみをバックに、最初のワンコーラスを情感たっぷりに歌う。2番以降からはストリングスの演奏が加わり、彼女の歌声もよりエモーショナルに染まっていく。
最後の静かに消え入っていくような岬の姿を含め、楽曲の世界観を鮮烈に表現した名演だった。

次の「群青セツナ」は全編アコースティックギターの伴奏のみで歌唱。どこか切なさを帯びたアコギの調べが、歌と寄り添うように歩みを進めていく。
心に真っ直ぐ突き刺さってくるような、センチメンタルだけど確かな意志を感じさせる歌声。抑揚豊かで、その声だけでもストーリーが浮かび上がってくるような不思議な力がある。
そしてボカロPのナノウが楽曲提供した「HURRAY!」はピアノと1対1で表現。
原曲はギターロック系のバンドサウンドだったが、この日はバラードのようにドラマチックなアプローチに。
語尾の力強いニュアンスなどに、いつも以上に気持ちが入っているのが伝わってくるが、何より驚かされたのがラストのフレーズ。
本来は“明日の僕へ”と歌う箇所を、彼女は左手を客席に向けて真っ直ぐに突き出しながら“明日の君へ”と歌ったのだ。
自分自身を鼓舞する歌から“君”を応援する歌へ。この変化は、今後の彼女のアーティスト活動においても、大きな意味を持つことになりそうだ。

そんなしっとりめのナンバー3連発に続いては、彼女が最初に発表したオリジナル曲「ソラトレイト」で一気に開放感溢れる光の世界へ。
アコギとストリングスの躍動感ある演奏に乗せて、爽快な歌声をホールいっぱいに響き渡らせる。本楽曲の最初と最後に置かれた象徴的なフレーズ“Blue verse 君と 優しい明日へ”も、前曲「HURRAY!」での“明日の君へ”という歌詞の変化を踏まえて聴くと、これまで以上に彼女自身が歩み寄ってくれているように感じられて、また新鮮な気持ちで受け止められる「ソラトレイト」になっていた。

その後のMCで「アコースティックライブを通して自分の楽曲がもっともっと好きになりました」「色んな角度からの楽しみ方があることにたくさん気付くことができた」と語る岬。
最初の頃は歌に苦手意識を持っていたという彼女だが、今は自分が歌う楽曲や歌に対して愛着を感じるようになったという。
「自分のことをいちばんよしよししてあげて、“できるよ”と言ってあげられるのは、やっぱり自分だと思うので、そんなときに私の楽曲は寄り添える存在になれたらいいなと思っています」と、改めて自分が届けたい音楽、アーティスト活動に対する素直な思いをファンに伝えた。

ここで岬の“ラップをやってみたい”という想いが反映された、ラジオ番組仕立てのゆるふわラップ曲「もしもし.com」を披露。
ストリングスの優雅なサウンドがリラックスムードを引き立てる。そしてライブ本編のラストを飾ったのは「morning morning」。
原曲よりもテンポを落としたバラード風のアレンジに仕立てられ、ゆったり奏でられる弦楽器、サビで夜明けの空のように色づいていくライト演出も相まって、ここからまた新しい朝が始まることを予感させてくれる。
ラストはまばゆい光の中で“手をつないで 一緒にいこう”と、微笑むように歌って締め括った。

アンコールは「Dancing! Singing! Feeling!」からスタート。まずはバンドメンバーが登場し、黒須のカウントを合図にジャジーな合奏が始まると、ライブグッズの黒いポロシャツに着替えた岬が登場し、楽曲へ。元々はアップテンポなダンスナンバーとして知られるが、匂い立つようなメロディとクールな演奏、緑や赤の鮮やかなライト演出が、大人の夜の世界観を作り出す。岬も艶やかな歌声でファンを魅了した。

その後のMCで、ライブグッズを紹介しながら軽快なトークでファンとの交流を深めるも、ついにお別れの時間に。
「最後はかわいらしい曲で締めようかなと思います」ということで、この日のクロージングナンバーに選ばれたのは「恋のカウント1・2・3」。
LEDライトが岬のフェイバリットカラーである黄色に点灯し、ビームライトが会場に鮮やかな紋様を描き出すなか、岬は愛らしい手ぶりや身振りを交えながらラブリーな歌を会場いっぱいに広げる。バンドと弦カルテットの麗しい演奏、幸せそうにクラップするファン。
ラスサビの“逢えなかった君が今 目の前にいるよ”というフレーズで岬は客席のあちこちに手を向けて、その場に集った一人一人の“君”に愛に溢れた歌を届けて、初めてのアコースティックライブを完走した。

ライブを観終えて改めて感じたのは、岬の甘さと繊細さを併せ持った声質、感情の機微に富んだ表現力豊かな歌声は、アコースティック楽器の柔らかな響きとの相性が抜群に良いということだ。それは、彼女の楽曲が持つ親しみや温かさに満ちた世界観にも当てはまる。
ぜひ今後も機会があればアコースティックライブを続けてほしいところだ。


■岬なこ NAKO MISAKI Acoustic LIVE
2024.09.21@千葉・森のホール21 大ホール
<セットリスト>
M1.ちいさな蕾
M2.Light Me Up!
M3.銀のシュプール
M4.スイートサイン
M5.ワタシFLAVOR
M6.街角カレイドスコープ
M7.あいらぶゅー
M8.つぎはぎの世界
M9.群青セツナ
M10.HURRAY!
M11.ソラトレイト
M12.もしもし.com
M13.morning morning
EN1.Dancing! Singing! Feeling!
EN2.恋のカウント1・2・3

●関連リンク

岬 なこ オフィシャルサイト
https://lantis.jp/misakinako/

岬 なこ 公式X
https://x.com/MisakiNako_

岬 なこ オフィシャルYouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/@MisakiNako_Lantis

「リスパレ!」オフィシャルサイト
https://funky802.com/lispale/

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