「アイドルマスター」シリーズの6年ぶりの新ブランドとなるアプリゲーム「学園アイドルマスター」(以下、「学マス」)が、5月のサービス開始以降、大ヒットを続けている。ヒットの要因は様々あるが、“アイドルへの挑戦状”をテーマに掲げた楽曲の数々もそのひとつ。近年の音楽シーンを彩る多才なコンポーザーたちが参加した、アイドル作品の枠を超えた楽曲たちは圧倒的なインパクトを残している。リスアニ!では、各アイドルの1stシングルリリースを記念して、楽曲や音楽面にフィーチャーしたキャストインタビューを実施。今回は、幼い頃から歌劇のスターに憧れ、自身もかっこいい王子様系アイドルを目指している3年生・有村麻央役の七瀬つむぎに話を聞いた。
INTERVIEW & TEXT BY 千葉研一
――キャスト発表の生配信「初星学園HR 最終日!」で、七瀬さんはご自身の声があまり好きではなかったと話していました。プロデューサー(「アイドルマスター」シリーズのファンの呼称)の声を代弁して言いますが、とても素敵な声だと思います。
七瀬つむぎ ありがとうございます!
――麻央役に選ばれたことで、自分の声に対する意識が変わったそうですね。
七瀬 はい。麻央を演じるうえで、あまり声を作らないようにしているのですが、生配信のときにプロデューサーの皆さんから「声がすごくいい」「素の声が麻央だ」と言っていただいて、この声で良かったと実感しています。この声だからこそ麻央に出会えたのかなと思うと、嬉しい気持ちでいっぱいです。
――そういう意味でも、麻央との出会いは運命的だったと思いますが、オーディション資料で最初に麻央を見たときはいかがでしたか?
七瀬 資料には“白パンツスタイルである制服姿の麻央”と“かわいいスタイルの麻央”が両方載っていて、かっこいいし、かわいいので、「何だこの子は!?」と思ったのが第一印象でした。私は元々、女性キャラだとかっこいい系を好きになりがちなので、見た瞬間に絶対受かりたいと思って。設定に目を通したら自分自身と重なる部分も多く、「誰にも渡さない!私が絶対に演じるんだ!」という気持ちが大きかったです。
――そのイラストと設定から、麻央をどのように役作りしてテープオーディションに臨んだのでしょうか?
七瀬 麻央は3年生だけど、まだアイドルとしての活動が上手くできていない。でも、子役のときから憧れていた、かっこいい王子様系のアイドルになるんだ!という強い意志は3年間変わらず持ち続けていると思ったので、その強い意志を大きく出すようにしました。
――「学マス」メインプロデューサーの小美野日出文さんによると、オーディションではかっこ良さを前面に出した声にする人が多かったそうですが、七瀬さんはそうではなかったと。
七瀬 確かに、かっこ良さを出すために低い声にしようとは考えなかったです。私自身、普段の声が低い方なので、別に低くしようと意識しなくてもいいんじゃないかと思って。そのままの声で挑んで上手くいったので良かったです。
――その後のスタジオオーディションで、さらに意識したことはありますか?
七瀬 がむしゃらだったので、ちょっと記憶は薄いのですが、柔らかく演じようと思いました。私自身、真面目な部分もあるので、その真面目さがいい塩梅に麻央と一致したらいいなとも思っていて。あとはとにかく楽しんで演じようと。ブースに1人という緊張感もありましたが、少しずついい意味で気を抜いて演じることができたかなと思います。
――歌唱オーディションの方はいかがでしたか?
七瀬 麻央ならどう歌うかを意識しつつも、セリフと同じように歌もあまり作り込み過ぎず、等身大で表現しようと臨みました。最初はかっこいい要素を多めにしていたのですが、ディレクションをいただいて、かわいい要素、微笑んでいる優しい要素、3年になってやっとここまでこられた達成感や多幸感……様々な表情を表現するように意識しました。
――事前に考えていた麻央と、少しイメージが変わった部分もありそうです。
七瀬 そうですね。かっこ良く歌うと表情が固くなりがちだったのですが、もっと色んな表情を出していい子なんだとすごく思いました。
――その後、面接もあったそうですが、印象的だった質問や会話を教えてください。
七瀬 包み隠さず自由にお話するなかで、ご飯の話題にもなりました。私はその頃、食べ放題に行っていっぱい食べることが多かったので、「1人でうどん2人前とおにぎりを食べました」とか「ホールケーキを1人で全部食べた」とか、そういう話をしたのを覚えています(笑)。近くにお薦めのうどん屋さんがあると教えていただき、オーディション後にやり切ったと思って、るんるんでうどんを食べて帰ったのを覚えています。
――そういうことを経て、見事麻央役に選ばれたわけです。合格の知らせはどのような形で受け取ったのでしょうか?
七瀬 事務所に呼び出され、さらっと「受かったよ」と言われて(笑)。麻央には自分に近いものを感じていたので、すごく嬉しかったです。
――作り込みすぎなかったのも良かったのでしょうね。
七瀬 そうだと思います。これからずっと寄り添っていくわけですし、素に近いというか、表現しやすい役に選ばれて嬉しいです。
――しかも、麻央は初めてオーディションに受かった役だとか。
七瀬 そうなんです。スタジオオーディションまで進めたこと自体が2回目で、役に合格したのは麻央が初めてでした。なので、収録や諸々の経験は「学マス」が初めて、ということが多いです。
――「学マス」は挑戦的な楽曲も多いですし、最初からいきなり鍛えられていますね。
七瀬 はい。ビシバシとやっていただいています(笑)。でも、すごく楽しいです。
――七瀬さんは元々「アイドルマスター」のことはどの程度知っていたのでしょうか?
七瀬 すごく詳しいわけではなかったですが、「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」はプレイしていました。なので「まさかこんな日がくるとは……!」という気持ちでいっぱいです。
――では、特にお気に入りのアイドルや楽曲を教えてください。
七瀬 最初はなかなか決められなかったですが、初めてガシャでSSRをお迎えしたのが一ノ瀬志希ちゃんで、それがきっかけで志希ちゃんのことがすごく好きになりました。私、猫が大好きなので、彼女のちょっと猫っぽい口もすごくチャーミングで好きです。
――「にゃはは〜」って笑い方がかわいいですよね。
七瀬 本当にかわいいです。特に好きな楽曲は「Tulip」(速水 奏、塩見周子、城ヶ崎美嘉、宮本フレデリカ、一ノ瀬志希)で、振りも真似していました。
――合同ライブとかで麻央が「Tulip」を歌ったら、めちゃくちゃ似合いそうです!
七瀬 私も歌って欲しいです!他にも、「Love∞Destiny」(佐久間まゆ、北条加蓮、小日向美穂、多田李衣菜、緒方智絵里)や「アンデッド・ダンスロック」(松永 涼、白坂小梅)、「バベル」(一ノ瀬志希、二宮飛鳥)、「VOY@GER」(THE IDOLM@STER FIVE STARS!!!!!)が好きで、かっこいい系やロック、ちょっとダークな感じの曲が好みなので、いつか麻央にそういう曲を歌って欲しいなと思います。
――「アイマス」以外ではどんな音楽を聴いて育ったのでしょうか?
七瀬 小学生の頃はAKB48さんが大好きで、テレビに出ていると一緒に歌って振り真似をしていました。中学以降はアニメやゲームにどっぷりはまって、アニソンや声優さんの楽曲、ボーカロイドの曲も聴くことも多かったです。
あと、ちょっと路線は変わりますが、母がhyde(HYDE)さんのことを好きだったので、家では幼い頃からL’Arc~en~CielさんのMVやライブ映像がずっと流れていて、車でもL’Arc~en~Cielさん、HYDEさん、VAMPSさんの曲をよく聴いていました。私も母とライブに行くぐらい大好きです。
――生配信で、趣味・特技は「ライブ・舞台鑑賞」と書かれていましたが、そういうライブだったのですね。
七瀬 はい。あとは声優さんのライブも好きで、ペンライトや拳を突き上げて楽しんでいる側でした。
――声優では誰に憧れていたのでしょうか?
七瀬 上坂すみれさんをすごく応援していました。声優になりたいという夢が固まったのも、この方たちに出会ったことが大きいです。
――上坂さんはアナスタシア役で、「アイマス」シリーズのキャストでもありますから、一緒のステージに立てたらいいですよね。
七瀬 夢です。いつかその日が来ることを待ち望んでいます。
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