――もうひとつ聞いておきたいのは、メガネ愛についてです。生配信でもメガネ好きのアピールが飛び抜けていましたが、メガネはいつ頃から好きになったのですか?
七瀬 気づいたら好きになっていましたが、本格的に好きだと感じのは、多分高校からです。中学のときは思春期なのも相まって、コンタクトにしたいと思っていた時期がありました。結局コンタクトにすることはなかったですが、そこから色んなキャラクターを知るうちにメガネがすごく魅力的だと気づいて。メガネキャラを好きになることが多くなり、自分でもメガネやメガネの雑貨を集めるようになりました。
――「学マス」のゲーム内でも、プレミアムミッションパスの報酬にメガネが登場しましたね。
七瀬 もう本当にありがたいです。すぐ買いました(笑)。
――さらに、特技の「手芸」も話題で、生配信で着ていた衣装が自作だったのもすごいです。手芸を始めたのは上京してからとのことで。
七瀬 はい。本格的に始めたのは上京してからです。でも、元々、母や母方の両親が服飾系のお仕事をしていたんです。家にはミシンがありましたし、昔から母が洋服を手作りしてくれていたので、母にできるなら私にもできるんじゃないかなと思って(笑)。他に特技がなかったので、極めようと思いました。
――麻央もプロフィールに「手先が器用」とありますし、やっぱり共通点が多いですね。
七瀬 そうなんです。たくさんあって嬉しい限りです。
――麻央と同じように、七瀬さんも背の低さがコンプレックスだったと話していましたが、身長が低いようには感じないですね。
七瀬 よく言われます。自撮りはバストアップが多いこともあって、160cmくらいありそうに見えるみたいなのですが、実際に会ってみると結構小さいので驚かれることが多くて(笑)。麻央みたいに牛乳をたくさん飲んでいたのに、身長はあまり伸びなかったです。
――他にも麻央との共通点や境遇が重なる部分はありますか?
七瀬 私はAKB48さんが好きでよく聴いていたこともあり、かわいさに憧れていた時期があって。でも地声が低いので、私の中でのかわいいイメージとのギャップがあったんです。麻央の場合は、逆にかっこ良くありたいけど見た目がかわいいというギャップがあって、理想とのギャップという意味で似ているなと思いました。他にも、甘いものが好きなところや、お化けが嫌いなところもすごく似ています(笑)。
――細かいところまで。
七瀬 そうなんです。シナリオを読めば読むほど、自分と似ているという気持ちが大きくなりました。それと、私は中学で生徒会長をしていたので、人前に立ってまとめる役割を担っていたところも、寮長である麻央と通じるのかなと思います。
――まさに麻央と一心同体といいますか、シンクロするところが多いですね。
七瀬 はい。本当に自分のことのように一緒に喜び、傷つき、これから先も色んな景色を見ていただけたらと思っています。
――ここからは楽曲のことをお聞きします。麻央の初ソロ曲「Fluorite」をいただいたときの第一印象から教えてください。
七瀬 イントロを聴いた瞬間から麻央の曲だとすごく納得したというか、麻央が歌っている姿を想像できました。これは麻央の曲だ!って。
――作曲・編曲のMoe Shopさんは、オタク文化とダンスミュージックを融合させた曲を作られる方で、「Fluorite」もダンサブルなナンバーになっています。こういった曲調に馴染みはあったのでしょうか?
七瀬 昔からボーカロイドが好きで、Perfumeさんを聴いている時期もありましたから、馴染みはありましたし、イメージもしやすかったです。低音がドゥンドゥンするかっこいい部分もありつつ、Moe Shopさんはかわいい要素も得意だとお聞きしていた通り、かわいさもたくさん散りばめられていて。曲を聴いて早く歌いたい気持ちでいっぱいでした。
――さらに、やぎぬまかなさんが書かれた歌詞は、理想と現実のギャップに悩む麻央のことを知っていると本当に心に響きますね。こちらの印象はいかがでしたか?
七瀬 もう言葉にならなくて、大切に大切にグッと噛み締めました。最初は麻央の人生だけを表現する気持ちだったのですが、レッスンをしていくなかで「悩んでいる人の心を軽くする応援する要素もある曲です」と言っていただいて。そこからは、後輩やファンの人たちにそっと寄り添い、大丈夫だよと手を差し伸べている姿もたくさん表現できるように意識しました。歌詞をプリントした紙には、ディレクションしていただいたことも含めて、びっしりと書き込みをして。それもいい思い出です。
――タイトルの「Fluorite」の意味は“蛍石”。蛍石は多彩な光り方をしますから、すごく象徴的だと感じます。
七瀬 そうですね。蛍石は繊細で壊れやすい性質でもあるので、歌うときも息成分を調整して繊細さを乗せるようにしました。特に最初と最後の“フローライト 内なるヒカリ”のところは、息継ぎをかなり意識したところです。
――馴染みのある曲調とはいえ、難易度は高かったと思いますが、レコーディングを振り返っていただけますか?
七瀬 あまり歌が得意ではなかったので、とても緊張しました。ただ、それを麻央に受け継ぐわけにはいかないので、「麻央は歌が得意なんだ!大丈夫!自信を持って……!」という気持ちが第一にありました。麻央はかわいい要素もかっこいい要素も、色んな魅力のあるキャラクターですから、レコーディングでもフレーズごとに「ここはイケメン要素多め」「ここは優しく寄り添う王子様要素多め」「ここはかわいい表情をたくさん乗せて」と表情を変えていて。聴けば聴くほど色んな表情の見える曲になったかなと思っています。
――特に印象的だったところを挙げるならどこでしょうか?
七瀬 やはり、先ほどお話した最初と最後の部分です。最初の“フローライト 内なるヒカリ”のところは一人語り的な感じで、最後の歌詞が“確かなヒカリ”になるところは、かわいい自分も認めたアイドルとして歌いました。
「Fluorite」のMVが公開されたとき、私もプロデューサーさんと同じようにリアルタイムで観たんです。そうしたら、最後にかっこいい麻央とかわいい麻央が一緒に歌っているシーンがあって。レコーディングで表現したところを、MVでもこうやって表現していただいたのが嬉しくて大号泣しました……今も思い出しただけで泣きそうになります(苦笑)。
――麻央は衣装もアシンメトリーになっていますし、かっこ良さとかわいさの両面あってこそですね。ただ、レコーディングをしながらキャラを固めていくのも難しかったのでは?
七瀬 難しかったです。初めてオーディションに受かった役でしたから、どうキャラ作りをすればいいか、そういう根本的なところから悩みながらやっていきました。スタッフさんたちがすごく優しくて、一緒に一歩一歩作っていけたので、とてもいいものになったと思います。
――「学マス」の現場はキャストとスタッフが一緒になって作っている感がすごく強いですね。
七瀬 本当にそう思います。一緒に模索しながら、本当に色んなやり方でアプローチさせていただいて。改めて演技の楽しさにも気づけましたし、すごくやりがいがあります。
――ゲームでのライブ映像を観たときはいかがでしたか?
七瀬 もう大号泣で、ずっと涙を拭きながら観ていました。私、麻央の(親愛度コミュの)シナリオがすごく好きで、自分自身も(ゲーム内の)プロデューサーさんの言葉に救われた部分があるんです。「特に芯の通った強い声質は、あなたにしかないオンリーワンです」という言葉は、グッとくるものがあったので、“True End”で楽しく自分らしく歌っている姿を観てめちゃくちゃ泣きました。
――さらに、この曲はポエムチックなセリフ部分もポイントです。一発OKだったという話ですが、こちらに関してはいかがでしたか?
七瀬 初手からポエムが入っているのは難易度が高いので、最初に聞いたときは「え?これをやるの!?」と思ってびっくりしました。実は、最初にいただいたポエムから少し内容は変わったのですが、“僕らと世界は反射する”“僕らは世界を吸収する”とあるように、これまで上手くいかなかった麻央だからこそ、ひとつひとつの言葉を丁寧に言うように意識しました。そうしたら、まさかの一発OKをいただいて驚きました。
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