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2024.09.27

玉置成実、上海での初ワンマン“NAMI TAMAKI ONEMAN LIVE IN SHANGHAI”で広がった光景は、国境を超えた“最高のスマイル”――!

玉置成実、上海での初ワンマン“NAMI TAMAKI ONEMAN LIVE IN SHANGHAI”で広がった光景は、国境を超えた“最高のスマイル”――!

機動戦士ガンダムシリーズの人気が高い中国。上海には『機動戦士ガンダムSEED』のフリーダムガンダムが、等身大かつ稼働もする機体で設置され、さらなる人気を博している。その上海で玉置成実が初のワンマンライブを開催し、会場は熱い歓声と大きな歌声に包まれた。そして、そこにあったのは国境を超えた“最高のスマイル”だった。

TEXT BY えびさわなち

その始まりからフロアには歌声が溢れた

海外公演とは言え、アウェイ感はない。会場を埋め尽くすファンは誰もが皆、ステージに主役が登場する瞬間を待ち、期待感はフロアの熱を上昇させている。そんななか会場の照明が落ちるとダイナミックなエレクトロビートのSEが響き、ステージに玉置成実とダンサーが登場。「オイ!オイ!」とビートに合わせてコールが響き、キレあるダンスパフォーマンスで始まりからフロアを熱した玉置が「Make Some Noise!」と声を上げると、オーディエンスの歓声が沸く。そして鳴り出したのは「Realize」。冒頭から日本語の歌詞を、彼女と共に歌う上海の観客は、色とりどりに灯されたペンライトを高く掲げ、ライブを全身で楽しむ。迎えるコールに視線を走らせた玉置。笑顔を見せながらダンサーと共に珠玉の1曲で会場をダンスフロアへと変貌させていった。それは、ガンダムシリーズへの熱が高いと言われる中国ならではの「ガンダムソング」への熱気を感じさせるシーンでもあった。

「声を出していきましょう!」という玉置を歓声が迎え続いたのはアニメ『D.Gray-man』のOPテーマ「Brightdown」だ。『機動戦士ガンダムSEED』楽曲の代名詞の1つでもある「Realize」からガラリと空気を変え、ロックンロールで席捲していくナンバーに体を揺らし、拳を高く上げて応える上海のファンたち。そんなオーディエンスに玉置も「初めての上海でのワンマンライブ!みんな来てくれて、謝謝!」と叫ぶ。大歓声が会場を包み込み、「嬉しい」と笑みを浮かべる玉置に「大好きー!」と日本語で声ががかると「私も大好きー!」と玉置も手を振り喜びを表した。そして、会場には『機動戦士ガンダムSEED』のラクスのコスプレをしているファンもいたらしく、「私が『機動戦士ガンダムSEED』の曲を歌ったのは20年前で、時が経ってこうして(上海で)ワンマンライブができて、まさかこんなにたくさんの皆さんが来てくれるなんて思わなくて」と語る、不意に思いついたのか「日本語ちょっとわかる人~?」とフロアへ問いかける。驚くべきはその時に挙がった手の数。会場にいるほとんどの人が手を挙げていたのだ。今日はみんな仲間だから、一緒に楽しもうと話すと、ライブを再開。

TVアニメ『牙 -KIBA-』のOPテーマ「Sanctuary」をオーディエンスの大合唱の中で歌い上げ、ダンサーと共にアグレッシブなダンスを見せると、続いたのは「BREAK THE CHAIN」。アニメ『バトルスピリッツ 赫盟のガレット』の主題歌で、轟くエレクトロビートと唸るギターの音とが印象的な1曲にクラップが湧く。ペンライトの上がり方も捧げるように揺れる掌も、力強く向けられる拳も、ここが玉置のホームグラウンドであるかのように熱を放っていた。イントロが鳴るだけで歓声が沸くのはやはり『機動戦士ガンダムSEED』のナンバーだ。TVアニメ『機動戦士ガンダムSEED DESTINYスペシャルエディション~砕かれた世界~』のED主題歌「Result」は「一緒に!」と声を上げた玉置に続けて、全力でチャントを入れながらそのビートに体を揺らす観客の姿が印象的だった。

カバー曲も交え『機動戦士ガンダム』ソングが会場を1つにする

英語と中国語、日本語を交えてのMCに盛り上がる会場。「みんな、最高です!」と声を弾ませた玉置。前日に上海に設置されているフリーダムガンダムを見てきたという彼女と会話するように反応する上海のオーディエンスたち。「皆さんのおかげで上海がもっと好きになりました」と言うと、続いたのはTVアニメ『白銀の意思 アルジェヴォルン』のEDテーマ「Vivid Telepathy」。カラフルなエレクトロサウンドのイントロからエモーショナルなギターの旋律が響き出すエレクトロロックチューンで、音を浴びるように腕を上げて楽しむ会場の様子に嬉しそうに笑みをこぼしながら歌う玉置は間髪を入れずに「Connect the Truth」をドロップ。特撮TVドラマ「ウルトラマンZ」のEDテーマである切なさの滲むエモーショナルなダンスチューンで、中国では世代を超えて人気が高い「ウルトラマン」の1曲とあってフロアの歓声も大きくなっていく。

続く「Fortune」はビート感の強いエレクトロで紡ぐライブユースな1曲。「ヘイ!」と声を上げてフロアもジャンプ「みんな、水飲んでね?大丈夫?」と声をかけると「大丈夫!」と日本語が返ってくる。「みんな、上手だね」と笑顔になると「私ももっと中国語を覚えたかったけど、難しい」と眉を下げるも「上海、最高!」と気持ちを伝え、温かなな空気がフロアを包んだ。

そしてここで、まだ日本でもライブで披露したことのない「荒波鳴踊」(「コーハメイト」)を披露。中国のゲーム会社が制作したオープンワールド・アクションロールプレイングゲーム『鳴湖」のテーマソングで、4人のダンサーと一糸乱れぬダンスパフォーマンスを交え、視覚でもドラマチックに魅せる。歌い出しからオーディエンスが頭上で一斉にクラップをして迎えたのは「Resolve」。『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の遊戯機の収録曲として制作されたこの曲は、エレクトロビートと情感たっぷりに響くギターの旋律によるコントラストが胸に刺さる。そんなナンバーに続いたのは「BEYOND THE TIME ~メビウスの宇宙を越えて~」だ。TM NETWORKによる『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の主題歌であり、その誕生から36年を経てもなお人気が衰えることない珠玉曲のカバー。その歌い出しから歌声を重ねていく上海のファンを目の当たりにし、どれだけこの曲が愛されているのかが伝わってきた。伸びやかな玉置のボーカルで改めてここ上海に熱を刻み付けていくと、間髪入れず響いたのは、TWO-MIXが歌うTVアニメ『新機動戦記ガンダムW』のOPテーマであるドラマチックでエモーショナルなロックナンバー「JUST COMMUNICATION」。ガンダムの機体を思わせる青のペンライトが揺れ、ダンサーと共に軽やかなステップを踏みながら歌い上げる玉置と共に熱を1つにしていく会場。「みんな、私の熱いエネルギーに疲れていないですか?大丈夫?」と観客を気遣う玉置に「大丈夫―!」と日本語で応えるフロア。そこに『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』のオフィシャルサポーターソングである「Reborn」で畳みかけ、さらに大きな歌声が上がる。ダンサーと5人で空間を大きく使い、エッジの効いたビートとサウンドの世界観とを体現しながら、「ガンダムSEEDシリーズ」の楽曲らしい硬質で疾走感あるダンスチューンでフロアを席捲していった。

次のページ:まさにホームグラウンド。海外のファンの愛に包まれた最高の時間

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